「茜色」は夕焼けをイメージする色として知られていますが、1つの季節を指す季語ではないことを知っていますか?
この記事では「茜色とはどんな色なのか?」を解説するため、意味やカラーコード、名前の由来を紹介します。くわえて、「緋色」「朱色」との違いや英語・フランス語への言い換えも紹介しましょう。
「茜色」とはどんな色?
「茜色」は暗い赤色を意味する
「茜色(あかねいろ)」とは暗い赤色を指します。一般的な赤色よりも黄色みを帯びており、くすんだ色合いです。茜色の歴史は古く、日本では飛鳥時代から奈良時代にはすでに親しまれていたと言われています。
「茜色」のカラーコードは「#b7282e」
「茜色」のカラーコードは「#b7282e」です。カラーコードとは指定の色を表すときに使われる用語のことです。ちなみに、茜色の類似色は「あかべに(#c53d43)」や「すぐり(#a41f2b)」が当てはまります。
「茜色」の補色・反対色は「ナイルブルー」
「茜色」の補色は「ナイトブルー」です。赤色の1つに当てはまる茜色と異なり、ナイトブルーは穏やかな青緑色を表します。また、「ナイルグリーン」や「ブルートパーズ」も茜色の補色・反対色に当てはまります。
「茜色」は7月23日の誕生色
「茜色」は7月23日の誕生色です。色言葉には「厳格」や「可能性」「積極性」が付けられており、パーソナリティは「広い視野をもつ穏健派」と言われています。
「茜色」の由来とは?
「茜色」の名前は植物に由来する
「茜色」の由来は原料となる植物「アカネ」です。アカネ科の多年生植物で、根っこを染料に使います。アカネは根っこが赤いことから「アカネ(赤い根)」と名付けられ、日本や中国、朝鮮半島に自生します。
「茜色」は夕焼けを表す色として使われる
世界最古の染料の1つとして知られる「茜色」ですが、現代では夕焼けの表現として多く使われます。
太陽が沈む間際の「濃いオレンジ色」というイメージが定着しており、「茜色の空」や「茜色の夕日」のように形容されます。ちなみに、朝焼けの薄いピンク色は「曙色(あけぼのいろ)」です。
「茜色」は季節を表す季語ではない
「茜色」は季節を表す季語ではありません。夕焼けがキレイに見られる季節が「秋」であることから、秋の季語として間違われることがあります。
「茜色」を使って季節を表したいときは、植物の「茜」や夕焼けを表す「春茜」「冬茜」を使いましょう。「茜」は秋の季語、「春茜」「冬茜」はそれぞれ春と冬の季語として使われます。なお「夕焼け」は夏の季語に当てはまります。
「茜色」と「緋色」「朱色」「赤色」の違い
「茜色」と「緋色」の違いは明るさ
「茜色」と「緋色(ひいろ)」の違いは色の明るさです。どちらも赤色の1つですが、茜色は暗い雰囲気をもつ赤なのに対し、緋色は黄みがかった明るい色をもちます。
茜色と緋色の原料はアカネの根っこであるものの、アカネのみで染め上げたものが「茜色」と、アカネと灰汁(あく)で染め上げたものを「緋色」と呼ぶのです。また、緋色は色の濃さによって「浅緋(あさひ)」「深緋(ふかひ)」に分けられます。
「朱色」は黄みがかった赤色である
「茜色」と似た色には「朱色(しゅいろ)」も当てはまります。しかし、茜色は暗く濃い赤なのに対し、朱色は黄色みを帯びた明るい赤色です。緋色と朱色は類似色に当てはまり、オレンジ色に近い色味をもちます。
「茜色」と「赤色」の違いは濃さ
「茜色」と「赤色」の違いは色の濃さです。一般的な色味として知られる赤色とは異なり、茜色はくすんだ赤でやや黄色みを帯びています。
また、赤色は茜色・朱色・紅色などの複数の赤を指す単語でもあるのに対し、茜色は1つの限られた色を指します。
「茜色」の英語・フランス語
「茜色」の英語表現は「madder red」
「茜色」の英語表現は「madder red」です。「madder」が植物の「アカネ」を意味しており、単に「madder」だけで茜色を指すこともあります。また、暗い赤を意味する「dark red」も茜色の英語表現として使用できます。
「茜色」はフランス語で「garance」
「茜色」のフランス語表現は「garance(ガランス)」です。また、「赤」を意味する「rouge」を加えて、「rouge garance(ルージュガランス)」と表すこともあります。
まとめ
「茜色」とは暗い赤色を指します。一般的な赤よりもダークな色合いで、ややオレンジ色を帯びているのが特徴です。
世界最古の染料の1つであり、現代では夕焼けをイメージする色味として浸透しています。似た色には「緋色」や「朱色」があるものの、濃さや明るさが異なるため使い分けましょう。
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