「大寒」とはいつ?読み方と意味、行事や食べるといいものを紹介

「大寒」とは二十四節気の一番最後にあたる節気で、一年のうちで最も寒さが厳しくなる頃をさします。文字の通り寒そうな印象が強い「大寒」ですが、実際にはいつ頃なのかをはじめ、意味について解説します。また、この時期に行われる日本の行事や慣習、食べるといいものも紹介します。

「大寒」とはいつ?

「大寒」は二十四節気の第24番目

「大寒」は「だいかん」と読み、二十四節気の第24番目にあたる節気のことです。二十四節気は1年を4つの季節(春夏秋冬)に分け、さらにそれぞれの季節を6つに分けたもの。年によっては日が1日前後することもあります。「大寒」は冬の二十四節気の中で一番最後にあたり、「大寒」が終わると春の初めとなる「立春(りっしゅん)」に進みます。

「大寒」は例年1月20日ごろ

「大寒」と呼ばれる時期は例年1月20日から2月3日ごろです。2023年の「大寒」は1月20日でした。2024年の「大寒」も1月20日から2月3日です。二十四節気の中で”冬”にあたるのは「立冬(りっとう)」「小雪(しょうせつ)」「大雪(たいせつ)」「冬至(とうじ)」「小寒(しょうかん)」「大寒(だいかん)」の6つです。

ちなみに、「大寒」は初日となる1月20日のみをさすこともありますが、期間すべてを「大寒」とする場合もあります。とくに「大寒」の場合は、期間すべてをさすことが多い傾向です。

「大寒」の意味と由来は?

「大寒」の意味は「もっとも寒さが厳しい時期」

「大寒」は「もっとも寒さが厳しい時期」という意味です。江戸時代に出版された暦の解説書「暦便覧」によれば、「大寒」は”冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也”と記載されています。

ただ「大寒」の頃には、厳しい寒さが続く中にも時折温かい日が訪れることがあります。これ「三寒四温(さんかんしおん)」といい、”寒い日が3日続いたあと暖かい日が4日続く”という意味で用いられるほか、気候が次第に暖かくなるといった意味でも使われています。「大寒」が過ぎると春の初めとなる「立春」に進むこともあり、冬から春へ季節が変わっていく時期でもあるといえるでしょう。

「大寒」の時期は1年の最低気温が記録されることが多い

気象庁が行っている過去の観測データによれば、最高気温が最も低い日と最低気温が低い日、どちらもほとんどが「大雪」の時期に観測される傾向にあります。日本においては、日本海側では大雪による被害が心配される時期です。また、太平洋側では空気が乾燥した日が続きますが、雪に見舞われることもあります。

「大寒」の時期に行われる行事は?

「寒仕込み」

「寒仕込み」は「かんじこみ」と読み、味噌や醤油、日本酒などの仕込みを「大寒」の時期(=寒の時期)に行うことです。日本酒の場合は「寒造り」とも呼びます。

「大寒」の時期は寒さが大変厳しいため、空気中の雑菌が少ないという利点があります。また、寒い時期に仕込みを行うことで腐敗も防ぎ、発酵や熟成をゆっくりと進めることが出来ます。特に昔は温度管理や品質管理も十分ではなかったため、この時期に仕込みを行うことが最適だったのでしょう。

「寒仕込み」を経て作られた味噌や醤油・お酒は美味しいとされており、空調設備が整った現代においても、その技法を継承しているところが多くあります。

「節分」

「大寒」に行われるもっとも有名な行事が「節分(せつぶん)」です。「大寒」の次の二十四節気「立春」の前日が「節分」にあたり、現在の暦では2月3日もしくは4日に行われます。

「節分」は”季節を分ける”という意味で、昔から季節の変わり目には邪気が入り込むとされていました。その邪気を追い払うという意味で「節分」の行事が行われています。

「節分」の日の夜には”福は内、鬼は外”と唱えながら煎り大豆をまきますが、これは厄払いのため。また、ヒイラギの枝にイワシの頭をさしたものを玄関の戸口に飾るのは、邪気を追い払うためとされています。

「大寒」の時期に旬を迎える食べ物は?

「小松菜」

「大寒」の時期に旬を迎える食べ物のひとつが「小松菜(こまつな)」です。小松菜は通年お店で見かける野菜ではありますが、本来は秋から冬にかけての季節が旬。冬に採れる野菜ということから「冬菜」「雪菜」とも呼ばれています。

原産は中国ですが、江戸時代に小松川(現在の東京都江戸川区周辺にあたる)で栽培されていたことから、小松菜と名付けられました。小松菜にはカルシウムやビタミンK、鉄、食物繊維など栄養素が豊富に含まれており、特にカルシウムの含有量はホウレンソウの3倍以上にもなります。

「りんご」

「りんご」も「大寒」の時期に旬を迎える食べ物です。こちらも一年中目にする機会が多いため、旬の時期のイメージがわかない方も多いかもしれません。品種改良が進んだことにより、一年中さまざまな品種のりんごを楽しめますが、一般的には旬は秋から冬にかけての11月~2月とされています。

りんごはむくみを解消するカリウムや美白によいとされるビタミンC、抗酸化力のあるポリフェノールなど、美容効果が期待できる栄養分を豊富に含む果物です。また不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方がふくまれていることから、便秘の解消・腸内環境の改善が期待できます。

「大寒」の時期に見ごろを迎える花は?

「フクジュソウ」

「フクジュソウ」はキンポウゲ科の多年草です。漢字では「福寿草」と書き、俳句では新年の季語として用いられています。花の色は鮮やかな黄色が一般的ですが、白や赤などの色の花を咲かせる品種も存在します。

フクジュソウは古くから”春の訪れを告げる花”とよばれており、「元日草(がんじつそう)」や「朔日草(ついたちそう)」の別名を持つ花です。お正月にフクジュソウの鉢植えが販売されることも多く、新年を祝う花として知られています。

「梅」

「梅」は古くから日本で親しまれてきた花で、フクジュソウと同様に”春の訪れを告げる花”とされています。もともとは中国原産の花ですが、奈良時代にはすでに日本で栽培されていました。

花の色は白や赤、ピンクなどがあり、甘い香りがあるのが特徴的。鉢植えや盆栽にも向いています。

まとめ

「大寒」は二十四節気の第24番目にあたり、時期は例年1月20日から2月3日ごろです。「大寒」の意味は「もっとも寒さが厳しい時期」ですが、時期の中には時折温かい日が訪れることもあります。「大寒」が終わると春の初めとなる「立春(りっしゅん)」に進むため、冬から春へと季節が変わっていくことを実感できる時期ともいえます。