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「胆力」の意味とは?使い方の例文や類語「鍛える」との違いも解説

「胆力」は、あまり耳慣れない言葉かもしれません。しかし「胆力」は、ビジネスにおける交渉やスポーツの試合などのような緊張を強いられる場面で、重要な働きをするものなのです。この記事では「胆力」の意味・使い方と類語に加え、胆力を「鍛える」「養う」ことの違いについても紹介しています。

「胆力」の意味と読み方とは?

「胆力」の意味は”動じない精神力”

「胆力」の意味は、“物事に対して臆したり動じたりすることのない精神力”のことです。ピンチに直面すると、多くの人は動揺します。弱音を吐いたり逃げ出したりしたくなるのが人情ですが、そんなときでも平常心を失うことなく的確な判断や行動のできる人を「胆力がある」と評します。

「胆力」とは心の力

「胆」という文字には、”きも(内臓)”のほか”心・気力”などの意味があります。「胆」と同様に「きも」を表す「肝」を用いた熟語を使った”肝胆相照らす”という故事でも、「肝胆」は心という意味です。したがって「胆力」は心の力、つまり精神力を表すものであり、理性によるものではありません。

「胆力」の読み方は”たんりょく”

「胆力」の読み方は“たんりょく”です。

「胆力」の使い方・例文とは?

「胆力」を使った例文

「胆力」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 対戦相手の胆力に気圧され、実力の半分も発揮できずに敗れてしまった。
  • リーダーの胆力がチームメンバーを鼓舞し、ピンチを脱することができた。
  • 彼の打たれ強さは、胆力ではなく鈍感さに由来しているように思える。

「胆力」を「鍛える」と「養う」の違いとは?

「胆力」は鍛えることで強化される

「胆力」は、後天的に鍛えることができるものです。「胆力」を鍛えるためには、筋力トレーニングのように負荷を掛けることが必要です。

いきなりハードルを上げるのではなく、今の自分の精一杯より少しだけハードなことに取り組んでいく習慣をつけるとよいでしょう。

「胆力を養う」は少しずつ作り上げるイメージ

「胆力を養う」と「胆力を鍛える」は、同じような意味で使われています。しかし「養う」は少しずつ作り上げていくことを、「鍛える」はすでにあるものを強くしていくことを表している言葉です。

したがって「胆力」を養うためには、負荷ではなく栄養を与えて育てていくようなやり方が求められます。「胆力」があると思える人物をモデルに自分の言動を振り返るようにすることで、「胆力」を養うことができるでしょう。

「胆力を練る」は経験を積みつつ高めていくこと

「胆力を練る」という表現も、「胆力を鍛える」と同じ意味合いで用いられています。しかし「練る」という言葉には「習熟する」「経験を積む」という意味があり、繰り返すことで質を上げるというニュアンスを持っているのです。

したがって「胆力を練る」ためには、反省・修正を行いながら場数を踏むという、地道な努力が必要となります。

「胆力」の類語とは?

「胆力」の類語①度胸

「度胸(どきょう)」とは事に対して恐れを抱かない心のことで、「胆力」の言い換えとして使うことができる言葉です。

「度」という文字には”度合・器量”という意味があり、心を表す「胸」をともなって多少のことで揺らがないどっしりとした心を表す熟語となっています。

「胆力」の類語②気概

「気概(きがい)」とは、困難に遭っても屈することのない強い気持ちのことです。「概」には”自分の意思を曲げず困難や辛さに打ち勝つこと”という意味があり、気持ちを表す「気」をともに「気概」という熟語を構成しています。

「気概」は”やり遂げる気概”というように、具体的な行動目標をともなって用いられる事例が多くみられる言葉です。

「胆力」の類語③気骨

「気骨(きこつ)」とは、信念を貫き簡単には屈服しない強い精神力のことを表した言葉です。「骨」という文字には”中心にあるもの・品格”という意味があります。

英語のバックボーンが精神的支柱という意味を持っていることと同様に、「骨」は容易に折れることがない精神を表しているものです。

胆力の類語④剛毅

「剛毅(ごうき)」とは、意思が強くくじけないことを指す言葉です。熟語に用いられている「剛」と「毅」は、いずれも意志が強いことを表した文字で、同じ意味を持った文字が重ねられることで意味合いが強調されています。

「剛毅」は”剛毅な人物・剛毅さにあふれている”というように、形容動詞としても用いることができる言葉です。

「胆力」の英語表現とは?

「胆力」は英語で”courage”

「胆力」を英語で表現すると“courage”です。日本では「勇気」と訳されることが多い言葉ですが、行動面における勇敢さを表した”bravery”とは異なり、危険や苦難にあっても恐れることなく、不安を抑えることのできる精神という意味合いを持っています。

まとめ

「胆力」の意味と使い方のほか、類語や「鍛える・養う」の違いについても紹介しました。「胆力」は生まれつきのものではなく、努力や習慣によって鍛えたり養ったりできるものです。

いきなり剣豪のような「胆力」を持つことができませんが、日々増強していくことで気が付いたときには「あの人は胆力がある」といわれるようになっているかもしれません。