「リアクション」は英語が由来の言葉ですが、日常生活でもよく見聞きされるようになり日本語として通用しています。しかし似た意味のカタカナ語もあり、混同して使われているケースも見受けられるようです。この記事では「リアクション」の意味と使い方のほか、類語との違いや対義語についても紹介しています。
「リアクション」とは?
「リアクション」の意味は”働き掛けに対する動き”のこと
「リアクション」の意味は、“外からの働き掛けを受けたことに対応して生じる、反射的な動きのこと”です。日本語の「反応」に相当する言葉です。
また、話をふられたときの反応のことも「リアクション」にあたり、大げさな「リアクション」を芸風とするお笑いタレントもいます。
「リアクション」は英語の”reaction”が由来
「リアクション」は英語の“reaction”が由来で、読みをカタカナ表記したものです。「reaction」は行為・動作を表す”action”に、「反対の」という意味を加える接頭辞”re-“がついて成り立っていて、日本語訳としては「反応・反動・反抗・反発・反作用」などがあります。
「リアクション」の使い方がわかる例文
「リアクション」を使った例文をご紹介しましょう。
- 他人ごとのような彼の薄いリアクションに、上司はあっけにとられているようだ。
- 彼女の大げさすぎるリアクションに、周囲は思わず引いてしまった。
- こちらとしては、相手の出方にどうリアクションすればよいのかわからない。
- 取引先のリアクションを伺いながら、値上げ要求を切り出すタイミングを計っている。
「リアクション」と「レスポンス」との違いとは?
「レスポンス」の意味は”応答”
「リアクション」と意味合いが似ている言葉として、「応答」を表す”レスポンス”があります。「レスポンス」も「リアクション」と同様に英語が由来の言葉で、「response」の読みをカタカナで表記したものです。
「誓う・約束する」という意味の”spondere”が語源となる「spons」に、返すという意味を加える接頭辞「re-」がついて構成されています。
「リアクション」は反射的、「レスポンス」は意識的
「リアクション」は、外からの刺激に対して反射的に反応することに対して用いられるものです。一方、「レスポンス」は意識的に反応することを指します。
どちらも「反応」という意味合いで使われる言葉ですが、意図的に行う反応は「リアクション」ではなく「レスポンス」が正解です。
また、「リアクション」の反応は瞬間的な行動で表されることに対し、「レスポンス」での反応は出来事への対応や質問への応答として表れます。
「リアクション」と「フィードバック」との違いとは?
「フィードバック」とは結果を返すこと
「フィードバック」も、「リアクション」と似た意味合いを持つ言葉です。英語の「feedback」をカタカナ表記したもので、食べ物(feed)と返す(back)があわさってできています。
元々は帰還(入力と出力のあるシステムにおいて、出力結果を入力側に返す操作)という意味でしたが、そこから展開して情報・質問などの受け手からの反応・意見・評価という意味で使われるようになっています。
「フィードバック」は改善のための情報
「フィードバック」は評価を返すだけで終わるものではなく、それを元にして改良や改善を行うことが前提となっているものです。
したがって、「フィードバック」は情報として有用であると同時に、有効に活用されるべきものであることが求められています。この点が、「リアクション」や「レスポンス」との大きな違いです。
「リアクション」のその他の類語とは?
「反応」とは働き掛けに受けて起こる変化や活動
「反応」とは、働き掛けを受けることで起こる変化や活動のことです。物質における相互作用による変化(化学反応)のことも指します。「リアクション」の日本語での意味としてあげられる言葉ですが、「敵の動きに反応する」というように、相手の出方を見て意識的に対応を変えることをいうものです。
「反動」は対抗して生じる反対の動き
「反動」とは、あるものに対抗して生じる動きで、元のものとは反対の方向を示すものです。「反動」は「反応」の一種ですが「逆方向」という動きをすることが特徴で、さまざまなパターンがある「リアクション」とはこの点で異なっています。
「リアクション」の対義語とは?
「アクション」の意味は”行動”
「リアクション」の対義語は、”行動・活動”という意味を持つ「アクション」です。広い意味では「リアクション」も「アクション」の一種ですが、「リアクション(reaction)」から”反対の”という意味を表す「re-」を取り除くことで、対義語となっています。
「作用」とは他に力を及ぼすこと
「作用」とは、他のものに力を及ぼすことです。何らかの「作用」を受けたことによって、「反作用」や「副作用」のような「リアクション」が誘発されるため、「作用」は「リアクション」の対義語にあたるものといえます。
まとめ
「リアクション」の意味と使い方のほか、類語との違いや対義語なども紹介しました。「リアクション」はその場でとっさに取ってしまう反応で、「レスポンス」や「フィードバック」に比べると、本来は軽く受け流してよいものです。しかし、とっさの時の言動には本音が出てしまいがちなため、用心するに越したことはないでしょう。