「シアン」とはどんな色?毒物との関係や色・光の三原色も解説

「シアン」は明るい青色です。「マゼンタ」「イエロー」とともに「色の三原色」になっているため、デザインや印刷業界では有名な色です。シアンがどんな色なのかや、日本語の色名(和名)を説明しましょう。毒性の強い化学物質「シアン」との関係も紹介します。

「シアン」とはどんな色?

「シアン」とは「明るい青」

「シアン」とは「やや緑がかった、明るい青」です。印刷と光源で色合いが大きく違います。一般的によく使うのは印刷に使うシアンで、青に近い色合いになっています。青との差はあまりありません。

光源の「シアン」は、青よりもずっと明るいため、一目で違いが分かるでしょう。青よりも水色に近い色合いです。

「シアン」は色の三原色のひとつ

「シアン」は「色の三原色」のひとつです。他の2つは「マゼンタ」「イエロー」になります。「三原色」とは「他の色を混ぜて作ることが不可能な色」になるため、この3色を混ぜて他の色を作られます。色の三原色は絵の具による描画や印刷で用いるものです。

学校の授業では、生徒に分かりやすくなるように「青、赤、黄」と指導することもあります。イエローと黄はほぼ同色、シアンと青も差は少ないのですが、マゼンタだけは注意が必要です。マゼンタは「鮮やかな赤紫」のため、赤とは違いが大きい色です。

「シアン」をカラーコード・RGBで表す場合

「シアン」の代表的なカラーコードは「#00AEEF」、RGBは「0、174、239」です。他にも「#00a0e9」「0、160、233」などもあります。カラーコードやRGBは「光の三原色」を元にして色を表しています。

「光の三原色」は、名前の通り光源で色を表す際に使う三原色です。パソコンやテレビ、スマートフォンなどのディスプレイに使用されています。カラーコードは16進数、RGBは10進数で「赤、緑、青」の強さを表しています。

「シアン」には誕生色になる日・色言葉がない

「シアン」は誕生色(バースデーカラー)になる日や、色言葉が定まっていません。ただし、シアンを濃くした青色の「シアンブルー」が誕生色になる説もあります。日付は8月4日または13日、色言葉は「気高さ、頂点」などです。

「シアン」を表す日本語の色名(和名)

「シアン」の和名に使うのは「青」「藍緑色」

「シアン」そのものを表す和名はありません。そのため、似た日本語の色名で表現することになります。色の三原色でも使われる「青」が一般的です。シアンと青は色自体もよく似ています。

「藍緑色(らんりょくしょく)」で表すこともあります。ただし、藍緑が宝石のアクアマリンを意味するため、藍緑色もアクアマリン色を表す用法の方が多くなっています。アクアマリン色はシアンより暗く緑に近い色のため、混同しないよう注意が必要です。

「露草色」「水浅葱色」もシアンに似ている

「露草色(つゆくさいろ)」「水浅葱色(みずあさぎいろ)」もシアンに似ている日本の伝統色です。「露草色」は、露草の花にちなんだ明るい群青色です。

「水浅葱色」は緑がかった薄い青で、ウェブカラーのシアンに近い色になります。

「シアン」の語源と使用

「シアン」の語源は「暗い青」を意味する古代ギリシャ語

シアンの語源は古代ギリシャ語です。「暗い青」を意味する「cyanos」が元になっています。当時は言葉の意味通り、今のシアンよりも暗い青でした。

「シアン」はデザイン・印刷用語で使われる

「シアン」という言葉が使われるのはデザインや印刷用語です。業務用だけでなく、家庭用プリンターのインクでも「シアン」が使われています。

日常会話では「シアン」を耳にする機会はあまりありません。シアンに似た色のものがあっても「青」や「水色」と呼ぶことが一般的です。

「シアン」は夏・爽快さのイメージを狙って使用

「シアン」と言葉にしなくても、色自体はさまざまな場面で使用されています。「シアン」には夏の空・海や爽快なイメージがあるためです。涼しさや開放感を演出したい場面で使われています。「夏用の寝具」「爽快感をアピールしたい商品のラベルやウェブサイト」などが考えられます。

化学物質「シアン」との関係

化学物質「シアン」は毒性が強い気体

化学物質「シアン」とは、毒性が強い気体です。危険な化学物質ですが、金属の精錬などの工業用途として有用です。

シアンの仲間である固体「シアン化カリウム」は、化学物質に詳しくない人にもよく知られています。サスペンスドラマやミステリー作品で「毒殺の道具」として使われることが多いためです。シアンを日本語の「青酸」とした略称「青酸カリ」と呼ばれることもあります。

同じ名前の理由は「作り方が関係する説」がある

色と化学物質に同じ「シアン」が使われている正式な理由は不明です。しかし、作り方が関係しているとする説があります。

最初にシアン化カリウムを作った際に、濃い青色の結晶を分解していました。「シアン」の語源が「濃い青色」を意味する古代ギリシャ語だったことから、結晶から作る化学物質に「シアン」と名付けられたと考えられています。

結晶の名前は「プルシアンブルー」ですが、この「シアン」は色名とは無関係とされます。「プルシアン」は北東ヨーロッパの歴史的な呼び方「プロシア」を意味するためです。

ちなみに、プルシアンブルー自体に毒性はないため、青色顔料としても活用されています。

まとめ

「シアン」は猛毒と名前が同じですが、直接的な繋がりはありません。色名としては業界用語のように扱われています。しかし、爽やかな夏をイメージさせる人気色のため、さまざまな場所で見られるでしょう。