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「うぐいす色」とはどんな色?「メジロ色」や「若草色」との違いも解説

「うぐいす色」と聞くと、どのような色を思い浮かべるでしょうか。柔らかで明るめの黄緑色を連想する方が多いかもしれませんが、実は「うぐいす色」は「くすんだ暗い黄緑色」を指します。この記事では「うぐいす色」のカラーコードや由来をはじめ、「メジロ色」や「若草色」の2つの色との違いについても解説します。

「うぐいす色」はどんな色?

「うぐいす色」は「くすんだ暗い黄緑色」

「うぐいす色」は「くすんだ暗い黄緑色」です。うぐいすは鳥のウグイスのことで、「鶯色」とも書き表します。ウグイスは日本全国に生息する体長14~15センチほどの小鳥で、「ホーホケキョ」と鳴く特徴的な声がよく知られています。

ウグイスの羽根の色は、灰色がかった暗めの緑色をしています。この色をたとえて「うぐいす色」と呼んでいます。

「うぐいす色」が間違われやすいのは「鳥の見間違い」?

「うぐいす色」は前述した通り「くすんだ暗い黄緑色」のことで、JIS慣用色名にも”くすんだ黄緑”と定義されています。ところが「うぐいす色」と聞くと「明るい黄緑色」をイメージする方も多く、実際に明るい黄緑色が「うぐいす色」とされているものも多く存在します。これは一体なぜなのでしょうか。

これは、鳥のウグイスとメジロを見間違えたことによるためと言われています。メジロは春先になると人家の庭先などに顔を出すため、春の鳥として見かける機会が多い鳥です。いっぽうウグイスは臆病な性格で笹薮などに潜んでいることが多く、目にする機会もほとんどありません。

ただ、おなじみの「ホーホケキョ」という鳴き声はよく耳にすることから、春先によく見かけるメジロとウグイスの鳴き声が錯綜し、ウグイス=メジロの色のイメージが浸透したのではないかとされています。

「うぐいす色」のカラーコードは「#928c36」

「うぐいす色」のカラーコードは「#928c36」や「#918d40」です。光の三原色(赤・緑・青)で色を表すRGBカラーモデルでは「赤(R):146(57.25%)、緑(Gr):140(54.9%)、青(B):54(21.18%)」で構成されます。

また、印刷の4原色となるCMYKカラーモデルでは「シアン(C):23、マゼンタ(M):00、イエロー(Y):90、ブラック(K):50」で表現します。

「うぐいす色」の補色は深い青紫色

「うぐいす色」の補色にあたるのは深い青紫色で、カラーコードは「#363c91」です。補色とは色相環上で向かい合う関係(正反対に位置する)の色の組み合わせのことです。

補色はコントラストが強い組み合わせでもあるため、並べると色の鮮やかさが強調される効果があります。

「うぐいす色」の雑学

「うぐいす色」は「日本の伝統色」

「うぐいす色」は「日本の伝統色」です。伝統色とは、日本に古来から伝わる色という意味で、「和色」ともよばれます。日本には四季があり、草花や木々、空の色など様々な自然が季節ごとに表情を変えます。その微妙な色合いを感じ取って、自然に由来する名前を色につけました。

伝統色は「うぐいす色」の他にも

  • 藤色(ふじいろ):藤の花を連想させる柔らかな紫色
  • 空色(そらいろ):晴れた日の空を連想させる優しい青色
  • 山吹色(やまぶきいろ):山吹とよばれる黄色い花の植物が由来とされる、赤みがかった黄色

などがあり、その数は460種類以上。原色とはやや色味が違う点が特徴的です。美しい自然の変化に触れてきた、日本ならではの情緒が色に込められています。

「うぐいす色」は着物の流行色だった

「うぐいす色」は江戸時代から存在していた色で、着物に取り入れられてきました。ただ、江戸時代の女性の普段着の色として人気が高かったのは、「うぐいす色」よりもさらに茶色味がかった「鶯茶(うぐいすちゃ)」のほう。「うぐいす色」が一般に普及し流行したのは明治時代になってからのことです。

「うぐいす色」は控えめな色合いのため、取り入れると上品さを引き立ててくれます。

和菓子に用いられる「うぐいす餡」

和菓子やあんパンの材料に用いられる「うぐいす餡(うぐいすあん)」は、青えんどう豆(グリーンピース)を茹でたものをつぶし、砂糖や蜜で味付けをした漉し餡を指します。

「うぐいす餡」と似たものに「ずんだ餡」がありますが、こちらは枝豆を使うものが一般的です。

「うぐいす色」の英語表現は「greenish brown」

英語で「うぐいす色」がどのような色であるかを伝えたい場合は「greenish brown」と表します。「greenish brown」は”緑色がかった茶色”という意味です。

ただ「うぐいす色」は日本の伝統色の名前ですので、そのまま「uguisu-iro」と表現しても構いません。

「うぐいす色」と「メジロ色」「若草色」との違いとは?

「メジロ色」は「柔らかな黄緑色」を指す

「メジロ色」という名前の色は日本の伝統色には存在しませんが、鳥のメジロの体の色から「柔らかな明るい黄緑色=メジロ色」と認識されているケースが見られます。この場合「うぐいす色」よりもくすみがなく、柔らかな色合いのものを指すことが多いでしょう。

「メジロ色」と似ている色には「オリーブ色」があげられるものの、実際のメジロはオリーブ色よりも薄く、明るさが少し含まれています。

「若草色」は「あざやかな黄緑色」

「若草色(わかくさいろ)」とは、早春に芽吹く若草のようなあざやかな黄緑色を指しますす。「うぐいす色」よりも黄色みが強く、明るい印象の色合いです。

「若草色」も古くから見られる日本の伝統色にあたり、カラーコードは「#c8d921」で表現します。修飾語の”若”がつくことで、元の色(草色)よりも明るく鮮やかな色という意味になります。

まとめ

「うぐいす色」は「くすんだ暗い黄緑色」で、鳥のウグイスの羽根の色に由来しています。古来から日本に伝わる伝統色にあたり着物にも使用され、明治時代には流行色にもなりました。カラーコードでは「#928c36」や「#918d40」で表現することができます。