「雄弁」の意味とは?使い方の例文や類語の「能弁」・対義語も解説

「雄弁(ゆうべん)」とは”力強く話すこと”を意味する言葉です。褒め言葉として使われる「雄弁」の、使い方を知りたい方もいるでしょう。

この記事では「雄弁」の読み方や使い方の例文、類語・対義語も解説します。くわえて「雄弁」の英語表現や、ことわざ「雄弁は銀、沈黙は金」についても解説しましょう。

「雄弁」の意味と読み方とは?

「雄弁」の意味は”力強く話すこと”

「雄弁」の意味は、“人を納得させるような、堂々とした力強さで話すこと”です。「雄」が”力強くて優れている様子”を、「弁」が”話し方”を表しており、良い意味の言葉として使われます。

「雄弁」の読み方は”ゆうべん”

「雄弁」の読み方は“ゆうべん”です。また、「雄弁」は「雄辯」とも表しますが、「辯」は日常的に使用する漢字ではないため、一般的には「雄弁」が使用されます。

「雄弁は銀、沈黙は金」はことわざとして使う

「雄弁」を使ったことわざに”雄弁は銀、沈黙は金(ゆうべんはぎん、ちんもくはきん)”があります。「雄弁は銀、沈黙は金」とは”雄弁であることは重要だが、黙るべき瞬間を理解することはさらに重要なことである”を意味することわざです。

自分の意見を通すためには相手を納得させるような力強い話し方が必要ですが、それ以上にタイミングを理解して、沈黙することが重要なときもあることを表しています。

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「雄弁」の使い方と例文とは?

「雄弁さ」は”力強く話す性質”を表す

「雄弁」の使い方の1つが「雄弁さ」です。「雄弁さ」とは”人を納得させるような、力強い話し方をする性質”を表します。「雄弁」に接尾語の「さ」を加えることで、その人の状況や性質が「雄弁であること」を表しています。

例文
  • こんなとき、彼のような雄弁さがあったらなと思うのだ。
  • 持ち前の雄弁さで、民衆の心を一気にひきつけた。

「雄弁に語る」「雄弁を振るう」のように使う

「雄弁」は”雄弁に語る”や”雄弁を振るう”のように使われます。「雄弁に語る」と「雄弁を振るう」はどちらも雄弁さを十分に発揮し、堂々と話している様子を意味する表現です。また、「雄弁に語る」は比喩表現でもあり、実際に話をする以外の場面でも使用できます。

たとえば、「彼の傷が雄弁に語っている」のように使用することで、話をするまでもなく「傷」が何かあったという事実を物語っていることを表します。

例文
  • 話をするまでもなく、彼の態度が私たちとの決裂を雄弁に語っている。
  • 彼が雄弁を振るうことになるなど、誰が想像しただろうか?

「雄弁家」「雄弁な人」の意味は”力強く話す人”

「力強く堂々と話している人」を”雄弁家(ゆうべんか)”や”雄弁な人”と表します。単によく喋る人を表すのではなく、説得力がある人や、話の組み立て方が上手な人に対して使用されます。

例文
  • 生まれ持っての雄弁家である彼女は、民衆の心を鷲づかみにした。
  • 雄弁な人は総じて語彙が豊富であり、博識でもあるのだ。

「雄弁」を使った例文

「雄弁」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 薬指にはまった指輪が、彼らの関係を雄弁に物語っていた。
  • 彼が行った雄弁な演説は、多くの人に影響を与えることになった。
  • 雄弁家と称された彼だが、今はその面影すら残っていない。

「雄弁」の類語とは?

「雄弁」の類語は”能弁”

「雄弁」の類語には“能弁(のうべん)”が当てはまります。「能弁」とは”話し方が巧みなこと”を意味する単語です。「雄弁」と「能弁」はどちらも”上手な話し方”を表すため、言い換えてみましょう。

例文
  • 先ほどまで能弁に語っていた人物とは思えないほど、狼狽えていた。
  • 彼の能弁をもってすれば、すぐに意見が変わるだろう。

「饒舌」は「雄弁」の類語として使えない

「饒舌(じょうぜつ)」は「雄弁」の類語ではないため、注意しましょう。「饒舌」とは”おしゃべりな様子”を意味する単語です。「話す」という点では共通している「雄弁」と「饒舌」ですが、「雄弁」は褒め言葉として使われる一方で、「饒舌」は”口数が多くて騒がしい”などの悪い意味で使われます。

褒める意図があったとしても「饒舌ですね」は、「おしゃべりで騒がしいですね」と相手を貶すことになるため、注意しましょう。

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「雄弁」の対義語と例文とは?

「雄弁」の対義語は”訥弁”

「雄弁」の対義語には“訥弁(とつべん)”が当てはまります。「訥弁」とは”なめらかではない話し方”を意味する単語です。「雄弁」の”説得力があって、力強い話し方”とは反対に、「訥弁」は”言葉が出てこず、言いたいことを表現できない様子”を表します。

「雄弁」の対義語を使った例文

「雄弁」の対義語を使った例文をご紹介しましょう。

  • 彼は訥弁であるものの、自分の気持ちを文章で伝えることは得意だった。
  • 訥弁であることを笑われてから、人前で話すことが嫌いになった。

「雄弁」の英語表現と例文とは?

「雄弁」は英語で”Eloquent”

「雄弁」の英語表現には“Eloquent”が適しています。「Eloquent」とは”雄弁な”や”能弁な”を意味する単語です。また、「雄弁家」を英語で表す場合、「Eloquent」を使う以外に「Orator(雄弁家)」が使われることもあります。

「雄弁」の英語を使った例文

「雄弁」の英語を使った例文をご紹介しましょう。

He was an eloquent speaker and a good politician.

意味:彼は雄弁家であり、優秀な政治家でもあった。

まとめ

「雄弁」とは”人を納得させるような、堂々とした力強さで話すこと”を意味する言葉です。「雄弁さ」や「雄弁に語る」のように使われ、ことわざでは「雄弁は銀、沈黙は金」という言葉もあります。

類語には「能弁」が当てはまりますが、「饒舌」は褒め言葉ではないため言い換えには注意しましょう。

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hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。