インテリジェンスとは?本来の意味やビジネスでの使い方と例文も

「インテリジェンス」と聞くとスパイが連想されるかもしれませんが、本来の意味は「知性」「知能」です。それが同時に「諜報」という意味を持っている理由は、語源にあります。この記事では「インテリジェンス」の意味だけでなく、語源や使い方まで解説するとともに、よく似た言葉の「インテリ」との違いも紹介しています。

「インテリジェンス」の意味とは?

インテリジェンスとは「知性」のこと

「インテリジェンス」の本来の意味は「知性」「知能」です。英語「intelligence」の読みを表記したもので、カタカナ語として使われています。

英語の「intelligence」はラテン語由来の言葉で、「~の間」を表す接頭辞「inter-」と「集める」「読み取る」という意味の「lego」を語幹とするものです。

「インテリジェンス」には「諜報」の意味も

「インテリジェンス」には「諜報」という意味もあります。「諜報」は、国際情勢や敵情などを秘密裏に探って知らせることやその情報のことを指しており、元の言葉「intelligence」の語幹が持つ「集める」「読み取る」という意味合いがよく表れたものです。

「インテリジェンス」の使い方

「ビジネスインテリジェンス」とは意思決定に必要な情報技術

「ビジネスインテリジェンス(BI)」はビジネスの場でよく見聞きする複合語で、IT業界でよく登場しています。ビジネスでのさまざまな決断のために必要となる情報技術やその情報のことで、企業や組織などで集めた膨大なデータを分析し、意思決定に役立つ形にまとめるものです。

具体的な技術としてはデータマイニングやベンチマーキングなどがありますが、最も大切なことは、その情報が意志決定に役立つものであることです。

「エモーショナルインテリジェンス」とは感情面での賢さのこと

「インテリジェンス」は、知的な面における能力を指して用いられることが多い言葉です。しかし「エモーショナルインテリジェンス」は、人間の感情への対応能力に対して使われるもので、「感情的知能」と訳されています。

具体的には人の気持ちへの理解力や自分の感情をコントロールする能力などのことで、良好なコミュニケーションの構築や人間関係の維持に必要な能力といえるものです。

「インテリジェンスエージェンシー」とは情報収集機関のこと

「インテリジェンスエージェンシー」とは、「情報収集機関」という意味の言葉です。この場合の「インテリジェンス」は諜報活動や情報収集のことで、「エージェンシー」は機関・局などを指しています。

国防には軍事力が必要ですが、武器や弾薬だけでなく「インテリジェンス」も国家の存亡の鍵を握るもので、「インテリジェンスエージェンシー」の存在は欠かせないものです。

「サイバーインテリジェンス」とは通信技術による情報収集のこと

IT技術の進歩と普及により、政府や企業では情報を電子データとしてコンピューターネットワーク上で管理・保有するようになりました。

これらの情報に対する諜報活動のことを「サイバーインテリジェンス」といい、サイバー攻撃によって機密情報や個人情報などを摂取・漏洩させています。

「インテリジェンス」を使った例文

  • インテリジェンスが高い彼に勝る人材は、我が社にはいないようだ
  • あの紳士の立ち居振る舞いからは、並々ならぬインテリジェンスが感じられる
  • 彼はインテリジェンスな男性だが、クールな雰囲気で近寄りがたく思える

「インテリジェンス」と「インテリ」の違いとは?

「インテリ」はロシア語由来の言葉

「インテリ」は、ロシア語の「インテリゲンチア」が由来となっている言葉です。「インテリ」は「インテリジェンス」によく似ていますが、「インテリジェンス」の略語や関連語ではありません。

19世紀の帝政ロシアでの自由主義的な知識人の社会層を指しており、「インテリジェンス」よりもかなり以前からカタカナ語化している言葉です。知識階級と訳されることもありますが、マルクス主義でいう階級という意味とは異なっています。

日本での「インテリ」は教養や学歴がある人のこと

日本で「インテリ」といわれるのは、教養がある人や高学歴の人です。「エリート」と同じような意味合いで使われていて、むしろ英語の「インテリジェンス」に近いように感じられます。

実はロシア語の「インテリゲンチア」は、「理解力のある人」という意味のラテン語「intelligens」を語源としているのです。英語とロシア語は、言語学的にはどちらも印欧語族に属していることから、意外な共通項があるようです。

まとめ

「インテリジェンス」の意味と使い方や「インテリ」との違いなどについて紹介しました。社会の情報化が進み、ITビジネスに関係がない人の日常生活においても、データのやり取りが激増しています。そのため、誰もが「インテリジェンス」に関する知識を持ち、個人情報の漏洩などの対策を行う必要があるようです。