前向きな意味の四字熟語は?スポーツや座右の銘に使える言葉12選

四文字という短い言葉の中に、深い意味が詰まっている四字熟語。スポーツの応援幕や、座右の銘などによく使われます。今回はそんな四字熟語のなかでも、前向きな意味を持つものをご紹介。スローガンに掲げられるものや、目標になるもの、努力が報われる意味のものなどをご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

前向きな意味の四字熟語とは

前向きな意味の四字熟語一覧

  • 百折不撓(ひゃくせつふとう)
  • 捲土重来(けんどちょうらい)
  • 堅忍不抜(けんにんふばつ)
  • 気炎万丈(きえんばんじょう)
  • 勇往邁進(ゆうおうまいしん)
  • 不撓不屈(ふとうふくつ)
  • 点滴穿石(てんてきせんせき)
  • 孜孜不倦(ししふけん)
  • 桜梅桃李(おうばいとうり)
  • 一念通天(いちねんつうてん)
  • 雲外蒼天(うんがいそうてん)
  • 万里一空(ばんりいっくう)

前向きな意味の四字熟語の特徴

前向きな意味の四字熟語には、挫けずに困難に立ち向かう意味のものや、一度失敗しても再び立ち向かうような意味のもの、コツコツと努力を重ねるという意味のものが多い傾向にあります。「前向き」という言葉の通り、前を向いて立ち向かっていく、努力していくという気持ちを表す言葉です。努力して進んだ先に輝かしい未来が待っているという言葉は、スローガンやスポーツの目標などに掲げるのに向いています。

スローガンに使えるかっこいい前向きな四字熟語

「百折不撓」は何度失敗しても挫けず挑戦すること

「百折不撓(ひゃくせつふとう)」は、「何度失敗をしても、困難に挫けることなく挑戦する」という意味があります。何度も失敗や挫折をすることを意味する「百折」と、苦労や困難に挫けないことを意味する「不撓」が組み合わさってできた言葉です。

中国の「橋大尉碑(きょうたいいのひ)」が出典で、学校の校訓や企業の社訓などに用いられることも多い四字熟語です。意志の強さを表現する言葉として、スローガンに掲げるのに向いています。

「捲土重来」は一度敗れたものが巻き返すこと

「捲土重来(けんどちょうらい)」は「一度敗れた者や失敗したものが勢いを盛り返し、再び巻き返す」という意味を持ちます。「捲土重来」の「捲土」は、土埃を巻き上げることを意味します。そこから転じて、すさまじい勢いをたとえた言葉で、「巻土」と書く場合もあります。「重来」は「じゅうらい」と読むこともあり、再びやってくることを意味します。

出典は中国、晩唐期の詩人・杜牧(とぼく)の『題烏江亭(うこうていにだいす)』にある詩の一節「捲土重来未可知(けんどちょうらいもいまだしるべからず)」です。勝負事で雪辱を晴らしたい時のスローガンにぴったりです。

「堅忍不抜」は困難に心を動かさず耐え忍ぶこと

「堅忍不抜(けんにんふばつ)」の意味は「どんな困難があっても耐え忍び、心を動かされないこと」です。「堅忍」には、強い意志を持って我慢強く耐え忍ぶ、という意味があり、「不抜」は固くて抜けないという意味から、何があっても心を動かさない様子を表しています。

出典は中国、北宋で政治家や詩人として活躍した蘇軾(そしょく)の『錯論(しょうそろん)』。相撲で横綱が昇進時に口上で使用したこともある言葉で、校訓や社訓にも使われます。

スポーツで目標に使える前向きな四字熟語

「気炎万丈」は意気盛んな様子、大いに意気を上げること

「気炎万丈(きえんばんじょう)」は、「意気込みが盛んで他を圧倒するほどである様子や、大いに意気を上げること」という意味があります。「気炎」は燃え上がる炎のように意気が盛んであることを意味し、「万丈」は非常に高く上がることを意味します。

ラグビーやサッカーなど、団体で熱く盛り上がっていきたいスポーツの目標に多く使われますが、陸上や重量挙げなどの個人競技でも使われます。人気アニメのキャラクターが使う技の名前にもなっており、若者の間で知名度が高い言葉です。

「勇往邁進」は目標に向かいひたすら前進すること

「勇往邁進(ゆうおうまいしん)」は、「どんな困難にもひるまず、目標や目的に向かって勇敢に前進すること」という意味があります。勇んで行くことを意味する「勇往」と、止まらずに進むことを意味する「邁進」が組み合わさった言葉です。

団体競技、個人競技問わず、さまざまなスポーツで全国制覇を目指す場合に使われることが多い言葉です。

「不撓不屈」はどんな困難や苦労にも挫けないこと

「不撓不屈(ふとうふくつ)」の意味は「どんな困難や苦労があっても、強い意志を持って心が挫けないこと」です。「不屈不撓」とも言います。「撓」には木の枝がたわむという意味があり、転じて挫ける、屈することを指します。「屈」には主義や主張を無理矢理抑え込むという意味があります。

出典は『漢書(かんじょ)』の叙伝(じょでん)。柔道や剣道などの武道をはじめ、多くのスポーツで応援幕やスローガンに使用される言葉です。

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座右の銘に使える良い意味を持つ前向きな四字熟語

「点滴穿石」は僅かな力でも積み重なれば大きな事を成すこと

「点滴穿石(てんてきせんせき)」には「僅かな力でも、積み重ねることで大きな仕事を成し遂げることができる」という意味があります。小さな水滴が長く同じ場所に落ち続けることで、硬い石にも穴を開けることができる様子から転じています。

出典は『漢書』の枚乗(ばいじょう)です。座右の銘にすることで、小さな努力を積み重ねて大きな成果を出すモチベーションになるでしょう。

「孜孜不倦」は途中でやめることなく努力し続けること

「孜孜不倦(ししふけん)」の意味は「途中でやめることなく、ずっと努力をし続けること」です。「孜々不倦」と表記することもあります。「孜孜」には熱心に努力すること、という意味があり、「倦」には何度も続き嫌な気分になることという意味があります。

出典は『書経(しょきょう)』の「益稷(えきしょく)」。柔道のオリンピック選手が自分の決意を表す四字熟語として挙げたこともある言葉です。

「桜梅桃李」は他人と自分を比べず個性を磨くこと

「桜梅桃李(おうばいとうり)」には、「他人と自分を比べるのではなく、個性を磨くことが大事」という意味があります。「桜梅桃李」は桜、梅、桃、李(すもも)を指しており、それぞれが美しい花を咲かせていることから転じた意味となっています。

『古今著聞集』の「草木」の項の一文が出典です。花がそれぞれ独自の美しさを持つように、人もまたそれぞれが個性を持っています。他人と比較して自分にないものを嘆くのではなく、自分らしさを大切にして生きるという指針になる言葉です。

努力が笑顔に変わる前向きな四字熟語

「一念通天」はどんなことも一心に努力すれば必ず叶うこと

「一念通天(いちねんつうてん)」とは、「どんなことでもひたすら信じ努力すれば、必ず思いが天に通じ叶えられる」という意味があります。コツコツ努力をすることで思いが叶う、得られるものがある、という前向きな言葉です。

出典は中国・後漢の魏伯陽(ぎはくよう)の著として伝承される(真偽は不明)『周易参同契(しゅうえきさんどうけい)』です。

「雲外蒼天」は困難の先に素晴らしい未来があること

「雲外蒼天(うんがいそうてん)」の意味は、「困難や試練を乗り越えた先に素晴らしい未来があること」です。どんな厚い雲の上にも青空が広がっている様子から、困難や試練を厚い雲に、輝かしい未来を青空に例えた表現です。

大変なことがあっても、努力して乗り越えればきっと素晴らしい未来が待っているというこの前向きな言葉は、スポーツや将棋、囲碁などの勝負事に関わらず、あらゆる場面で使えます。

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「万里一空」は目標を見据え、たゆまず努力すること

「万里一空(ばんりいっくう)」は、「一つの目標を見据え、たゆまず努力をし続ける」という覚悟や心構えを表す言葉です。世界はすべて同じ一つの空の下にある、ということから転じています。宮本武蔵の著書『五輪書』の中の「山水三千世界を万理一空に入れ、満天地ともまとめる」が由来となった言葉です。

スポーツ選手が決意表明に使用することもある言葉で、努力の先にはきっと得られるものがある、と思わせてくれる前向きな表現です。

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まとめ

スポーツの応援やスローガン、座右の銘などに使える前向きな意味を持つ四字熟語をご紹介しました。使用したい目的に沿って、心を掴む四字熟語を見つけてみてください。支えになる言葉があれば、困難な状況を乗り越える一助になるかもしれません。