「モーブ」はどんな色?似た色や「モーブカラー」「モーブ系」も紹介

「モーブ」は薄く灰色がかった紫色のことで、ファッションアイテムやメイク・ヘアカラーの色として耳にすることも多く人気のある色です。この記事では「モーブ」がどのような色なのかをはじめ、類似色との違いや由来、「モーブカラー」・「モーブ系」についても紹介します。

「モーブ」とはどんな色?

「モーブ」の意味と由来は「葵の花」

「モーブ(mauve)」とは、薄く灰色がかった青みの強い紫色のことです。JISの色彩規格では「つよい青みの紫」と位置づけられています。

“mauve”の言葉は葵の花を意味するフランス語”mauvein(モーベイン)”が由来とされており、1856年(安政3年)にイギリスの科学者ウィリアム・パーキンが発見した世界初の合成染料です。

「モーブ」のカラーコードは「#915DA3」

「モーブ」のカラーコードは「#915DA3」です。カラーコードは色を表現するために16進法で表記した文字の羅列のことで、前から2ケタごとに赤・青・緑の濃淡が表されています。

パソコンのモニターやテレビ画面で色を作る際に用いられている”光の三原色(RGB)”においては「R133、G88、B150」となり、赤色が52.2%・緑色が34.5%・青色58.8%で構成されます。

「モーブ」は3月17日の誕生色

「モーブ」は、3月17日の誕生色です。この色を誕生色に持つ人は、「新しいものを次々と創り出す創造者」という性質があるとされています。また、モーブが持つ色言葉は「想像力」「魅惑的」「センス」です。

「モーブ」と似た色との違いは?

「パープル」は巻貝が由来の色

「モーブ」と似た色としてあげられるのが「パープル(purple)」です。「パープル」は”赤みがかった鮮やかな紫色”と定義されており、カラーコードは「#9b68a9」・「#9b72b0」です。

パープルは巻貝のプルプラ貝から採れる分泌液を原料として染色したもので、布を染めるためには大量の巻貝が必要となることから大変貴重な色とされてきました。

モーブとの違いは、赤みがかっている点と色合いの鮮やかさだといえます。

「茄子紺」は日本の伝統色

「茄子紺(なすこん)」は野菜の茄子の実のように深い紺色をさし、カラーコードは「#150029」です。JISの色彩規格では”ごく暗い紫”とされています。

藍染で使われる色として江戸時代に入ってから使われるようになった色で、大正時代には流行色にもなりました。

モーブとの違いは、茄子紺のほうが明確に濃さを感じられる点です。

「モーブカラー」「モーブ系」とは?

「モーブカラー」「モーブ系」はくすみが感じられる色合いのこと

「モーブ」が持つ色調に近いカラーを総称して「モーブカラー」と呼んでおり、特にヘアメイクやファッション業界において多く使われています。またモーブの持つ薄く灰色がかった色合いのことを「モーブ系」とも呼びます。

モーブカラーの種類には「モーブピンク」「モーブブラウン」「モーブグレー」などがあり、いずれも本来の色に少し灰色がかったくすみが感じられる色合いが特徴的です。久住が加わることで落ち着いたトーンの印象になります。

「モーブカラー」はヘアカラーでも人気の色

「モーブ」は髪の色を染めるヘアカラーでも人気の高い色です。モーブカラーの持つ灰色のトーンには、髪の黄色みをカバーして透明感とツヤを出す効果があります。

モーブカラーで染めた髪は、色落ちした後も色味が黄色っぽくならないのが特徴です。ミルクティーのような上品なカラーに退色するため、色落ちの過程でも変化を楽しめます。

「モーブ」はどんな人が似合う?

「モーブ」は秋冬のメイクに最適のカラー

「モーブ」の色合いは大人っぽく落ち着いた印象を与えるため、メイクにもよく取り入れられます。特に深みのある色合いは秋冬のメイクに最適です。

目元や口元にモーブを取り入れることで華やかな印象を与えられます。多く取り入れられているメイクアイテムはアイシャドウですが、モーブカラーであるモーブピンクやモーブブラウンのリップも人気があります。

「モーブ」がよく似合うのはブルーベースの人

「モーブ」はブルーベースの人に似合う色とされています。ブルーベースとは肌の色の傾向のことで、ブルー(青み)寄りの肌色をブルーベース、イエロー(黄み)寄りの肌色をイエローベースと呼び、自分の髪や瞳の色などからどちらに当てはまるかを導き出す”パーソナルカラー”に基づいています。

ブルーベースの人は肌が薄く透明感があり、ブルー、パープルなど寒色系の色が似合うのが特徴です。いっぽうイエローベースの人は健康的な肌色で黄みが強く、イエローやオレンジなど暖色系の色が似合うとされています。

まとめ

「モーブ」は薄く灰色がかった紫色のことで、葵の花を意味するフランス語”mauvein(モーベイン)”が由来とされています。天然の染料ではなく、1856年(安政3年)にイギリスの科学者ウィリアム・パーキンが発見した世界初の合成染料です。ヘアメイクやファッション業界でも人気の高い色で、モーブの持つ薄く灰色がかった色合いを「モーブカラー」や「モーブ系」と呼んでいます。