「小豆色」とは、小豆の外皮のような色のことです。着物や和小物などによく用いられていますが、慶事のお赤飯でも馴染み深い色といえます。
この記事では「小豆色」の由来をはじめ、カラーコードやえんじ色(えんじいろ)などの似た色との違い、よく合う色との配色についても紹介しています。
「小豆色」とはどんな色?
「小豆色」はお祝いの意味を持つ色
「赤」には、古来から厄除けや魔除けの意味があるとされ、「小豆色」も同様に用いられていました。
現在でもお祝いの席や年中行事など、ハレの日に赤飯を食べる風習が残っています。悪いことを退け、良いことが続きますようにという祈りが込められてきたものです。
「小豆色」のカラーコードは「#a04940」
「小豆色」のカラーコード(web color)は、「#a04940」で表されます。「#」以降の英数字は2桁ずつに分けられ、先頭が「赤」中央が「緑」末尾が「青」の強度をそれぞれ16進数で示したものです。
色の表記にはカラーコードだけでなく、光の三原色(Red・Green・Blue)を用いた「RBG」でも表されます。「小豆色」を表す「R160:G73:B64」は、カラーコードを10進数に直したうえで色別に示したものです。
「小豆色」は9月19日のバースデーカラー
「小豆色」は、9月19日のバースデーカラーです。色占いでは、知性的で人当たりがよく円満な性格とされています。赤色の「運気の良さ」と茶色の「落ち着いた控えめな印象」がバランスよく同居しているといえるでしょう。
「小豆色」の補色はややくすんだ青緑色
補色とは色相が反対の色のことで、色相環の向かい側に位置する色の関係を指しています。茶色がかった赤紫といえる「小豆色」の補色は、ややくすんだ青緑色の「錆納戸(さびなんど)」「御召茶(おめしちゃ)」などです。
一般的に、配色に補色を用いるとインパクトが強すぎる傾向がありますが、「小豆色」と補色の場合はよく合います。なお同系色だけでなく、鼠色や藍色なども「小豆色」とよく合う色です。
「小豆色」の由来と作り方
「小豆色(あずきいろ)」の由来は小豆
「小豆色(あずきいろ)」の由来は、餡子の原料としてよく使われる「小豆」です。小豆の外皮をイメージすると分かりやすいでしょう。紫色がかった赤茶色、あるいは茶色がかった赤紫色をしています。
「小豆色」は、江戸時代中期から染色の色名として使われている日本の伝統色で、着物の色にもよく用いられています。
「小豆色」の作り方は赤紫に黄色を足す
カラーコードやRGBは光の三原色に基づいたものであるため、一般的に認識しやすい色の三原色に基づいた絵の具などの色とは異なっています。
色の三原色では青緑(C:シアン)、赤紫(M:マゼンタ)、黄(Y:イエロー)が使われ、混ぜるほど暗くなるのが特徴です。「小豆色」を色の三原色で表すと「C50:M85:Y80」となり、絵の具の赤紫に黄色を混ぜると作ることができます。
「小豆色」と「えんじ色」の違い
「えんじ色(えんじいろ)」は黒みがかった赤色
「えんじ色」とは、黒みがかった赤色のことです。「臙脂色」「えんじいろ」と表記されることもあります。カラーコードは「##9b003f」、RGBは「R155:G0:B63」です。
プリンターのインクで目にするCMYKでは「C0:M95:Y36:K45」で表し、やや黄みがかったマゼンタを黒っぽくした色であることがわかります。
「えんじ色」は「小豆色」より青みが少ない
「えんじ色」も、「小豆色」と同様に赤系に属する色です。しかし「えんじ色」は「小豆色」に比べると青みが少なく、黒っぽい色をしています。また、「小豆色」は茶色っぽくみえますが、「えんじ色」は赤色に近いともいえる色です。
「小豆色」に似た色・言い換え
「小豆色」は「小豆茶」に言い換えられる
「小豆茶(あずきちゃ)」とは、小豆色っぽい茶色のことです。「小豆色」を「小豆茶」に言い換えることも多くみられます。実際の色で比較してもよく似ており、お互いの色名が混同して使われるのは自然なことのようです。
「蘇芳」は「小豆色」より赤みが強い色
「蘇芳(すおう)」とは、「小豆色」の赤みを強くしたような色です。『源氏物語』にも「蘇芳染」や「蘇芳の襲(かさね)」という表記がみられるほど、古くから用いられています。
正倉院の宝物にも「蘇芳」で染められたものが残っていますが、色あせしやすいという特徴があるため、現在では茶色にしか見えなくなっています。
「小豆色」を表す英語表現
「小豆色」は英語で「russet」
「小豆色」を英語訳すると「russet」になります。実際は、「russet」は「小豆色」に比べると青みが少なく、茶色よりの色です。
「reddish brown」と英語訳することも
「小豆色」には「reddish brown」という英語訳もあります。直訳すると「赤みがかった茶色」となり、やはり「小豆色」より青みが少ない色といえます。
まとめ
「小豆色」は、紫色がかった赤茶色あるいは茶色がかった赤紫色です。日本の伝統色である「小豆色」は、現在でもお祝いの席で目にする「小豆」に由来しています。また似た色が多く、微妙な色合いの違いを楽しむこともできる色でしょう。
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