「同期」の意味と使い方とは?同期解除や非同期処理についても解説

「同期」とは、同じ時期という意味の言葉です。同期入社や同期生などの用法に加え、近年では通信機器の発達によって「データの同期」という用法が増えています。この記事では「同期」の意味について、入学・入社だけでなくデータの同期の仕方や、プログラム処理での非同期についても解説しています。

「同期」の意味とは?

同期とは「同い年」ではなく「同じ時期」の意味

「同期(どうき)」とは、同じ時期・期間・年度という意味の言葉です。また、同じ時期に入学・卒業や入社する人のことも「同期」といいます。「期」という文字は「とき」を表し、「ともにする」「一致する」という意味の「同」という文字と構成された熟語です。

なお、「同期」には「同い年」という意味ではありませんが、義務教育や新卒採用の場合は同い年であるケースが多くみられます。

「同期」にはデータの送受信を一致させる意味も

「同期」には、通信機器同士でデータの送受信を行うときのタイミングや作動・処理を行う時間を一致させるという意味もあります。

また、複数の通信機器間(パソコン同士またはパソコン・スマホ・サーバーなど)にあるそれぞれのデータを共通の状態に書き換えて、情報の内容を一致させることを指しても用いられています。

「同期」の職場や学校での使い方と例文

「同期生」とは同年度に入学した人のこと

「同期生」とは同じ年度に入学や卒業をした人や、同じ年度に入社した人のことを表した言葉です。一般的には、同じ学校や会社の人に対して用いられる言葉ですが、違う学校・会社の人に対しても使うことがあります。

なお、「同窓生」とは学年に関係なく同じ学校で学んだ人のことです。また「同級生」はクラスメートのほか、同じ学年の生徒を指します。「同期の桜」とは「同期生」と同じ意味で使われている言葉です。太平洋戦争中に愛唱された軍歌「同期の桜」が由来で、予科練の同期生を桜にたとえた言葉でしたが、現在では一般の学校や会社の同期のことを指して使われるようになっています。

「同期」を使った例文

  • 同期入社のなかで彼女が唯一同い年だったことから話が合い、社内恋愛に至っている。
  • 彼は就職難で狭き門をくぐった同期の桜で、定年退職した今でも交流が続いている仲だ。

「同期の仕方」や設定の同期とは

「同期」は複数のデバイスを使う場合に便利

複数のデバイス(アンドロイドスマホ・アイフォン・コンピュータなどの情報端末)を持っている場合、「同期」を怠るとそれぞれのデバイスで最新情報が異なってしまうことがあります。

たとえば、スマホとコンピュータで同じカレンダーアプリを管理している場合です。スマホで予定を変更しても「同期」をしなかった場合、コンピュータのカレンダーは変更前の状態を最新情報として表示するということになります。そのほか、「同期」でスマホ内の写真をコンピュータに保存することも可能です。

「同期」は自動化できる

「同期」は自動化しておくと、常に最新のデータをそれぞれのデバイスで共有できます。自動化の一般的な方法は、デバイスの設定画面「アカウントと同期」から同期したいものを選択、以降の同期は自動で実行可能です。

たとえば「Gmailを同期」にチェックを入れておくと、Gmailで受信したメールはスマホに転送され、スマホから送ったメールもコンピュータから確認することができるようになります。カレンダー機能を利用している場合は、「同期」しておかないとデバイスごとに異なった情報が表示されてしまいます。大切な予定を見落としたり、ダブルブッキングをしてしまう可能性があるため特に注意が必要です。

「同期解除の仕方」とは

「同期解除」で仕事と私用を分ける

複数のデバイスを仕事用と私用で分けて利用しているような場合、「同期」していると私的な情報が仕事用のデバイスにも共有されてしまいます。たとえば、休日に撮影した写真が仕事用のコンピュータでも表示されてしまうといったケースです。

一台のコンピュータを家族で共有しているような場合でも、家族に見せる必要がないデータは「同期解除」にしておいたほうがよいでしょう。

「同期解除」は設定画面から

Google・iCloudのいずれでも、「同期解除」は設定画面から簡単にできます。Googleの場合は「アカウント」から、iCloudなら「AppleID(名前の部分)」から同期したくない項目(メール・写真など)のチェックを外せば、「同期解除」は完了です。

「同期処理」や「非同期処理」とは?

「同期処理」とは実行順に処理されること

「同期処理」とは、複数のタスクを実行するときプログラムに記載された順に実行される方式のことです。処理の全体像を把握しやすいというメリットがありますが、タスク処理が完了するまでに時間が掛かるというデメリットがあります。

たとえばA・Bのタスクを同期処理するアプリケーションの場合、タスクBが終了するまでタスクAの処理が中断されるというケースです。

「非同期処理」とは複数のタスクを同時に実行可能

「非同期処理」とは、実行中のタスクを中断せずに他のタスクを実行できる方式のことをいいます。「非同期処理」であれば、リクエストAを処理中に別のリクエストBがあっても、Aの処理完了を待たずに、Bの結果を受け取ることができるのです。

これにより、アプリケーションの応答性や操作性を向上、サーバーとの通信を行う際リクエストをすぐに返すことができます。

まとめ

「同期」とは「同じ時期や期間」という意味です。学校や会社など同じ時期に入った人たちを「同期」と呼ぶ場合と、コンピュータやスマートフォン上の情報を複数デバイスで共有する際も「同期」と表現します。ただし、一台のコンピュータを共有している場合は「同期」を解除しておいた方がよいこともあるため、諸事情に合わせて設定しましょう。