「アジェンダ」とレジュメの違いは？意味やビジネスでの使い方も

「アジェンダ」は、会議などの進捗を管理するために役立つものです。日本語で「検討課題」「協議事項」と言い換えることができるものですが、「レジュメ」と混同されている事例も見受けられます。この記事は、「アジェンダ」の意味とビジネスで役立つ書き方・使い方、「レジュメ」との違いについて紹介しているものです。

「アジェンダ」の意味とは？

「アジェンダ」はもともと計画という意味

「アジェンダ」はもともと計画やプラン、行動計画という意味で用いられている言葉です。英単語の「agenda」の読みをカタカナ表記したもので、英語での意味は「検討すべき課題・議題」「当面の予定・スケジュール」「言動に隠された意図・計略」などがあります。

しかし、日本でカタカナ語として使われる場合、「アジェンダ」は単なる予定やスケジュールではなく、実施すべき計画・プランを指していることが一般的です。

ビジネスでの「アジェンダ」は「議題」「協議事項」

ビジネスシーンでの「アジェンダ」は、「議題」「協議事項」を指しているケースが多くみられます。事前に会議の内容をまとめたものを参加者と共有することで、会議を効率よく進めようとするものです。

またプロジェクトを開始する際、やるべきことを最初にまとめたものも「アジェンダ」と呼んでいます。IT分野では、問題解決のための一連の手順・操作をまとめた計画表という意味合いでよく使われている言葉です。

「アジェンダ21」は環境保全のための規範

「アジェンダ21」とは、環境保全のための規範を提唱したもので、1992年の地球サミットにおいて採択された、持続可能な開発を目指すグローバルな取り組みへの包括的な計画です。

開発途上国における貧困や人口問題、国際経済などについても取り上げており、国だけでなく学術団体や地方自治体、企業、NGOなどで多用な取り組みが行われています。

「アジェンダ」を用いた例文

• 午後の会議に使うアジェンダを作成するように命じられたが、間に合いそうにない。
• 本日のアジェンダは、新しい販促イベントの検討についてです。
• お手元のアジェンダに変更箇所がありますので、訂正をお願いします。

「アジェンダ」と「レジュメ」との違い

「レジュメ」とは「概要」のこと

「アジェンダ」と混同されがちな言葉として、「レジュメ（レジメ）」があげられます。「レジュメ」とは文章の要旨や話の概要という意味で使われるもので、フランス語の「résumé」の読みををカタカナ表記した言葉です。また、履歴書や職務経歴書のことを「レジュメ」と呼ぶことが増えています。

「レジュメ」は内容が決まっている資料、アジェンダとは目的が違う

「レジュメ」は、すでに内容が決まっているものに対して使うものです。講演で講師が話す内容や、発表される論文などは、すでに内容が決まっており、その要旨や概要を記載した資料を「レジュメ」と呼んでいます。

一方「アジェンダ」は、講演会などにおいてイベントの進行を管理する目的で使われるものですが、「レジュメ」と混同しないように注意が必要です。

「アジェンダ」の書き方

「アジェンダ」には必要情報をもれなく記載

「アジェンダ」には、必要な情報をもれなく記載します。会議で使う「アジェンダ」の記載項目は、以下のものが一般的です。

日時や場所に誤りがあると、会議に遅刻したり参加できなくなったりする原因となります。全員が定刻前にそろうように、配慮したいものです。参加者の名前や敬称に間違いがあると失礼です。

役職を記載する場合には、変更がないか確認しておくとよいでしょう。議題ごとに時間を振っておくことは、長引きがちな会議を定刻に終わらせることに大変役立つのでおすすめです。

「アジェンダ」で課題の共有化を

「アジェンダ」は、会議を効率よく進めるために大変有効です。「アジェンダ」によって参加者が課題を共有することができると、共通認識のもとに議論を行うことが可能となります。

また、会議に問題意識を持って参加することができるようになるため、積極的・建設的な意見が出やすくなるという点も大きなメリットです。

「アジェンダ」のビジネスツールとしての使い方

「アジェンダ」は情報共有のツールとしての用途も

「アジェンダ」は、主に会議を効率的に進めるために用意されるものです。予め作成した「アジェンダ」を会議の前に配布したり、プロジェクターやホワイトボードなどを用いて開示したりするケースがよくみられます。

なお、会議に参加できない人や関係者と情報を共有するためにも使われており、この場合にはメールで「アジェンダ」を送付することが一般的です。

「アジェンダ」は「議事録」としても活用できる

「アジェンダ」は会議の事前準備としてだけでなく、終了後の議事録としても活用できます。「アジェンダ」にはその日の会議の議題が箇条書きされているため、それぞれについての決定事項を追記するだけで議事録が完成するのです。

議題ごとに具体的な行動内容と期日・担当者を明記し、次の課題が生じた場合にはその対策をいつ行うかも決めておけば、モレやダブリを防止することができます。

まとめ

「アジェンダ」と「レジュメ」の違いのほか、意味やビジネスでの使い方も 紹介しました。「アジェンダ」は会議の効率化に役立つもので、積極的に活用することをおすすめします。

「レジュメ」との混同を避けるためには、カタカナ語を使わずに日本語で言い換えると簡単ですが、どちらか一方の意味を確実に把握しておくことも一計です。