「ご相伴」の意味とは?「お相伴」との違いや茶道との関係を解説

「ご相伴」という言葉は、友人や同僚との会話で使われることはあまりありません。しかし、目上や年配の方・会社の上司との会話ではときおり耳にする言葉です。

接待の宴席に上司と同席させてもらったり、年配者が参加する句会に誘われたりしたときに使われますが、意味を知って正しく使うと礼儀正しさをアピールできます。



「ご相伴」の意味

「ご相伴」はご一緒するという意味

「ご相伴」は「ごしょうばん」と読み、「相伴」という言葉に、ていねいさや敬いの気持ちを示す接頭辞の「ご」がついたものが「ご相伴」です。

「相伴」は、「補佐する」「互いに」「仲間」を意味する「相」と、「伴う」「連れ立つ」「仲間」を意味する「伴」という漢字が合わさってできた熟語で、誰かと一緒に何かをすることや誰かと連れ立って利益を得ることという意味があります。

「ご相伴」は室町時代の役職名

「ご相伴」は、室町時代の役職名にも見られる言葉です。殿中での饗宴や将軍が他家を訪問する際に、随従・陪席する者たちのことを「御相伴衆」といいました。将軍に相伴する者たちだから「御相伴衆」という、分かりやすいネーミングです。

御相伴衆は、細川氏・斯波氏・畠山氏の三官領家に次ぐ高い家格を持つ山名氏や赤松氏など、管領家の一族や一部の守護大名のみに限定された役職でした。

「ご相伴」は宴会でよく使われる言葉

室町時代に将軍とともに饗宴の座に同席していた「御相伴衆」の名残をとどめ、現在でも「ご相伴」は宴会やパーティーの場でよく使われます。

正客の連れとして同席して一緒にもてなしを受けることや人のことを指す「ご相伴」は、メインゲストではない自分がお供としてもてなしを受けさせていただくことに対する、もてなしてくださる相手と正客への敬意や謙遜と感謝の心が込められた言葉です。

ご相伴に「あずかる」は「与る」と書く

「ご相伴」には「あずかる」という言葉がよく続きます。「あずかる」は漢字では「預かる」ではなく「与る」と書き、物事に関与することや目上の人からの恩恵を受けること、分け前をもらうことという意味がある言葉です。

宴席などに同席するよう声をかけてくださった上司に対して「お言葉に甘えてご相伴にあずからせていただきます」、あるいは自分が興味のあるイベントに参加する先輩に対して「ぜひともご相伴にあずかりたいのですが・・・」などというように使うことができます。

「ご相伴」と「お相伴」の違い

「御」相伴は「ご」とも「お」とも読める

「ご相伴」は「御相伴」と書きますが、「お相伴」と読むこともあります。「御」の読み方には「ご」「お」「おん」などがあり、「ご」と「お」の使い分けを決めるのは、後に続く言葉です。

原則として音読みする言葉があとに続く場合は「ご」、訓読みする言葉が続く場合は「お」です。たとえば「ご」と読むものとしては「御子息」「御連絡」「御飯」、「お」と読むものとしては「御手紙」「御着物」「御車」などが挙げられます。

「ご」と「お」はどっちも正しい読み方

「御相伴」は原則から外れた例外的な言葉で、「ご相伴」「お相伴」のどちらの読み方をしても大丈夫です。

同じような読み方をするものに「御会計」「御返事」などがあり、これらも「ご」と「お」のどちらで読んでも構わない言葉です。また、どちらの読み方をして同じ意味を持ちます。

つまり「御相伴」を口に出して言うときには、「ご相伴」でも「お相伴」でも言いやすい方を使ってよいということです。

「ご相伴」と茶道の関係

お茶席で「相伴」は正客以外を指す言葉

「ご相伴」は、茶道でも使われている言葉です。お茶席ではお客によって座る場所が決められていて、最上位の客である正客が一番上座に座ります。

その正客とともにもてなされる連れの客や同席する客のことを、「相伴」と呼ぶのです。またお茶席で正客以外、つまり次客から末客までが座る場所のことを「相伴席」といいます。

お茶をいただくときにも「ご相伴」が登場

最初に正客がもてなされた後、2番目の次客以降の客にも順番にお茶が出されます。出されたお茶をいただくとき、まず上座の人に掛ける挨拶の言葉が「お相伴いたします」です。

お茶席では、同席した客同士のお互いへの思いやりと、お茶会を主催した亭主と主賓である正客に対する感謝が、「ご相伴いたします」という奥ゆかしい挨拶となって発せられるのです。

まとめ

「ご相伴」には連れ立って行動するという意味があることから、主賓とともにホストの相手を務めることも「ご相伴」には含まれていると考えられます。

便乗してもてなしを受けるだけでなく、ホストと主客を上手に立てながらもてなしを受けられるようになれば、声をかけてくださった方の面目が立ちます。

「ご相伴」の言葉としての意味だけでなく、由来としての「御相伴衆」や茶道における「相伴」の使われ方など、記事の内容を参考にしていただければ幸いです。