// 「飴色」とはどんな色?由来やカラーコードと「飴色玉ねぎ」も紹介 | TRANS.Biz

「飴色」とはどんな色?由来やカラーコードと「飴色玉ねぎ」も紹介

「飴色」とは日本の伝統色で、深みのある黄褐色や橙色と表現されます。落ち着いた色合いで、ネイルカラーやヘアカラーに使われることもあります。料理では「飴色の玉ねぎ」という表現をよく見聞きするでしょう。「飴色」がどんな色なのか、詳細を確認しましょう。

「飴色」とはどんな色?

「飴色」とは黄褐色の一種

「飴色(あめいろ)」とは黄褐色(黄色みのある茶色)の一種で、透明感がある伝統色です。厳密な定義がないため、やや淡い茶褐色や深い橙色も「飴色」とされることがあります。

名前から、身近な飴のようにさまざまな色があるとイメージする人もいるようです。しかし、「飴色」は黄褐色が基本のため、青や緑などの別の色は含まれません。

「飴色」の由来は麦芽水飴

飴色の由来は「麦芽水飴」です。現在は無色透明の水飴がよく見られますが、かつては透明感のある黄褐色の麦芽水飴が一般的でした。原料の違いから、色だけでなく風味や栄養素にも違いがあります。

水飴は日本で昔から使われていた粘りけのある飴です。そのまま食べることも可能ですが、かつては主要な甘味料として使われていました。飴と言えば水飴のことを意味する時代もあった程、人々に親しまれていました。主要な甘味料が砂糖になった現在でも、和菓子などに利用されています。

「飴色」のカラーコード・RGB

「飴色」のカラーコードは統一されていません。「#CD6118」や「#DEB068」などとされています。RGBも「R229、G179、B110」や「R205、G097、B024」と幅があります。

「飴色」の色言葉は「学問」「家庭」など

「飴色」の色言葉は「学問」「家庭」「精神的充足」です。また、12月19日の誕生色でもあり、「頑固」「正直な人」の特徴があるとされています。

「飴色」の使い方とは?

「飴色たまねぎ」は飴色になるまで炒めた玉ねぎ

「飴色」は、玉ねぎを炒める際に目安の色としてよく使用されます。例えば「飴色になるまで炒める」や「飴色玉ねぎ」です。よく火が通ってしんなりし、茶色に近い色が付いた状態を意味します。

玉ねぎが「飴色」になるには、通常40分以上炒めます。そのため、「カットした玉ねぎを冷凍する」「レンジで加熱したりする」など、短時間で飴色玉ねぎを作る工夫が編み出されているようです。

「飴色」は使い込んだ木製・革製品にも使う

「飴色」は使い込んだ木製の家具・食器や、革製品の色を表現することもあります。経年劣化による変色を意味しますが、「古びている」のようなネガティブな使い方はしません。時間を積み重ね、独特の味がでている状態だとポジティブに誉める用法です。

「飴色」のネイルカラーは大人っぽい印象

ネイルカラーでも「飴色」が使われています。秋には季節感のある色として重宝され、その他の季節でも「大人っぽい」と好意的に受け取られやすいカラーです。

「飴色」と「きつね色」「琥珀色」などの違い

「きつね色」とは飴色より明るい黄褐色

「きつね色」は、動物のきつねの背中の毛色が由来です。やや赤みのある黄褐色を意味します。主に、揚げ物・焼き物に色がついてきた際に「こんがりきつね色になった」と用います。

飴色よりも、きつね色の方が明るい色です。玉ねぎを炒める際の目安にも使われていて「きつね色になっても炒め続けると、飴色になる」と言われています。

「琥珀色」とは黄色みの強い茶色のこと

「琥珀(こはく)色」は、黄色みのある茶色で、透明感があります。カタカナ語では「アンバー」と呼びます。飴色よりも黄色が強い色合いです。

琥珀とは、天然樹脂の化石です。透明感があり美しいことから世界各地で愛され、宝石のように扱われています。色の個体差が大きく、「琥珀色」から離れてほぼ黄色の琥珀もあります。

「キャラメル色」はカラメルソースが由来

「キャラメル色」とは暗く黄色がかった茶色を意味します。よくプリンにかけられているソース状のカラメルが由来だとされる色です。

キャラメル色は定義が統一されていないため、商品によって色味に幅があります。上記の定義の様に暗いものもあれば、ソフトキャンディのキャラメルのように、淡いものもあります。

「飴色」の英語表現とは?

「飴色」の英語訳は「Light Brown」「amber」

「飴色」を直接表現できる英単語はないようです。近い表現は「Light Brown(カタカナ表記:ライトブラウン)」になります。厳密な定義があいまいな色ですが、飴色より白みが強い茶色が一般的です。

琥珀色を英訳した「amber(カタカナ表記:アンバー)」の方が、色の印象を伝えやすいかもしれません。ただし、「umber」と混同しないよう注意が必要です。カタカナ表記は同じ「アンバー」ですが、umberは土壌由来の色で飴色・琥珀色よりも濃い茶色になります。

「candy color」は飴色の色味が伝わりにくい

「飴色」を「candy color(キャンディーカラー)」と直訳すると、飴色の色味は伝わりにくくなります。「キャンディーカラー」は色そのものではなくカテゴリ名です。

「キャンディーカラー」は透明感があるポップでカラフルな雰囲気の色味を表し、「キャンディーピンク」や「キャンディーブルー」などの個別色が含まれています。「飴色」の落ち着いた色味とは印象が異なる英語表現です。

まとめ

「飴色(あめいろ)」とは、麦芽水飴に由来する日本の伝統色です。「飴色の玉ねぎ」時間の積み重ねをポジティブに表す用法が多くなっています。落ち着いた黄褐色のため、現在のカラフルで鮮やかな飴に見慣れていると違和感があるかもしれません。キャンディーカラーと混同しないよう、注意して使用しましょう。

※その他の「日本の色」に関する記事はこちら:
「日本の色」とはどんな色?13種類の意味・カラーコードのまとめ