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「一年の計は元旦にあり」の意味は?由来や類語と例文も紹介

「一年の計は元旦にあり」ということわざがありますが、元旦に一年の計画を立てるといいことがあるという意味なのか、由来はどこにあるのかなど気になります。

この記事では「一年の計は元旦にあり」の由来や類語および例文を紹介しながら、意味を浮き彫りにしています。

「一年の計は元旦にあり」の意味や読み方

意味は「一年の計画は元旦に立てるべき」ということ

「一年の計は元旦にあり」の意味は、「一年の計画は元旦に立てるべき」です。

元旦は一年の最初の日の朝のことで、「計」には計画という意味があります。つまり、ことに当たっては最初にしっかりとした計画を立ててから臨むことが大切だという意味を持ち、「元旦」の部分を「元日」や「正月」に言い換えることもあります。

読み方は「いちねんのけいはがんたんにあり」

「一年の計は元旦にあり」の読み方は「いちねんのけいはがんたんにあり」です。

「一年の計は元旦にあり」の由来

「一年の計は元旦にあり」の由来は「月令広義」

「一年の計は元旦にあり」の由来としてあげられるのは、中国の明代に憑慶京という学者によって著された書物「月令広義」です。

「月令広義」は中国の伝統的な年中行事やしきたりが解説されているもので、そのなかに「一日の計は晨にあり、一年の計は春にあり」という一文が記載されています。

晨は「あした」と読み朝のことを指すもので、朝と書くこともあります。春は正月を意味していて、全体では、1日の初めである朝や一年の初めである正月にこそ計画を立てるべきである、という戒めです。

なお一日は「いちにち」や「ついたち」ではなく、「いちじつ」と読むのが正解です。間違えやすいのでご注意ください。

「一年の計は元旦にあり」の由来は続きの「四計」にも

「一年の計は元旦にあり」の由来である「一日の計は晨にあり、一年の計は春にあり」のあとには、「一生の計は勤にあり、一家の計は身にあり」という言葉が続きます。

全体では初頭に設計立てることで日々の充実度が決まり、勤勉に働くことで一生が決まり、健康維持によって一家の行く末が決まるという意味合いになります。

このなかの「一日の計」「一年の計」「一生の計」「一家の計」を合わせて「四計」といい、よき人生の設計に欠かせない大切な計画とされているものです。

毛利元就の言葉も「一年の計は元旦にあり」の由来

「一年の計は元旦にあり」のもうひとつの由来としては、毛利元就が語ったとされている「一年の計は春にあり、一月の計は朔にあり、一日の計は鶏鳴にあり」があります。

朔は「ついたち」と読み、月初めの日のことです。また鶏鳴は「けいめい」と読み、鶏の鳴き声のことから一番鶏が鳴く早朝のことを指す言葉です。

毛利元就の言葉は、1年、1月、1日それぞれの最初のときこそが計画を立てるべきときであるということを言ったもので、何事も最初が肝心であるという戒めを意味しています。

「一年の計は元旦にあり」の類語

「一年の計は元旦にあり」の類語は「一日の計は朝にあり」

「一年の計は元旦にあり」の類語は、「一日の計は朝にあり」です。由来の項で紹介した「一日の計は晨にあり、一年の計は春にあり」の前半部分を言い換えたもので、その日一日に行うべきことは朝のうちに計画しておくべきということです。

現在でも成果を挙げる仕事法として、朝一番にその日の仕事をリストアップすることが勧められているように、「一日の計は朝にあり」は普遍性を持った言葉といえます。

「一生の計は少壮の時にあり」も類語

「一生の計は少壮の時にあり」も「一年の計は元旦にあり」の類語です。少壮の時とは若くて意気盛んな時期のことで、青年期に生涯で為すべきことを考えておくべきであるという意味合いがあります。

物事の初期に計画を立ててことを行うことの大切さは、一生においてもいえることです。某プロ野球選手が、小学6年生のときに自分自身の野球人生についての計画を作文に書いたことはよく知られていますが、まさに「一生の計は少壮の時にあり」の好事例といえます。

「一年の計は元旦にあり」の使い方

「一年の計は元旦にあり」を使った例文

「一年の計は元旦にあり」を使った例文を紹介します。

  • 「一年の計は元旦にあり」にあやかって、元旦から日記をつけ始めることにした。
  • 「一年の計は元旦にあり」を実践するために、今年は正月休み返上でトレーニングだ。
  • 「一年の計は元旦にあり」というが、新年会で早々にダイエットプランが挫折してしまった。
  • 「一年の計は元旦にあり」という言葉にしたがって、開業日は元旦に決めよう。

まとめ

「一年の計は元旦にあり」という言葉はよく知られていて、「今年こそは」という願いも込めて年初に新しいことをはじめるケースが多くみられますが、一年の途中で立ち消えになってしまうこともあります。

しかし、無計画のままに過ごす一年は何もしないうちに過ぎてしまい、それが積み重なって無為な一生となってしまうと残念です。

「一年の計は元旦にあり」は物事の初めに計画を立てることをすすめることわざですが、今がこれからの人生の初めと考えれば、いくらでも仕切り直しはできそうです。