群青色とはどんな色?瑠璃色や紺色との違いとカラーコードも解説

「群青色」は日本の伝統色で、空や海の描写に使われます。近年は本来よりも鮮やかな色のイメージを持たれることが増えてきました。由来になった絵の具の作り方が関係しています。色の変化もあわせて「群青色」とはどんな色なのか説明しましょう。「紺色」や「瑠璃色」、「コバルトブルー」などの似た色との違いも紹介します。

「群青色」とはどんな色?

群青色とは「やや紫がかった深い青」

「群青色(ぐんじょういろ)」とは、やや紫がかった深い青のことです。色彩規格では「こい紫みの青」と定められています。

近年では、紫みが弱く真っ青に近い色がイメージされることもあります。

「群青色」のカラーコード

群青色のカラーコードには差があり、統一されていません。「#005BAA」や「#133783」、「#3F4C9C」などがあります。どれも青が最も強くなっています。

カラーコードとは、コンピュータで色を表示するための符号です。前から2桁ずつ、16進法で赤、緑、青を表しています。

「群青色」の補色は「こけ色」

群青色の補色は、暗く渋い黄緑色になります。固有の名前がある色の中で該当するのは「こけ色」や「モスグリーン」です。

補色ではありませんが「白」も似合う色だとされます。心地よい爽やかな雰囲気になります。「金色」も相性が良い色です。群青色の由来になった絵の具を、金箔とともに使う絵画が多かったためです。

「群青色」の由来やイメージとは?

「群青色」の由来は岩絵具「群青」

群青色の由来は、岩絵具の「群青」です。岩絵具とは天然鉱石を砕いて作る絵の具で、群青には貴重で高価な鉱物「瑠璃」が使われていました。

時代とともに瑠璃より手頃な「藍銅鉱(らんどうこう)」が代用されるようになりますが、高価にはかわりなく、日本画では仏像のような貴いものに使われることが多かったようです。

また、「群青」という色名も絵の具の作り方が由来しています。青い鉱物を砕いた粉が集まることから、「青が群れて集まる」という意味で「群青」になりました。

「群青色」は晴れた日の空・海のイメージ

「群青色」には晴れた日の空・海のイメージがあります。「群青色の空」「群青色の海」は、晴れて空気がきれいな空や、美しい海を表現します。屋外の印象から、涼しく快適な開放感も持たれやすい色です。

他にも、誠実さや知的さ、落ち着くイメージがあります。ネガティブなイメージとしては、憂うつさや冷酷さ、神経質さが挙げられます。

「群青色」は作り方によって色のイメージが変わる

現在の「群青」は、人工的に作られた合成品が普及しています。安価になりましたが、藍銅鉱の絵の具と同じ色ではなく合成品の方が鮮やかな青です。

絵の具の作り方・色の変化が影響し、「群青色」も鮮やかな青としてイメージされることが増えつつあります。

「群青色」と似た色の種類や違いとは?

群青色と紺色の違いは「色の濃さ」

「紺色」とは、わずかに紫がかった濃い青色を意味します。藍染で作る色の中で、最も濃い色です。

群青色と紺色の違いは「色の濃さ」で、群青色の方が薄い色です。明るさも違い、群青色の方が明るくなっています。

「瑠璃色」は鉱物そのものにちなんだ色

「瑠璃色」とは、鉱物の瑠璃にちなんだ色名です。先ほど説明した通り、群青色の由来になった絵の具の材料だった時期もあるため、よく似た色になっています。違いはわずかですが、瑠璃色の方が濃くて鮮やかな色です。

「コバルトブルー」は紫がかっていない

コバルトブルーは「鮮やかな青」です。群青色と同じく澄んだ青空や海を表現します。群青色の方が紫がかっている点が2色の違いです。

ちなみに、コバルトブルーは定義された色と商品などに使われる色合いの違いが大きい色です。緑がかった青色の商品が「商品カラーはコバルトブルー」として売られていることがあります。

「紺青色」「白群」は同じ種類の鉱物から作る

群青と同じく、「藍銅鉱」から作られる岩絵具に由来する色は「紺青色(こんじょういろ)」と「白群(びゃくぐん)」です。「紺青色」は群青より濃い色、「白群」は淡い色になります。

岩絵具は、鉱物を砕いた後の粒子の大きさで色が決まります。粒子が粗いほど暗く、細かいほど淡くなるため、「紺青色」「群青色」「白群」の差が生まれました。

「群青色」の英語表現とは?

英語の色名は「ultramarine blue」

群青色を英語の色名で表現する場合は「ultramarine blue」になります。カタカナ語ウルトラマリンブルーとしても使われています。

「ultramarine」とは「海を越えてきた」という意味です。岩絵具の材料になる瑠璃が、地中海を越えてヨーロッパに伝来したことから名付けられました。

ちなみに、「ultramarine blue」は「瑠璃色」の訳語に使われることもあります。

「ultramarine blue」も貴重な絵の具だった

「ultramarine blue」は群青と同じく貴重な絵の具でした。当時の瑠璃は輸入でしか手に入らなかったためです。そのため、ヨーロッパの画家たちは「ultramarine blue」を「とっておきの色」として、貴人のローブなどに使うことが一般的でした。

「ultramarine blue」を多用したことで有名な画家がフェルメールです。彼の名をとってフェルメールブルーと呼ぶこともあります。フェルメールは身分の低い人物の服やターバンに「ultramarine blue」を使ったことでも知られています。

まとめ

「群青色」は「やや紫がかった深い青」です。由来になった絵の具の材料が変化したことで、真っ青に近い鮮やかな色がイメージされることもあります。かつては宝石を原料にする貴重な色でしたが、現在では青空や海の爽やかさや開放感をイメージする、身近な色になっています。