「税別」の意味とは?「税抜き」との違いや表記・計算方法も紹介

小売店で買い物をするとき、表示されている価格が「税別」かどうかは無視できない問題です。また「税抜き」という言葉もありますが、「税別」との違いはあるのでしょうか。この記事では「税別」の意味や「税抜き」との違いをはじめ、「税別」表記は違反なのか、「税別」価格の計算方法などについても紹介しています。

「税別」の意味とは?

「税別」とは表示価格に税金が含まれていないこと

「税別」とは、表示されている価格に消費税などが含まれていないことを表した言葉で、別途税金が追加されるということを意味しています。

消費税が導入される前にあった物品税は、消費税と同様に物に課税される間接税です。しかし、主に高級品が課税対象であったことと税別表記がされていなかったことから、一般の人の意識に上る機会は少ないものでした。

「税別」表記は外税表記

「税別」は表示価格に消費税額が含まれないもので、外税(そとぜい)での表記にあたります。一方、消費税額を含めて表示されたものは内税(うちぜい)です。

1989年4月の消費税導入以降、商品価格は「税別」での表記が一般的でした。その後、2004年4月に消費税額を含む総額表示が義務づけられましたが、8%への消費税増税に先立つ2013年10月に、総額表示義務の免除の特例(2021年3月まで)が導入されました。

「税別」と「税抜き」との違い

「税抜き」とは税額を含まないということ

「税抜き(ぜいぬき・税抜とも表記)」とは、表示価格に消費税額が含まれていないことを意味しています。

したがって「税別」と「税抜き」はいずれも外税での表記であって、同じことを別の言葉で表しているだけです。つまり、「税別」での表示価格と「税抜き」での表示価格は同じ金額となります。

「税込み」は「税抜き」「税別」の対義語

「税込み(ぜいこみ・税込とも表記)」は、「税抜き」「税別」の対義語です。「税込み」は消費税額を含んだ内税での価格を表示するもので、具体的な表記方法としては、以下のようなものがあります。

表記事例
  • 1,100円
  • 1,100円(税込)
  • 1,100円(税抜価格1,000円)
  • 1,100円(うち消費税額等100円)
  • 1,100円(税抜価格1,000円、消費税額等100円)

「税別」表記は違反?

2021年4月からは総額表示を義務付け

商品価格の表示については、2004年4月に消費税額を含む総額表示が義務付けられました。しかし8%への消費税増税に先立つ2013年10月に、総額表示義務の免除の特例が出されたのです。

この特例は2014年3月31日に期限を迎えるため、4月1日以降は総額表示が義務付けられることになります。

総額表示の対象は一般消費者向けの商品

消費税を含む総額表示が義務付けられるのは、消費者が商品やサービスを購入する場合のみで、事業者同士の取引においては総額表示義務の対象外となっています。

つまり事業者同士が取引する際の見積書・契約書・請求書などに表示する金額については、「税別」表記を続けても問題にはなりません。

「税別」表記は必ずしも違反ではない

消費税を含む総額表示が義務付けられた理由は、支払いに必要な金額を消費者が理解しやすいようにするためです。

したがって、100円均一ショップの屋号や1万円均一セールなどの店内POP・ポスターにおいては、「110円均一」や「1万1千円均一セール」と表示していなくても、即違反となるものではありません。

この場合、消費者が税込み表示ではないことが分かるような案内を行うなどの誤認防止措置を講じます。つまり、「消費者の誤解を招かないような表記を行いましょう」ということです。

総額表示をしないことへの罰則はない

2021年4月から総額表示が義務付けられますが、「税別」表記を続けたとしても罰則はありません。つまり、違反しても消費税法違反として処罰されることはないのです。

しかし、消費者の誤解を招くような価格表示は「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」に違反する恐れがあり、この法律に違反すると消費者庁から措置命令を受けることになります。したがって、できるだけ速やかに総額表示に切り替えたほうがよいでしょう。

「税別」価格の計算方法

計算式は表示価格÷(1+税率)

総額表示された商品の「税別」価格を計算する方法は、以下の通りです。

税別価格の計算式
  • 税率10%の場合:表示価格÷(1+0.1)
  • 軽減税率(8%)適用の場合:表示価格÷(1+0.08)

端数は切り捨てが一般的

消費税の計算では1円未満の端数が生じますが、この端数については切り捨て・切り上げ・四捨五入のいずれかによって処理すればよいとされています。つまり財務省や国税庁などによる法的な定めはなく、処理方法は各業者に委ねられているのです。

端数を切り捨てたほうが顧客の利益になるため、小売店では切り捨てを採用するケースが多くみられ、業者間での取引の場合には両者であらかじめ取り決めた方法で処理しています。

まとめ

「税別」の意味のほか、「税抜き」との違いや表記・計算方法についても紹介しました。消費税納税額の計算そのものがとても煩雑であることに加え、税率が変わるたびに販売業者は対応に追われます。

総額表記が義務付けられることでさらなる負担の増大が見込まれますが、罰則がないからといって違反を続けることは避けたいものです。