「文化の日」はいつ?祝日の意味や由来と過ごし方・行事食も解説

秋になると文化祭や芸術祭が多く開かれるのは11月3日の「文化の日」にちなんだものが多いからかもしれません。「文化の日」の持つ意味や意図をはじめ、「文化の日」が11月3日となった由来について解説します。また「文化の日」の過ごし方や「文化の日」にちなんだ行事食についても紹介します。

「文化の日」はいつ?その意味とは

「文化の日」は毎年11月3日

「文化の日」は11月3日制定された祝日です。日本では法律で定められた「国民の祝日」が計16日ありますが、そのひとつに該当します。

祝日には「ハッピーマンデー」のように「第○月曜日」と制定されるものもありますが、「文化の日」は11月3日に固定された休日です。

文化の日とは「自由と平和を愛し文化の発展を願う日」

「文化の日」は「自由と平和を愛し、文化の発展を願う日」という意味を持ちます。「文化」という熟語にはさまざまな意味があり、芸術だけでなく科学や技術、学問なども「文化」に含まれます。

わかりやすくいうと、「文化に触れ平和を感じる日」「文化を学び理解を深める日」というとらえ方もできるでしょう。

「文化の日」は英語で「Culture day」

「文化の日」は英語では「Culture day」と表現されます。「culture」とは「文化」という意味を持つ英単語で、日本語をそのまま直訳して英訳するのが通例です。

「文化の日」の由来とは?

11月3日は日本国憲法が公布された日

「文化の日」である11月3日は、日本国憲法の公布日でもあります。1946年11月3日に日本国憲法が公布、その3年後に制定された祝日法(国民の祝日に関する法律)によって、「文化の日」が制定されました。

「文化の日」が「自由と平和を愛し文化の発展を願う日」と定義されているのは、日本国憲法が平和と文化を尊重していることに由来しています。平和の基盤ともなる文化の発展や拡大を願う日、となったとされています。

もともとは明治天皇の誕生日を祝う祝日だった

11月3日は、「文化の日」になる以前から祝日として馴染みがある日でした。明治時代には天皇誕生日(天長節)、大正時代以降は明治節として祝われた祝日だからです。

11月3日を祝日にする際、「憲法記念日」という名前にする案もありました。しかし、明治天皇を祝う日を残すことと、明治天皇と憲法が結びつくことを懸念したGHQの反対を受けて「文化の日」として制定。憲法記念日は、憲法の施行日に合わせて5月3日に制定されています。

「文化の日」の行事とは?

「文化の日」には芸術祭が各地で開かれる

「文化の日」には例年、日本各地で芸術祭などが催されます。コンサートや伝統芸能・伝統工芸の体験会などもよく見受けられます。地域によってはこの日に毎年同じイベントを行う、という例もすくなくありません。

「文化の日」は博物館や美術館が入館無料になることも

「文化の日」には博物館や美術館など”文化”にゆかりのある施設が入館無料となるケースも多いです。展示物を見て歴史を感じたり、芸術に触れたりすることもまた、「文化の日」の楽しみ方のひとつです。

「文化の日」には文化勲章授与式も

国を挙げた催しとしては、文化勲章の授与式があります。「文化勲章」とは、科学技術や芸術などの文化の発展・向上に功績を挙げた人に授与されるものです。文部科学大臣が文化功労者の中から選考、内閣総理大臣に推薦します。

この文化勲章の授与式は、11月3日の「文化の日」に皇居宮殿にて執り行われるのが通例です。受賞者は多岐に渡り、電気化学や政治学、日本文学や陶芸などさまざまな方が名を連ねます。

「文化の日」は何をする?過ごし方とは

子供向けに伝承遊びを楽しむのもおすすめ

「文化の日」に子供と過ごすのであれば、日本の伝承遊びに触れてみるのも良いでしょう。おはじきやこま、けん玉など日本に古くからあるおもちゃは、遊び道具であると同時に日本文化や伝統を知ることにもつながります。

「文化の日」に決まった行事食・食べ物はない

「文化の日」は節句とは違って、行事食や決まった食べ物はありません。祝日という意味でお赤飯を用意する例もありますが、あまり一般的ではないでしょう。

日本の文化「和食」を味わう

日本食・和食は、2013年にユネスコ無形文化遺産に登録されています。「日本の文化を大切にする」「日本文化に触れる」という意味で、和食を楽しむという過ごし方もよいでしょう。

なお、和食や日本人の伝統的な食文化を保護し、継承していくことの大切さを考える日としては「和食の日(11月24日)」もあります。

まとめ

「文化の日」は「自由と平和を愛し文化の発展を願う日」として、11月3日に制定されています。11月3日に日本国憲法が公布されたことにちなみ、憲法の基本的な考えを反映した祝日です。

11月3日は明治天皇の誕生日として、古くから日本人に馴染みのある祝日でもあります。その11月3日を祝日として残す意向で「文化の日」が制定された、とも言われています。