「ブルー」は日本語の「青」に相当する色で、晴れた空のような色です。映画・漫画のタイトルや歌詞によく使われます。基本的な色のため、派生色の種類も豊富です。「ブルー」がどんな色なのか、英語圏でのイメージや「青」との違いとあわせてご紹介しましょう。
「ブルー」とはどんな色?
「ブルー」とは晴れた空のような色
「ブルー」は日本語の「青」に相当する色名で、晴れた空のような色です。英語表記は「Blue」になります。
ブルーは「光の三原色」のひとつです。他の二つはレッド、グリーンです。ディスプレイなどの光で色を表す場合、この3つの色の組み合わせで色を作ります。
「ブルー」のカラーコード
「ブルー」のカラーコードは「#0075c2」「#0099FF」などです。「#0000FF」とされることもありますが、この場合は一般的な青より濃くなるため「群青色の方が近い」と思う人もいるようです。
カラーコードは光の三原色を16進数で表したもので、前から2桁ずつ「レッド」「グリーン」「ブルー」の強さを示します。
「ブルー」と相性が良いのは「オレンジ色」「グレー」
ブルーと相性が良い補色は「オレンジ色」です。補色とは、お互いの色を引き立て、より鮮やかに見える組み合わせになります。ただし、ブルーとオレンジはどちらも鮮やかな色のため、そのまま並べると目がちかちかして見づらくなる可能性があります。境目に白を挟むなどの工夫が必要になる場面もあるでしょう。
補色以外では「グレー」も相性が良い色です。落ち着いたイメージの組み合わせになるため、ファッションのコーディネートに活用する人もいます。
「ブルー」は誕生色ではない
「ブルー」は誕生色(バースデーカラー)になっていません。ただし、ブルーの派生色はさまざまな日の誕生色になっています。
例えば、2月3日の誕生色は「ディープロイヤルブルー(深みがあって濃い青紫色)」です。他にも8月27日は「スカイブルー(薄い青・空色)」が誕生色になっています。
「ブルー」の派生色の種類
ブルーは基本色名のため派生色が多い
ブルーは基本色名のため「ブルー(青)系統」とカテゴライズされる程、派生色の種類が豊富です。色の幅も広く、緑に近い青緑色でも「〇〇ブルー」という名前を持っていることがあります。くすんだ青緑色の「ナイルブルー」、濁った緑みの青の「リバーブルー」などが該当します。
有名な派生色は「ウルトラマリンブルー」
有名な派生色のひとつが「ウルトラマリンブルー」です。紫みのある濃い青色で、画家のフェルメールがよく用いたことから「フェルメールブルー」とも呼ばれています。日本の色では「瑠璃色」や「群青色」に相当します。
かつては宝石のラピスラズリから作る、非常に高価な絵の具からしか出せない色でした。現在は人工的に合成できるようになっています。
「青」との違いは鮮やかさ
「ブルー」と「青」を区別する場合、違いは「鮮やかさ」です。ブルーの方が鮮やかな色になっています。
ただし、一般的には「ブルーと青は言語が違うだけで同じ色」として扱われます。日常会話で「青よりブルーが好き」と言うと、不思議な顔をされることもあり得るでしょう。
「ブルー」のイメージ
「ブルー」は寒色の代表色
ブルーは寒色の代表格です。寒色とは、寒い・涼しいイメージを与える色を意味します。温度だけでなく、冷静・理知的な性格や、落ち着いた雰囲気も感じられます。
対義語は「暖色(だんしょく)」、どちらにも属さない色は「中性色」です。
良いイメージは「落ち着く」「自然」
ブルーは寒色のため、気持ちが落ち着くイメージがあります。街灯をブルーにするだけで、犯罪率や自殺が減った街もある程です。
寒色以外の要素では、海や空の色に近いことから「自然のイメージ」が持たれやすい色です。空・海を舞台にした映画・漫画のタイトルに使われることもあります。
悪いイメージは「憂うつな気持ち」「未熟」
ブルーの悪いイメージは「憂うつ」です。ブルーという言葉の意味として辞書に載るほど一般的なイメージです。「ブルーな気持ちだ」のように使われています。
他にも「未熟さ」「若さ」をイメージする人もいます。これは「青二才」「青年」などの日本語表現の影響を受けているようです。
「ブルー」には「男性用」のイメージもある
ブルーには「男性用」のイメージがあります。例えば、トイレのマークは服装だけでなく、男性のアイコンが青、女性のアイコンが赤になっていることが一般的です。
ただし、近年は色に性別イメージを固定化することを疑問視する声が増えつつあります。
英語圏でのイメージ・表現の違い
英語圏では「卑猥」「高貴」のイメージもある
ブルーは英語圏でも「寒色」「海や空」「憂うつ」などのイメージで使われています。違いは「卑猥さ」「セクシーさ」のイメージがあることです。例えば、成人向けの映画を「blue film」と表します。
他にも「高貴さ」「優秀さ」のイメージもあります。「blue blood」は、貴族や名家のような高貴な血筋を意味する熟語です。
英語圏では「緑色の物」に使わない
英語圏ではブルーを「緑色の物」の表現に使いません。例えば、青信号は見た色の通り「グリーンライト(green light)」です。ブルーライトとは表現しません。
日本語では「青りんご」「青々とした森」のように、緑色の物を「青」と表現する言葉が多くあります。古代日本語では「あお」の意味が広く、「黒と白の中間のはっきりしない色」の総称だったことが由来だと考えられています。
まとめ
ブルーは落ち着く雰囲気や空・海を連想させる色です。「憂うつさ」や「男性用」のイメージもあります。近年は性別に関する価値観が変わり、固定観念のない内容へ進化しつつあります。「ブルー=男性用」が通じない日が来るかもしれません。
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