「措置」の意味とは?使い方や例文・類語「処置」「契約」との違い

「措置」とは事態に対して必要な手続きを行うことを意味する熟語ですが、行政用語としてよく見聞きられるものです。語感や使用場面が似ている言葉として「処置」や「契約」がありますが、この記事ではこれらの意味と違いのほか、使い方や例文なども紹介しています。

「措置」の意味とは?

「措置」の意味は必要な手続きを行うこと

「措置(そち)」の意味は、事態に対して必要な手続きを行うことです。「措」という文字には、「はからう」「決着をつける」「振る舞う」「放っておく」などの意味があります。

この場合は「決着をつける」という意味で使われており、物事に決着がつくように必要な取り計らいを行うことを表したものです。

もう一つの文字である「置」は、「すえつける」「場所を設ける」という意味があり、「措」とあわさって物事の決着をつけるという意味合いの熟語として使われています。

「措置」とは行政による判断や決定のこと

「措置」には行政が職権で判断してサービスの種類や提供機関などを決めることや、その決定内容のことを指しても用いられています。

社会福祉事業においては、福祉サービス利用者にサービスや費用負担などを決定して給付することを指すものです。

「措置法」とは特定の対象への法のこと

「措置法(そちほう)」とは、特定された適用対象への具体的な処分性を持った法のことです。本来法律は、不特定多数や抽象的な事例に対するものですが、「措置法」においては特定の適用対象に対して具体的な処分が適用されます。

具体例としては『大規模地震対策特別措置法』や『租税特別措置法』などがあり、特定された対象への具体的な処分について定められています。

「措置」にはそのままにしておくことという意味も

「措置」には、物事をそのままにしておくことという意味もあります。この場合の「措」は、「放っておく」という意味です。

ほかにも「措置」は身を安らかにしていることを指しても用いられますが、「必要な手続きを行う」という意味で使われることが一般的です。

「措置」の使い方と例文

「措置」は日常会話であまり使われない言葉

「措置」は、日常会話で使うことは少ない言葉です。物事の後始末だけでなく、事が起きる前の予防や事前対処に対しても使うことができます。

また、必要なことを判断して行うという意味合いが強く、行政の権限での行為に対して「措置を講じる」という言い回しがよく使われています。

「措置」を使った例文

  • 自治体は災害に備えて万全の措置を講じると言っているが、この予算では無理だろう。
  • 当社ではたとえ少額であっても、債務不履行に対しては法的措置も辞さない構えだ。
  • 異例の措置のはずだった大規模金融緩和は、さしたる効果がないまま常態化している。

「措置」と「処置」との違い

「処置」とはその場に応じた手立てを講じること

「処置(しょち)」とは、その場や状況に応じた手立てを講じることを表した言葉です。「処」という文字には、「とりさばく」「しかるべく決める」という意味があり、物事に対して適切な対応を行うという意味を熟語に持たせています。

なお「処置」は「応急処置」や「虫歯の処置」というように、怪我や病気の手当などの医療行為を指しても用いられますが、「措置」にこのような用法はありません。

「措置」との違いは対応が行われるタイミング

「措置」とは違って「処置」は、事前に手を打つという意味はなく、すでにある出来事やものごとに対して後から行われるものです。

また、「処置」には一時的なものや個々の対応も含まれており、「措置」のように決定や実行など最後の段階までトータルで行われるものとは限りません。

つまり「措置」は事前の段階から最終段階までのすべてに対する手続きや決定を行うものであることに対し、「処置」は事が起こってからの対応や一時的な対応のことを指すものであるという違いがあります。

「措置」と「契約」との違い

「契約」とは当事者同士の合意による法律行為のこと

「契約(けいやく)」とは、二人以上の当事者の合意によって成立する法律行為のことです。売買・所有のほか雇用など債権・債務のような法的拘束力が発生するものに関して行われます。

たとえば売買契約の場合、買い手と売り手が合意して物品やサービスの提供と代金の支払いが行われますが、義務を怠るなどの違反に対しては法的な制裁が加えられることになるのです。

「契約」は自由意志に基づくもの

現在の社会福祉サービスにおける「措置制度」では、主に低所得者を対象に税金を資源として国や自治体がサービスを提供しています。

一方の「契約制度」は、40歳以上が支払う介護保険料を資源として、サービスを希望する高齢者が事業所と直接契約を行うものです。

「措置制度」ではサービスの内容は国や自治体の判断によって決められ、代金は応能負担となってます。「契約制度」では利用者がサービスを自由に決めることができますが、代金は応益負担です。

つまり「契約」は当事者同士の自由意志に基づいて行われることが大前提となっており、この点が「措置」とは異なっています。

まとめ

「措置」の意味について、使い方と例文のほか「処置」「契約」との違いについても紹介しました。

「措置」は事の始まりから最終段階まで全体を対象とすることに対し、「処置」は一時的な対応や個々の対応を指して使われています。

そして「契約」は当事者同士の自由意志による合意に基づくという大前提があり、この点において「措置」とは異なるものです。これらを押さえておけば、使い分けに悩まずにすむでしょう。