「日本の色」とはどんな色?16種類の意味・カラーコードのまとめ

色には「ブルー」などの英語の名前だけではなく、「藍色」などの和名がついた「日本の伝統色」があります。現在ではあまり使わない色もあるため、名前から色合いや意味が分かりづらいと感じる人もいるかもしれません。この記事では代表的な日本の色を、五十音順(あいうえお順)で紹介します。

「あ行」の日本の色

「藍色」とは藍で染めた濃い青色

「藍色(あいいろ)」とは深くて濃い青色です。カラーコードは「#004C71」です。染料の「藍」で染めた色が由来になります。

深い色合いの藍色は「静かで落ち着いた色」です。安心感もあるため、ビジネスシーンで着る服にも活用されています。

■「藍色」とはどんな色?カラーコード・縁起や紺色との違いも紹介

「茜色」とはくすんだ赤色

「茜色(あかねいろ)」とは、くすんだ色合いの暗い赤色です。カラーコードは「#b7282e」になります。名前の「茜」とは、染料になる植物の名前です。

茜色は夕焼けの表現によく使われます。「春茜」「冬茜」とすることで、それぞれの季節の夕焼けを意味する季語になります。ただし「茜色」自体は季語ではありません。

■「茜色」とはどんな色?「緋色」「朱色」との違いや表す季節も

「小豆色」とは小豆のような暗い赤色

「小豆色(あずきいろ)」とは暗い赤色で、カラーコードは「#a04940」です。小豆の外皮が由来になっています。

江戸時代中頃から使われている色名で、着物の色などに用いられていました。絵具で再現する場合は、赤紫色に黄色を足すとよいでしょう。

■「小豆色」とはどんな色?由来やカラーコード・えんじ色との違いも

「飴色」とは透明感のある黄褐色

「飴色(あめいろ)」とは、透明感のある黄褐色です。代表的なカラーコードは「#CD6118」になります。「飴色たまねぎ」のように、玉ねぎを炒める際の目安に使われています。

現在のカラフルな飴からは連想しづらい色です。これは、かつて一般的だった「麦芽水飴」の色が由来になっているためです。

■「飴色」とはどんな色?由来やカラーコードと「飴色玉ねぎ」も紹介

「か行」の日本の色

「柿色」とは「濃く鮮やかなオレンジ色」

「柿色」とは、柿のように濃く鮮やかなオレンジ色を指します。カラーコードは「#F3704B」です。

由来は熟した柿の色からで、柿の名前を持つ色はほかにも「照柿色(てりがきいろ)」や「柿渋色(かきしぶいろ)」があります。秋の果物としてのイメージからもわかるように、コスメなどでは秋カラーとして親しまれています。

■「柿色」の意味とは?カラーコードやオレンジ・照柿色との違いも

「唐紅」とは「濃く鮮やかな紅色」

「唐紅(からくれない)」とは、濃く鮮やかな紅色のことです。カラーコードは「#D71345」です。漢字では「韓紅」「唐紅花」と書く場合もあります。

もともと「紅色(べにいろ・くれないいろ)」には、紅花(べにばな)という花の汁を染料として使います。「唐」は海外から日本に入ってきた製法を意味しています。

■「唐紅」とはどんな色?意味やカラーコード・季節との関係も解説

「栗色」とは栗を由来にする赤茶色

「栗色(くりいろ)」とは茶色によく似た赤茶色です。栗色の方が赤みを帯びていて、濃くて明るい色になっています。代表的なカラーコードは「#762F07」です。

植物の栗の、表側の皮が由来になります。人間の髪や、動物の毛の色を表現する言葉として有名です。

■「栗色」とはどんな色?茶色との違いやカラーコード・RGBも

「群青色」とは紫がかった青色

「群青色(ぐんじょういろ)」とは、やや紫がかった青色です。代表的なカラーコードは「#005BAA」です。外来語の「ウルトラマリンブルー」「フェルメールブルー」の和名として使うこともあります。

現在では絵の具の作り方が変わり、伝統的な定義よりも鮮やかな色合いがイメージされることが増えています。

■群青色とはどんな色?瑠璃色や紺色との違いとカラーコードも解説

「さ行」の日本の色

「桜色」とは桜の花のような薄いピンク

「桜色(さくらいろ)」とは、白に近い薄いピンクです。代表的なカラーコードは「#FDEEEF」になります。

日本の文化に大きな影響がある「桜の花」が由来になった色のため、思い入れが持たれやすい色です。

■桜色とはどんな色?ピンク・桃色との違いやカラーコードも紹介

「深紅」とは深みがあり鮮やかな赤色

「深紅(しんく)」とは、深みがあり鮮やかな赤色を意味します。カラーコードは「#A22041」です。紅色の派生色で、紅色よりも深みのある濃い色をしています。

「真紅(しんく)」や「唐紅・韓紅(からくれない)」は深紅の別称のため、色としては同一です。

■「深紅」とはどんな色?「真紅」「赤」との違いやカラーコードも

「菫色」とは青みが強い紫色

「菫色(すみれいろ)」とは青みが強い紫色を意味します。カラーコードは「#7159A6」です。菫の花弁の色が由来です。

色名としては平安時代からありますが、当時は身分の高い人だけが使う色でした。明治時代に「バイオレット」の和訳に使われたことで、一般の人々にも親しまれることになります。

■「菫色(すみれ色)」の意味とは?紫との違いやカラーコードも紹介

「た行」の日本の色

「橙色」とは橙の皮のような黄赤色

「橙色(だいだいいろ)」とは鮮やかな黄赤色です。代表的なカラーコードは「#EE7800」になります。果物の「橙」の皮が由来です。

橙色よりも「オレンジ色」と表現されることが多くなっています。肌色の言い換えに使う「薄橙色(うすだいだいいろ)」の方が、馴染み深い人もいるかもしれません。

■「橙色」とはどんな色?由来やオレンジ色との違いと薄橙色も紹介

「鴇色」とは黄色がかった薄いピンク

「鴇色(ときいろ)」とは黄色がかった薄いピンクを意味します。「うすもも色」とも表現されます。代表的なカラーコードは「#F3A696」です。

鴇色の由来は、鴇という鳥の内側の羽根です。かつての鴇は数が多く身近な鳥だったので、色の名前になったと考えられます。

■「鴇色」とはどんな色?カラーコードやサーモンピンクとの違いも

「鳶色」とは暗く赤みのある茶褐色

「鳶色(とびいろ)」とは、暗く赤みのある茶褐色です。代表的なカラーコードは「#7C443C」です。「鳶の羽根の色」が由来になっています。

江戸時代には「茶色の代表格」として扱われる流行色でした。人気の高さから「黒鳶色」「紅鳶色」などの派生色も流行しています。

■「鳶色」とはどんな色?英語表記やカラーコード・「鳶色の瞳」も

「は行」「や行」の日本の色

「鶸色」とは「明るく黄が強い黄緑色」

「鶸色(ひわいろ)」とは、明るく黄が強い黄緑色。人によっては黄色の印象が強く見えるカラーで、主なカラーコードは「#D6D000」です。

小鳥の「鶸(ひわ)」が由来となった色で、華やかで明るいイメージからおめでたい場に向く色だと言われています。

■「鶸色」とはおめでたい色?カラーコードや由来・色言葉も紹介

「山吹色」とは赤みのある黄色

「山吹色(やまぶきいろ)」とは、赤みのある鮮やかな黄色を意味します。カラーコードは「#f8b500」です。山吹の花の色が由来になっています。

「山吹色」は黄金色に似ていることから「小判の隠語」として使われていました。時代劇で「山吹色のお菓子」として賄賂を渡すシーンが有名です。

■「山吹色」とはどんな色?由来やオレンジ色・からし色との違いも

まとめ

日本の色は、色に関する仕事・趣味の人にしか関係しないと思うかもしれません。しかし、慣用句やことわざ、比喩表現としても日常的に使われています。把握しておけば表現の幅が広がるでしょう。この記事で、日本の伝統色に触れてみてください。

※世界の色については、以下の記事で色見本とともに紹介しています。

■「世界の色(伝統色)」にはどんな種類がある?24種類の名前一覧