「有用」の意味と使い方とは?類語「有効」との違いや対義語も紹介

「有用」には、「役に立つ」という意味があります。同じ意味合いを持つ類語には「有効」や「有益」などがあり、使い分けに必要なポイントをおさえておくと便利です。この記事は「有用」の意味と使い方について、また類語との違いや対義語も例文をあげて紹介しています。

「有用」の意味と使い方とは?

「有用」とは役に立つこと

「有用(ゆうよう)」とは、役に立つことや使い道があること、それらの様子を指した言葉です。

「ある」「存在する」ということを表した「有」と、「使い道」「もちいる」のことを意味する「用」で構成されていて、「使い道がある、つまり役に立つ」ということを示しています。

「有用」は人にも物にも使える

「有用」という言葉は以下の例文が示すように、人に対しても物に対しても使うことができます。

「有用」を使った例文
  • 彼は我が社にとって、なくてはならない有用な人材だ。
  • このツールは大変有用だが、いかんせんコストが高すぎる。
  • 有用かどうかだけで物事を選別できるほど、人間は合理的な存在ではない。

「有用」と類語の違いとは?

「有効」とは効き目があること

「有効(ゆうこう)」とは、効き目があることを表した言葉です。「効」という文字には 「ききめ」「てがら」という意味があり、そのものが効力を有していることを熟語が示しています。

「資源の有効活用」や「有効な手段を講じる」といった用法がありますが、法律上の効力を持っていることや、柔道の判定で技有りに近い技にくだされるものも指しています。

「有用」も「有効」も「役に立つ」という意味では同じですが、役に立つ理由が「有用」では用途があること、「有効」では効力があることという点で違いがあり、ここが使い分けのポイントです。

「有益」とはためになること

「有益(ゆうえき)」とは何らかの利益が得られたり、ためになったりすることや様子を表した言葉です。儲けや得などのようなメリット(益)をもたらすものに対して、「有益な情報を得る」「時間を有益に使う」というように用います。

「有益」は明確に「損得」を意識した言葉であるため、相手に対して直接「あなたは有益な人だ」ということは避けた方が無難です。「有益なお話を伺えました」「有益な時間を過ごせました」というように言い換えるとよいでしょう。

「有能」とは才能や能力があること

「有能(ゆうのう)」とは、才能や能力があることを表した言葉です。「能」という文字には「うまくできる」という意味があり、「有能な政治家」「有能の士」というように「できる人」を指して使われます。

他者との関りによって判断される「有用」とは違い、「有能」は個人の能力が高いことのみで判断されるものです。「有能」な人物が「宝の持ち腐れ」で終わってしまう事例は、「有用」と「有能」の違いをよく表しています。

「重宝」とは便利で役に立つこと

「重宝(ちょうほう)」とは便利で役に立つことや、便利なものとして常用することを表した言葉です。「この資料は検索がしやすくて重宝している」というように便利な物に対してよく使われますが、「彼は気が利くので重宝がられている」というように、人物に対しても用いられています。

「重宝」は「有用」と同様に「役に立つ」ことを指していますが、使い勝手が良いということに重きが置かれており、この点が「有用」と区別されるところです。

なお「重宝」には、貴重な宝物のことや貴重品として大切にすることという意味もあります。

「有用」の対義語や反対語とは?

「有用」の対義語は「無用」

「無用(むよう)」は役に立たないことや使い道がないことで、「有用」の対義語・反対語です。

「無」という文字には「存在しない」という意味とともに否定や打消しを表し、後に続く言葉や文字の意味合いを否定する働きがあります。

「無用の長物(むようのちょうぶつ)」ということわざは、あっても役に立たず、かえってじゃまになるくらいのもののことを指したもので、「無用」という言葉が持つ意味合いをよく表したものです。

「無用」は「不要」の同義語

「無用」には「いらない」という意味もあります。「用」が持つ「作用」「行い」という意味を打ち消したもので、「不要」の同義語です。

心配や遠慮の必要がないことを相手に伝えるときなど、「心配(遠慮)はご無用です」という言い回しがよく使われています。

また「用事がない」ことを指しても「無用」が使われており、「無用の者は立ち入りを禁ず」と書かれている貼り紙はその事例です。

「無用」には「禁止」という意味も

「無用」には、してはいけないということを表す「禁止」という意味もあります。

「開放無用」とは「開放禁止」と同じ意味ですが、「禁止」よりやや語感がやわらかく、開けてはいけない窓などに貼られている注意書きによくみられるものです。

まとめ

「有用」とは「役に立つ」という意味です。類語には「有効」「有益」などがあり、役に立つ対象や理由によって使い分けるとよいでしょう。また、「有用」は目的の用途に合致していることによって役に立つことを表しているものです。「有用」であることを目指すなら、スキルアップの前に何を求められているのかを明確にしておくことが必要でしょう。