意見とはどういう意味?使い方の例と類義語の「感想」との違いも

「意見」とはある問題に対する主張のことで、相手をいさめるという意味もあります。「意見」を言っただけなのに反発されたり、「それは感想に過ぎない」と一蹴されたりするように、認められる「意見」を述べることは意外と難しいようです。本記事では「意見」の意味と例文のほか、「感想」との違いについて述べています。

「意見」の意味とは?

「意見」とはあることに対する主張のこと

「意見」とは、ある問題に対しての主張や考えのことです。「意」は「思い」や「考え」、「見」は「あらわす」や「表に出す」という意味を持っており、考えを外に出して見えるようにしたもの、つまり「意見」という熟語を構成しています。

この場合の「意見」は、「事柄」や「問題」などについて個人が持つ率直な考えやアイデアのことを表したものです。

「意見」には相手の過ちをいさめるという意味も

「意見」には他人の過ちをいさめるという意味もありますが、この用法では「異見」と書くこともあります。相手とは異なる「意見」を述べることで、相手に過ちを知らしめて改めるように忠告することです。

つまりこの場合の「意見」は、誰かあるいは何らかの事柄という明確な対象が存在し、それに対しての反論・異論となります。

「意見」の使い方と例文

「意見」は反論と受け取られることもある

多様な考えやアイデアのひとつとして述べたつもりの「意見」が、反論・異論の意味での「意見」と受け取られることもあります。

相手の意見と対立するような「意見」を述べたような場合、意図しない受け取られ方をされがちです。「意見」の意味合いは相手の判断にゆだねられるため、誤解を招かないように伝える工夫が必要でしょう。

「意見する」は「意見を言う」と同じ意味合い

「意見する」は、名詞である「意見」に「~する」を続けたサ変動詞です。「~を意見する」というように、「意見を述べる」「意見を言う」と同じ意味合いで使うことができます。

また、相手に対して反論することやいさめるという意味では、「上司に意見する」というように使うこともできます。

考え・アイデアとしての「意見」を使った例文

  • 率直な意見を述べるようにうながされたからといって、迂闊に意見を言うことは避けたいものだ。
  • 少数意見も尊重したいが、これほどまでに意見が分かれると収拾がつかなくなりそうだ。

相手をいさめる意味での「意見」を使った例文

  • ワンマン社長に意見するようなことは、馘首や降格のリスクが伴うだろう。
  • 唐朝の太宗は部下の意見を容れることで、名君といわれるようになった。

「ご意見」の意味と使い方とは?

「ご意見」は「意見」の尊敬表現

「ご意見」とは、「意見」に尊敬の意を加える接頭辞「ご(御)」がついた言葉です。「ご意見していただきます」というように、お客様や目上の方などの主張や考えについて敬意を示して言いたいときに使います。

「ご意見」には謙譲語としての用法も

「ご意見」は尊敬語だけでなく、謙譲語としても使うことができます。「ご意見申し上げます」というように、自分の行為が向かう相手を立てるものです。

この言い回しは、目上の方に対して異議を唱えるときにも使うことができますが、「おそれながら」や「僭越ながら」を頭に付けるとさらに謙譲の意を表すことができます。

「ご意見番」とは遠慮なく意見を述べる人のこと

「ご意見番(ごいけんばん)」とは、豊富な知識と経験を持ち誰に対しても遠慮なく意見を述べたり忠告したりする人のことです。主君の言行や、政事の是非などに対して意見や忠告をする役目である「意見番」が由来とされています。

「意見」と「感想」との違いとは?

「感想」とはものごとに触れて思ったこと

「感想」とは、あるものごとに触れて思ったことや心に感じたことのことです。「感」「想」ともに、「思い」や「感じた事」を表した文字で、同じ意味の文字を重ねて熟語が構成されています。

夏休みの宿題の定番である「読書感想文」は、ある本を読んで自分が思ったことや感じたことを文章にしたものです。

「意見」との違いは主張の有無

「意見」はあることに対する考えであり、自分の外に向けて主張する意志が含まれるものです。一方の「感想」は主観であり、相手に対して主張するものではありません。

会社での仕事やレポートなどで「意見」を述べたのに、「それはあなたの感想ですね」と返されてしまったときには、自分の「意見」に客観性が足りなかったり、主張が乏しかったりしていないか点検されることをおすすめします。

まとめ

「意見」の2つの意味のほか、例文や類義語の「感想」との違いなどを紹介しました。ある問題に対する自分の主張が「意見」の主な意味ですが、相手に対する反論や諫言という意味もあります。

自分の「意見」が「反論」や「諫言」、あるいは「感想」であるかは受け手が決めるということをよく理解したうえで、誤解を招かない内容にしたうえで表明することが必要でしょう。