「吟味」の意味と例文は?数学での使い方や類語・英語表現も紹介

「吟味」は入念に選び抜かれたことを表す言葉で、日常生活のなかでもよく見聞きするものです。しかし本来は別の意味で使われていた言葉であるだけでなく、数学にも登場しています。この記事では「吟味」の意味を例文とともにあげながら、さまざまな場面での使い方や類語・英語表現も紹介しています。

「吟味」の意味とは?

「吟味」の意味は念入りに調べて選ぶこと

「吟味(ぎんみ)」とはものごとを念入りに調べることや、調べたうえで選び取ることを指す言葉です。

熟語に用いられている「吟」という文字には、「詩歌を作る」「節をつけて歌う」という意味がありますが、熟語の意味合いを含んだものではありません。つまりものごとを念入りに調べるという語句の意味は、文字から読み取ることはできないのです。

「吟味」は罪状を取り調べること

「吟味」には被疑者などの罪状を取り調べるという意味もありますが、現在ではほとんど使われていません。

江戸時代を描いた時代劇でよく見かけるお白洲(おしらす)のシーンに、「これより吟味をいたす」というセリフがよく登場しますが、これは「今から取り調べを行う」という意味合いです。先に紹介した「ものごとを念入りに調べる」という意味は、ここから派生しています。

「吟味」は詩歌を吟じて趣きを味わうこと

「吟味」の意味には詩歌を作って楽しんだり、節をつけて歌いその趣きをじっくりと味わったりするというものもありますが、本来「吟味」はこの意味で用いられていたものです。

「吟」という漢字は、口偏に「物事を覆い包む」という意味を持つ「今」がついて構成されています。つまり「吟」そのものの意味合いとして、「口に含んで味わう」ことを表していることが理解できるのです。

「吟味」の使い方がわかる例文

「念入りに調べる」は「吟味」の一般的な用法

「吟味」は元々、詩歌を楽しむことや江戸時代の取り調べを指す言葉でした。しかし現在では、念入りに調べることや調べたうえで選び取ることを指して用いられることが一般的です。

なお、調べたり選んだりする対象は物事だけでなく人物であっても問題ありませんが、相手に対して直接使うと見下げたような感覚を与えてしまうため注意が必要です。以下に、使い方がわかる例文をあげてみましょう。

「念入りに調べる」という意味での例文

  • 吟味を重ねて集めた食材だけに、調理には細心の注意を払っていただきたい。
  • 時間を掛けて吟味した調度品が飾られた客間には、得も言われぬ風格が漂っていた。
  • 社運を賭けたプロジェクトだけに、メンバーの人選には吟味を尽くしたい。

「吟味」の数学での使い方

数学での「吟味」は解を再検討すること

数学で、「解(かい)の吟味」という言葉が見られることがあります。連立方程式を解いた場合、解が複数あることが多いのものです。

この場合に、得られた解が答えとして適切であるかどうかを検討することが「解の吟味」にあたるものです。たとえば辺の長さを求めるケースであれば、マイナスの数値は不適切であるため採用しません。

「吟味」の類語と英語表現

「評価」とは物事や人物の価値判断をすること

「評価(ひょうか)」とは、物事や人物に対して価値判断を行うことです。「吟味」とは違い、内容の検討に対する念の入れ具合については言及されません。

したがって見た目だけ、あるいは評判を聞いただけという理由で決めた場合でも「評価」することはできるのです。

「精査」とは詳しく調べること

「精査(せいさ)」は、物事を詳しく調べることを表しています。「くわしい」ということを表す「精」と、「よく調べて明らかにする」という意味の「査」があわさって構成された熟語です。

なお「吟味」とは違って、「精査」には「判断する」「選び取る」といった意味合いはありません。

「詮議」には罪人を取り調べるという意味も

「詮議(せんぎ)」には、評議して明らかにするという意味があります。「詮議」は「ものごとを明らかにする」「選ぶ」ことを表す「詮」と、相談することを指す「議」とがあわさってできた熟語です。

「詮議」には罪人を取り調べるという意味もあるため、江戸時代のお白洲で使われた「吟味」の同義語にあたります。

「玩味」は文章をよく味わうこと

「玩味(がんみ)」とは、食べ物をよくかんで味わうことを指す言葉です。ここから転じて文章の内容をよく理解して味わうことを表すときにも使われ、「熟読玩味」という四字熟語にも含まれています。

詩歌を味わうという意味での「吟味」に近い言葉として、「玩味」を用いることができるでしょう。

「吟味」の英語表現は「examination」

「吟味」の英語表現にあたる言葉は「examination」で、作家の書物に対する厳格な研究や、宗教的な良心の検討を表す「examen」に、接尾辞の「-ate(する)」と「-tion(こと)」がついてできた言葉です。

一般的には「試験」という和訳で知られていますが、考察・吟味・尋問などの意味も持っています。

まとめ

「吟味」の意味と例文のほか、数学での使い方や類語・英語表現も紹介しました。熟語の意味は漢字から読み取れるケースが多いものです。しかし、元々の使われ方と違った用法が一般的になったよう語句の場合、一筋縄ではいかないこともあります。

そんな場合でも語源をたどってみれば意味合いを理解するよすがを得ることができるので、せひお試しください。