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「ご手配」の意味と使い方!「お手配」との違いや類語を例文で紹介

ビジネスシーンでしばしば使われる「ご手配」という言葉ですが、「お手配」とはどう違うのか、もっとふさわしい言い換え表現があるのかなど、疑問は尽きません。

改まった場でも自信と余裕を持って振る舞うことができるように、「ご手配」の正しい意味や使い方のほか、類語や例文を紹介します。

「ご手配」の意味や敬語は?

「ご手配」の意味は「段取りや準備をすること」

「ご手配」の意味は、「人員・物・事の段取りや準備をすること」です。

「手配」は手を配ることから成り立った言葉で、「気」や「目」ではなく実際に行われる手段や行為に重きが置かれています。「手配」の意味としては、

  1. 人員や物の段取りや準備をすること
  2. 犯人逮捕のための指令や処置を行うこと

のふたつがあります。

「ご手配」は敬語表現

「ご手配」は「手配」に謙譲・尊敬や丁寧さを表す接頭辞の「ご」をつけた丁寧な表現です。

謙譲・尊敬・丁寧を表す「ご手配」が指すのは、「手配」の2つの意味において、「犯人逮捕」の意味はなく、一般的な人員・物・事の「段取りや準備を行う」という意味になります。

「ご手配」と「お手配」の使い分け

「お手配」は誤用ではない

「手配」の尊敬語や丁寧語として、「ご手配」のほかに「お手配」という言い方をする場合があります。

「ご」と「お」の使い分け方は、原則として「ご」は音読みする言葉や漢語に、「お」は訓読みする言葉や和語につけることで判断します。

「手配」は訓読みの「手」+音読みの「配」から成る言葉なので、「ご」と「お」のどちらを使っても問題はありません。

「ご手配」と「お手配」は意味が異なる

「ご手配」と「お手配」はどちらも正しい使い方ですが、全く同様に使うことはできません。

接頭辞の「お」には尊敬や謙譲のほか、ていねいに表現するための美化語としての用法があります。「お手配」は「手配」に「お」をつけることで、尊敬や謙譲よりも美化することに重きを置いた表現です。

一方「ご手配」の「ご」は尊敬や謙譲を強く表すもので、美化語の働きはありません。接頭辞である「ご」と「お」の働き方の違いが、「ご手配」と「お手配」の意味にも違いをもたらしているのです。

「お手配」には緊急性がない

「ご」・「お」とも、尊敬語と丁寧語をつくる接頭辞ですが、もともと和語に付く「お」は軟らかくおっとりとした表現に向くものです。

したがって、早急に準備を進めたいような場合には「お手配」ではなく「ご手配」を使う方が適しています。

ビジネスシーンでは「ご手配」が一般的

「お手配」は間違った言い回しではありませんが、「ご手配」の方がより形式的でフォーマルな表現です。

尊敬や謙譲を表したいときや、緊急性・確実性が要求されるビジネスの場では「お手配」ではなく「ご手配」を使ったほうが無難で、特に相手が目上の方や年配の方である場合は「ご手配」が適切な言葉として推奨されます。

迷ったら「ご手配」を使う

「ご手配」と「お手配」のどちらを使えばよいのかはっきりしない場合には、「ご手配」を使っておくと無難です。

軟らかい表現の「お手配」より硬い表現である「ご手配」ほうが、正確で信頼できる印象を持たれるため、ビジネスシーンでは「ご手配」の方が好ましく受け止められます。

「ご手配」の類語と使い方

「ご手配」の類語は「ご準備」「ご用意」

「手配」の類語としては、「準備」「用意」「段取り」「お膳立て」などがあります。

このなかで「ご手配」と同じように用いることができるのは、「準備」と「用意」です。「ご準備が整いました」「ご用意いたします」というように使うと、尊敬や謙譲の気持ちを表した丁寧な表現になります。

「お膳立て」は使い方に注意が必要

「お膳立て」は丁寧語の「お」が付いた言葉です。食事の準備を行うことを指す「膳立て」はもともと表立って行う行為ではないため、「お膳立ていたします」という言い方はしません。

しかし、相手のしたことに対しては「お膳立てしていただき、お心遣いに感謝いたします」というように使うことが可能です。

「ご手配」を使ったビジネスにおける例文

自分の行為に使う場合

  • 「お車のご手配をさせていただきます」
  • 「会場のご手配が整いました」
  • 「品物のご手配が遅れてしまい、申し訳ありません」

相手の行為に使う場合

  • 「ご手配くださり感謝いたします」→尊敬表現
  • 「ご手配いただき感謝いたします」→謙譲表現

どちらも相手を立てる表現でよく似ていますが、「くださり」を用いることで尊敬を「いただき」を用いることで謙譲を表しているという違いがあります。

  • 「早急にご手配のほど、お願いいたします」→緊急の依頼
  • 「折を見てお手配いただきますよう、お願いいたします」→緊急性のない依頼

手配に「ご」と「お」のどちらを付けるかによって、緊急性の有無を表すことができます。

まとめ

「ご手配」という言葉そのものが尊敬や謙譲を表していますが、あとに付ける言葉でさらに敬意を強めることができます。また「お手配」のような「ご手配」に似た表現でも、微妙な意味合いの違いがあるのです。

適切に使い分けられるようするためには、シーンに合った例文を覚えておくと役に立つのでおすすめします。