「桜色」とは、名前の通り桜の花が由来になった色です。桜が日本人に馴染み深い花のため、桜色も広く愛されています。桜色がどんな色なのか、カラーコード、RGBなどの数値面や、由来、心理効果などとあわせて説明しましょう。「ピンク」「桃色」との違いも紹介します。
「桜色」とはどんな色?
「桜色」とは桜の花のような淡いピンク
「桜色(さくらいろ)」とは名前の通り、桜の花のような淡いピンク色で、日本の伝統色です。白に近い淡い色ですが、実際に商品に使われる場合はやや濃い色味になることもあります。色彩規格では「ごく薄い紫みの赤」と定義されます。
「桜色」のカラーコードやRGB・HSB
「桜色」のカラーコードやRGB、HSBは統一されていません。一般的なカラーコードは「#FDEEEF」や「#FEEEED」です。
RGB(赤、緑、青)では、前から順番に「254、238、237」や「254、244、244」などです。赤が一番強い色味ですが、緑と青も強いため、白に近いピンクになっています。
HSB(色相、彩度、明度)で表す場合、色相は赤、彩度・明度はどちらも最低値です。
「桜色」の補色(合う色)は淡い水色
桜色の補色は、淡い水色になります。補色は基本的には引き立て合う「合う色」です。明度が同じ補色同士だと印象が強すぎて合わないこともありますが、桜色は明度が低く淡い色のため問題ありません。
「桜色」の由来・利用
「桜色」の由来は「山桜」
「桜色」の由来になったのは桜の花ですが、現在一般的な染井吉野ではなく「山桜」が由来になっています。
山桜は染井吉野よりも赤みを帯びた花です。ただし、遠くから眺めると淡い色に見えたため、現在の「桜色」も白に近い淡い色になっています。
「桜色」が一般的になったのは平安時代
「桜色」が一般的になったのは平安時代だと言われています。その頃から多くの歌人や芸術家に愛され、数々の作品に使用されました。
現在でも、「桜色」は芸術作品や歌詞に登場しています。
「桜色」には人の肌を表現する意味もある
「桜色」は人の肌を表現する意味も持ちます。「酔いや照れなどで、ほんのりと赤く染まった肌」という意味です。特に女性の様子を描写する場合に使われることが多くあります。
現在ではメイク・ファッションでも人気
「桜色」はメイクやファッションでも人気がある色です。例えば、リップカラーの桜色は「幸せ」「愛される」「かわいい」などのポジティブなイメージがある色になります。服やファッション小物の場合は「女性的」という印象が持たれやすい色です。ただ、近年は男女平等の価値観が広まりつつあるため、「桜色=女性のファッション」は古風な考えだと思う人が増えるかもしれません。
「日本人は暖色系の髪が似合う人が多い」という意見から、桜色のヘアカラーも注目されています。桜色の定義通りの白に近い淡い色する人もいますが、茶色やピンク色に近いカラーにする方が多くなっています。
「桜色」と似た色の違い
「ピンク」との違いは「はっきりしているか」
桜色に似た色は「ピンク」です。ピンクの方が桜色より赤みが強いはっきりした色をしています。
ピンクの中には「パステルピンク」「ベビーピンク」などの薄い色味のものがありますが、桜色はそれよりも薄い色です。ただし、商品などに使われる場合は、パステルピンクやベビーピンクと同程度に濃くなっているものもあります。
「桃色」との違いは赤みの強さ
桜色と似た印象の色に「桃色」があります。桃の花のような、柔らかい印象の赤色です。桜色よりも赤く、明るい色になります。
「チェリー」は赤に近く似た色とはされにくい
「桜」を英語にすると「cherry blossom(チェリーブロッサム)」のため、「チェリー」が桜色と似ていると思う人もいるようです。しかし、チェリーは赤に近い色のため、桜色と似た色とされることは少ないでしょう。
チェリーは桜の実(さくらんぼ)が由来になっています。同じ桜でも花と実は色が大きく違うため、桜色とチェリーはあまり似ていません。
「桜色」の雑学
「桜色」が誕生色なのは3月6日
「桜色」が誕生色なのは3月6日です。色言葉は「愛情」「思いやり」「健全」です。また、「人を感動させる力を秘めた人」の色だとされています。
「桜色」の英語表現は「pale pink」
「桜色」の英語表現は「pale pink」になります。「pale」は「淡い」「色が薄い」という意味です。
桜色を直訳すると「cherry blossoms color」ですが、イメージが伝わらない可能性が高いため避けた方が良いでしょう。海外では、日本の桜に馴染みがない人も多いためです。日本に住んでいると想像しづらいですが、一度も見たことがない人もいます。
「桜色」が与える心理効果
桜色は優しく淡い色合いのため、優しい気持ちになる心理効果があると考えられています。
日本の文化に影響が大きい「桜」の花の色のため、さまざまな思い出がある人が多いでしょう。例えば「花見の楽しい思い出」「卒業による別れの切ない思い出」「入学・入社の希望ある思い出」などです。それらの思い出を連想させる心理効果がある色だと考えられています。
海外の人とやりとりが多い場合、相手が日本の文化・行事にどれぐらい親しんでいるか注意しましょう。桜に卒業や入学・入社の印象が全くない可能性があります。
まとめ
「桜色」は、桜の花のような淡いピンク色です。似た色に「ピンク」「桃色」がありますが、それらより薄くて白に近い色になっています。
日本の文化に影響がある「桜」の色のため、桜の花と同じ様に愛される色だと言えるでしょう。ただし、桜に馴染みがない国の人とは共有できない印象である点に注意が必要です。
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