「鳶色」とはどんな色?英語表記やカラーコードと「鳶色の瞳」も

「鳶色」とは暗い茶褐色のことで、目や髪の色の表現に使われています。「黒鳶色」などの派生色とあわせて、着物の色として人気だった頃もありました。また、文学で「鳶色の瞳」と使う時は、意味合いが違うこともあります。「鳶色」の詳細や由来、使用例を確認しましょう。英語表現もあわせて紹介します。

「鳶色」とはどんな色?

 

「鳶色(とびいろ)」とは「暗い茶褐色」

「鳶色(とびいろ)」とは、赤みのある暗い茶褐色のことです。色彩規格では「暗い黄みの赤」とされます。江戸時代に流行していた日本の伝統色です。

鳶色は「鳶茶(とびちゃ)」とも呼びます。また、「鵄色」「鴟色」「飛色」も「とびいろ」と読み、すべて同じ色を意味します。

「鳶色」のカラーコード

鳶色のカラーコードは統一されていません。「#7c443c」や「#7A380F」「#896248」などが見受けられます。

RGBも統一されていないため「R:122、G:56、B:15」や「R:139、G:66、B:57」のような差があります。

「鳶色」の補色は「暗い青緑」

「鳶色」の補色は「暗い青緑」になります。鳶色はカラーコードなどが統一されていないため、補色も具体的に1つの色に定められない状態です。

具体的な和名がある色で言うと「青碧(せいへき)色」や「御納戸茶(おなんどちゃ)色」などが補色になり得ます。

鳶色が流行していた江戸時代頃は、補色ではなく鼠色や鳶色の派生色と組み合わせることが多かったと言われています。派生色については後ほど紹介しましょう。

「鳶色」の由来・使用例

「鳶色」の由来は「鳶の羽根の色」

「鳶色」の由来は、鳶という鳥の羽根の色です。腹部の赤黒い茶色の羽根の色が由来になっています。ただし、全く同じ色ではありません。鳶色は、実際の羽根よりやや赤みが強くなっています。

「鳶(とび・とんび)」とはタカ目の鳥

「鳶」はタカ目の鳥類です。基本的には「とび」と読みますが、「とんび」もよく使われる読み方です。色の名前だけでなく、慣用句にも使われているほど日本人に馴染み深い鳥になります。体が大きく、「ピーヒョロロ」という鳴き声がよく響くため、目立つ鳥だと言われています。

本来は人間に近寄らない、警戒心の強い鳥です。しかし、一部の地域では人間に慣れ過ぎてしまい、手に持っている食べ物を奪う件が問題になっています。

「鳶色」は江戸時代から使用されている

「鳶色」は江戸時代初期には「茶色の代表格」として使われていました。江戸時代中期頃には派手な色の着物が禁止されたため、違反にならない落ち着いた鳶色の人気が増していきます。鳶色や派生色を組み合わせて、制限された中でもおしゃれを楽しんでいました。特に、男性の愛用者が多かったそうです。

「鳶色の瞳(目)」には文学的な意味も

「鳶色」は髪や目の色の説明に使われます。どちらも言葉のまま「暗い茶褐色の髪・目」を表す表現です。日本人の中では、平均より明るい色と言えます。

小説などで「鳶色の瞳」と使われる場合は「穢れのない澄んだまなざし」という意味になることもあります。

「鳶色」の似た色・派生色

「鳶色」に似た色は「栗色」

「鳶色」に似た色は「栗色」です。栗の表皮のようなこげ茶色です。色彩規格では「暗い灰みの黄赤」と定められています。鳶色よりも暗いことが一般的です。

「黒鳶色」「紅鳶色」「紫鳶色」は鳶色の派生色

鳶色にはいくつか派生色があります。「黒鳶色」「紅鳶色」「紫鳶色」などで、どれも鳶色と同じく流行色でした。

「黒鳶(くろとび)色」は、鳶色よりも暗い赤褐色です。名前の通り黒に近い色になります。「紫鳶(むらさきとび)色」も鳶色より暗い色で、灰色がかった赤紫色になっています。「紅鳶(べにとび)色」は、鳶色よりも赤みが強い赤褐色です。

「鳶色」の英語表現

英語では「Reddish brown」「Burnt sienna」

「鳶色」を英語で伝える場合、直訳するのではなく似た色で伝えることになります。一般的なのは「Reddish brown(カタカナ表記:レディッシュブラウン)」です。「Reddish」が赤みを帯びていることを、「brown」が茶色を表します。

「Burnt sienna(カタカナ表記:バーントシェンナ)」も鳶色に似た色です。「Burnt」は「焼いた」、「sienna」はシエナ地方(イタリア)の意味です。シエナ地方の土を焼いた顔良の名前に使われていて、そのまま色名になりました。絵具によく使われています。

「鳶色の目」の英語表現は「brown eyes」

「鳶色の目」の英語表現は「brown eyes」です。日本語の感覚だと「茶色の目」は鳶色より明るい茶色が連想されやすいでしょう。しかし、目の色に使う「brown」は通常の色より暗い茶色を意味するため、「brown eyes」で問題ありません。

ちなみに、日本語では「黒色の目」とされる目も「brown eyes」で伝わります。英語の「black eye」は、目のまわりにできる痣を意味するため、目の色の表現には使用されません。どうしても鳶色の目と使い分けたい場合、黒色の目を「dark brown eyes」と表現すると良いでしょう。

まとめ

「鳶色」は暗い茶褐色です。派手な着物が禁止された江戸時代中期には「制限された中でもおしゃれを楽しめる色」として鳶色や派生色が大流行しました。また「鳶色の瞳」は色の表現ではなく「澄んだまなざし」の意味で使われることもあります。

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