「ボトルネック」とは、ものごとの進行を妨げるものや人を指して使われている言葉です。しかし、服飾関係やギターの演奏においては、全く違った意味で用いられています。この記事では、「ボトルネック」の意味のほか、ギター演奏やPC、服飾関係における使い方、言い換えに使える類語も紹介しています。

「ボトルネック」の意味とは?

ボトルネックとは「進行を妨げるものごとや人」
ボトルネックとは、わかりやすく言うと「システムや仕事において進行の妨げとなるものごとや人」という意味です。システム処理や仕事全体の成果として、良くない影響を及ぼしている原因に使われます。
仕事や作業の進捗は、多くのものごとや人に影響されます。そのなかで、全体の制約や限度を決定する要因となるものが「ボトルネック」です。
「ボトルネック」には「ギターの演奏法」の意味も
ギターの演奏法における「ボトルネック」は、スライド奏法とも呼ばれています。スライドバーと呼ばれる器具を用い、弦を浮かせた状態で音を出すものです。
酒瓶の首部分を切り取ったものを用いていたことから、「ボトルネック」と呼ばれるようになりましたが、スライドバーはガラス製だけでなく金属製のものも使われています。
「ボトルネック」の語源・由来は「bottleneck」
「ボトルネック」の由来は、英語の「bottleneck」です。文字通り瓶の首部分を指したものですが、瓶のなかで最も細いため、一度に注ぐことができる液体の量は瓶の容量に関係なく少量となります。
瓶の首が細いほど注ぐことができる時間あたりの液量dが少なくなることから、全体に制限や制約をおよぼす問題を指す言葉として「ボトルネック」が使われるようになったのです。
「ボトムネック」は「ボトルネック」の誤り
「ボトルネック」と似た言葉として「ボトムネック」という表現を見掛けることがあります。
「ボトム」とは「底」「下部」、または ズボンやスカートなど下半身に着用する衣服を指すものです。「首」や「襟」を表す「ネック」と関連付けることは難しいため、「ボトムネック」は「ボトルネック」の言い間違い、またはか書き違いと思われます。
「ボトルネック」のビジネスでの使い方とは?

「ボトルネック」は「ネック」と使うことも
ビジネスでよく用いられる「ボトルネック」は、短縮した「ネック」という語で使われることもあります。具体的には「ここがボトルネックだ」という代わりに、「ここがネックだ」というようなケースです。
なお、「ネック」を「重要なもの」という意味で使っている事例が見受けられますが、これは誤りです。課題や問題を意味する「ネック」への対応は重要です。しかし、「ネック」は「ネガティブな問題」という意味合いで使うのが正解です。
「ボトルネック効果」とは集団遺伝学の用語
「ボトルネック効果」とは「瓶首(へいしゅ)効果」とも呼ばれ、集団遺伝学で用いられている用語です。個体数が激減した集団において遺伝子的な多様性が失われ、高い均一性を持った集団ができあがることを指しています。
激減したときのに残った遺伝子が、その後の繁殖によって維持されていくことで起こる現象です。
ボトルネックになる原因はバランスの悪さ
ボトルネックになる原因は、ある構成要因のスペックが全体に対して低すぎること、つまりバランスが悪いことです。
たとえば、木桶の板のうち1枚だけ短いという場合、溜められる水の総量は短い板に左右されることになります。つまり、最も低いスペックが全体の品質や能力に影響するため、バランスを保つことが大切ということです。
ビジネスでは、ボトルネックになる原因を分析・解消することで成果につながると言えるでしょう。
「ボトルネック」のPCでの使い方とは?

PCの「ボトルネック」はCPUだけではない
PCのスペックは、CPU・GPU・メモリ・ストレージの性能で判断されることがほとんどです。
CPUは「演算・制御」、GPUは「画像処理」、メモリは「短期記憶」、ストレージは「データの保存」を主に担っています。これらの要素が、目的に合ったレベルで最適化されることで、PCがスムーズに動くのです。
そのため、いくら高性能なCPUを搭載していても、他の要素がCPUの能力に追いついていなければ、期待に応えられないものになってしまいます。
PCの「ボトルネック」は部品以外のところにも
CPU・GPU・メモリ・ストレージのレベルが最適化されていても、ボトルネックが発生することはありえます。
たとえば、ネットワーク環境が悪かったり、冷却ファンの動作が不十分な場合です。最高の装備を施したPCが期待通りに動かないこともあります。冷却ファンの不具合でいうと、内部に溜まったホコリが原因ということもあり、PCのボトルネックは意外なところに存在しています。
「ボトルネック」のPCに関する例文
- データ量の増大を見越してメモリを増設したことで、ボトルネックを回避できそうだ
- 作業が著しく滞っているが、ボトルネックはPCの性能ではなく担当者の人員不足にある
「ボトルネック」の服飾での使い方とは?

「ボトルネック」とは首に沿ったニットやセーター
服飾における「ボトルネック」は、ニットやセーターなど首元のデザインを表す名称として使われています。「ボトルネック」は「ハイネック」のひとつで、首に沿って立ち上がった部分を折り返さずに着用する服です。ちなみに、襟を折り返すデザインは「タートルネック」と呼ばれています。
「ボトルネック」の服飾に関する例文
- 秋風が吹き始める頃になると、ボトルネックセーターを着る人が増えてくる
- ハイネックのなかで、首元が一番すっきり見えるのはボトルネックだろう
「ボトルネック」の言い換えや類語とは?

「ボトルネック」の言い換えは「隘路(あいろ)」
「隘路(あいろ)」とは、ものごとを進める際に妨げとなるもののことを指した言葉で、一般的な意味での「ボトルネック」の言い換えに使うことができるものです。
「隘」という文字には、「せまい」「けわしい」「ふさぐ」という意味があり、「路」をともなって「狭くて通行の困難な道」「険しさに行く手を阻まれる道」を表す熟語を構成しています。ここから展開して、ものごとの進捗を妨げるものという用法が生まれました。
「律速」も「ボトルネック」の言い換えに使える
「律速(りっそく)」とは、ものごとの進捗や性能などを左右する要因のことで、一般的な意味での「ボトルネック」の言い換えに使うことができる言葉です。
主に化学分野で用いられており、複数の反応からなるプロセスの進行速度を決める要因を探すときに使われています。
まとめ
「ボトルネック」とは、仕事や作業の進行を妨げるものを意味します。PCや服飾など分野によって意味が異なるため、状況に合わせて使い分けられるようにしておきましょう。ビジネスにおいてカタカナ語の使い過ぎは好まれませんが、「ボトルネック」は日本語に言い換えず使ったほうが伝わりやすいと言えます。