「机上の空論」の意味とは?使い方や類語を例文とともに解説

「机上の空論」(きじょうのくうろん)という言葉を耳にしたことはありますか?卓上ではなく机上となっていますが、どちらでもよいというものではありません。また、批判する意味合いがあるため使い方に注意が必要です。

ここでは、「机上の空論」の正しい意味と使い方のほか、例文と類語も併せて紹介していますので、参考にしてください。



「机上の空論」の意味

「机上の空論」の意味は実現不能ということ

「机上の空論」は「きじょうのくうろん」と読みます。机の上で組み立てただけの空しい理論のことで、実現できない理論や計画という意味です。

現実を無視した理想論や観念論を批判・揶揄していうことわざで、現実を無視して教科書どおりの主張をゆずらない教条主義や原理主義に対しても使われます。

ビジネスシーンでも、現場を見ることなく作成された上層部からの指示に対して、前線の社員がとまどうような事例として見受けられます。

「机上の空論」と混同しやすい語に注意

「机上の空論」の「机上」を、「卓上」や「砂城」と混同してしまった誤用事例があります。「卓上」は食卓の上のことを言いますが、食卓は食事のためにあるものです。

理論を組み立てたり計画を検討したりする場所は、机の上であって食卓の上ではありません。したがって、「卓上の空論」は誤りです。

「砂上」との取り違えは、「砂上の楼閣」との混同から来ていますが、「砂上の楼閣」については後ほど解説します。

「机上の空論」の使い方と例文


「机上の空論」という言葉は、理論や計画などのような実態がないものを指します。したがって、対象物に注意することが「机上の空論」を使うときのポイントです。

「机上の空論」の例文

  • 彼の提案は「机上の空論」ばかりで、実行性に欠けている。
  • 消費税を上げると景気がよくなるという考えは、「机上の空論」だった。
  • 現場を見ずに作り上げた計画書は、「机上の空論」で終わるだろう。
  • 理想に燃えているのは分かるが、「机上の空論」に拘泥されては迷惑だ。

「机上の空論」の類語

「絵に描いた餅」は本当に役に立たないこと

「机上の空論」の類語として、「絵に描いた餅」というものがあります。いくらおいしそうに描かれていても、実際に手にとって食べることができない餅の絵には、なんの値打ちもなく役に立たないという意味です。

「絵に描いた餅」は、対象が実益を伴うべきものでありながら、実際には役に立たないということをいっています。一方「机上の空論」は、実践できない論理や計画などのことをいっているのです。

したがって「絵に描いた餅」はどう転んでも役に立たないものや、実現できないものを指していうときに、「机上の空論」は少なくとも理屈は通っているが、実行するのは難しいものを指していうときに用います。

「砂上の楼閣」は使い物にならないこと

「砂上の楼閣」は、立派に見えても実は役に立たないもののたとえとして使われる言葉です。実際に役に立たないという点で「机上の空論」に似ていますが、「砂上の楼閣」は、できあがったものが実際には使い物にならないことを揶揄しています。

したがって、計画の上では整っているように見えるが、実現できないため役に立たないという意味合いの「机上の空論」とは異なります。

「畳の上の水練」は知識あっても実際にはできないこと

「畳の上の水練」には、畳(たたみ)の上でどれだけ泳ぐ練習をしたとしても、実際に泳げるようにはならないという意味があります。知識として知っていることと実際にやれることは別もので、実践の重要性を指摘している言葉です。

「畳の上の水練」では実現できる方法が分かっているため、理論や計画自体に無理がある「机上の空論」とは意味合いが違います。

「取らぬ狸の皮算用」は未来の利益想定はあてにならないこと

「取らぬ狸の皮算用」は、まだ手中に収めていないものから得られる利益を計算しても意味がないということを指しています。

「机上の空論」と同様に、意味がないことのたとえに使われる言葉ですが、「取らぬ狸の皮算用」では狸を得るための方法については何も語られていません。

「取らぬ狸の皮算用」は、いきなり狸を得たあとのことを考える無意味さを揶揄したもので、理論や計画自体に実行性がないことをいう「机上の空論」とは、この点が異なります。

「紙上に兵を談ず」は「机上の空論」の同義語

「紙上に兵を談ず」は「机上の空論」と同じ状態を指す言葉です。実際に戦場や敵の様子を知らず、紙の上だけで兵隊を動かしているだけでは勝つことができないと言っています。

「机上の空論」と同様、理屈だけの世界に留まっていることに対する批判や揶揄が込められているものであるため、「机上の空論」の同義語として「紙上に兵を談ず」は適切なものです。

まとめ

「机上の空論」の意味と使い方、および例文と類語について解説しました。「机上の空論」は理論や計画について批判したり揶揄したりするときに使います。

類語の数は多いもののそれぞれに意味合いが異なっているため、同義語として使いたいものを選ぶときには注意が必要です。記事を参考に、「机上の空論」を正しく使っていただければ幸いです。