「入社」の意味と使い方とは?例文解説と「入職」との違いも

企業に就職することを「入社」と表現しますが、正社員や契約社員、アルバイトなど雇用形態によってどう使い分けるのが正しいのでしょう。本記事では「入社」の詳しい意味と共に、その使い方やアルバイトの履歴書での使用例について紹介します。また似た意味を持つ「入職」との違いや使い分けについても解説しています。

「入社」とは?

「入社」の意味は”会社に就職すること”

「入社」の意味は、“会社に就職すること”です。「会社に入る」という字の通り、”一般企業に雇われ、就職すること”を「入社」といいます。「入社」は株式会社や有限会社などのいわゆる「会社」と呼ばれる組織の一員となることを意味する単語で、銀行や官庁、病院などでは使用されません。

正社員・アルバイトなど雇用形態は関係ない

「入社=正社員での就職」と誤解されがちですが、「入社」は正社員や契約社員、アルバイト、パートなどの雇用形態を問わず使用することができます。アルバイトであっても、会社に就職する場合には「入社」と表現して問題ありません。

「入社」と「入職」の違いとは?

「入職」は”就職すること”を意味する

「入社」と似た表現に「入職」があります。「入職」とは、端的に言うと”就職すること”を意味する単語で、「何らかの組織に雇われること」を指します。これに対し「入社」は”会社に入ること”を意味する単語です。つまり、会社以外に就職する場合には「入社」と表現することはできないため、「入職」の方が幅広いニュアンスを持つと言うことができます。

「入職」は一般企業以外の職種で使われることが多い

「入職」は”何らかの組織に雇われること”という意味では一般企業でも使える表現ですが、一般的な企業への就職は慣習的に「入社」が用いられます。これに対し、病院や学校などでは「入職」のワードが好んで用いられるのが特徴です。たとえば、看護師の職歴では「○○病院 入職」と表現されます。

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また、「入職」以外でも官庁などの場合は「入庁」、銀行は「入行」のように独特な表現をする業界もあります。

「入社」の使用例・例文とは?

「入社試験」「入社承諾書」など人事・労務関係で用いることが多い

「入社」は”入社試験”や”入社承諾書”など人事まわりで使用されることが多いでしょう。たとえば「入社承諾書」とは、内定者が入社を承諾したことを示す書類です。「内定承諾書」の名称で用いられることもあります。

このほか、入社に際して行われる健康診断「入社前健康診断」などの例を見ても、やはり人事分野での使用が圧倒的に多いワードです。

職歴欄での使い方はアルバイトと正社員で異なる

就職活動をする側になると、履歴書の職歴欄で「入社」の文字を使うことになるでしょう。先述のように、「入社」は正社員やアルバイトといった雇用形態に関わらず使用できる単語ですが、履歴書で特に但し書きがない場合の「入社」は、一般には「正社員」としての雇用とみなされます。そのため「正社員以外での入社」の場合は、雇用形態が分かるよう「入社(アルバイト)」「入社(パートタイマー)」と表記するのが良いでしょう。

使用例

【職歴】
平成○年 4月 株式会社○○入社(アルバイト)
平成○年 3月 株式会社○○ 一身上の都合により退社
平成○年 4月 株式会社**入社
現在に至る

上記の例では一社目がアルバイトでの「入社」、二社目が正社員での「入社」の意味となります。

「入社」を使った例文

「入社」を使った例文をご紹介しましょう。

  • この春、念願だった大手商社に入社する。
  • 入社して3年が経ち、やっと仕事が面白いと思えるようになった。
  • **年入社の中では彼が一番先に役付きになった。
  • 彼はアルバイト入社から正社員になったという異色の経歴の持ち主だ。

「入社」挨拶や自己紹介のポイントとは?

経歴など自己紹介に意気込みを一言添えるとOK

「入社」初日には挨拶を求められるのが通例です。緊張しがちなシーンですが、氏名やこれまでの経歴といった簡単な自己紹介に、意気込みを一言添えるだけで形になります。余裕がある人は、趣味の話題や会話のきっかけとなるようなエピソードを加えるとコミュニケーションの手助けとなるのでおすすめです。

例文

おはようございます。本日入社いたしました○○と申します。
このたび、ご縁がありましてこちらで働かせていただくこととなりました。
前職ではシステム開発の仕事に携わっていましたが、○○がしたいという思いから転職に至りました。

趣味は食べ歩きで、休日はよく新しいお店を開拓しています。
おすすめのランチ情報などあればぜひ教えてください。

一日も早く仕事に慣れ、戦力となれるよう頑張ってまいりますのでよろしくお願いいたします。

メールでの挨拶文例

「入社」の挨拶は出社初日に口頭で済ませるのが一般的ですが、業務都合やリモートワーク等で中々顔を合わせることがないと予想される人にはメールで行うこともあります。その場合も挨拶文例は基本的には変わりません。

なお「本来直接ご挨拶に伺うところ、メールでのご挨拶を失礼いたします」という一文を入れることで、無礼を避けることができます。

例文

はじめまして。本日より人事部へ入社いたしました○○でございます。
本来であれば、直接ご挨拶に伺うところですがメールでのご挨拶にて失礼いたします。
前職では人事部で新卒採用の仕事に従事していましたが、
この度ご縁がありましてこちらの人事部でお世話になることになりました。

一日も早く仕事に慣れるように尽力いたします。
後日あらためてご挨拶させていただけますと幸いです。

これから何卒よろしくお願いいたします。

「入社」の英語訳とは?

「入社」は英語では”enter”や”join”を使う

英語で「入社」を表現する場合は、“enter”“join”を使うことが多いでしょう。「enter」には”入る”という意味が、「join」には”参加する”という意味があります。「enter a company」あるいは「join an company」の表現で”入社する”の意味になります。また、「入社=働き始める」という意味で「start」を使用して表現することも可能です。

例文
  • He joined *** Co., Ltd. in 2010.(彼は***社に2010年に入社した)
  • New employees have started today.(新入社員が本日入社した)

まとめ

「入社」とは”会社に入ること”という意味の単語で、株式会社や有限会社などいわゆる一般企業に就職することを意味します。一方で、「入職」は病院や学校などで主に用いられる表現です。「入社」の挨拶は誰もが緊張するものですが、話す内容よりも身だしなみや声のトーン、表情などを意識するとプラスの印象につながります。過度に固くなりすぎないのも挨拶のポイントです。