「マーク・トウェイン」はどんな人物?生涯や作品・作風も紹介

アメリカの代表的な作家「マーク・トウェイン」とはどんな人だったのでしょう。彼の名前は知らなくても、彼の代表作『トム・ソーヤの冒険』という本のタイトルは知っている、という人は多いことでしょう。「マーク・トウェイン」の生涯とその代表作品について紹介します。

「マーク・トウェイン」とは?

「マーク・トウェイン」とはアメリカの代表的な作家

「マーク・トウェイン(Mark Twain、1835年~1910年)」とは、アメリカ合衆国ミズーリ州出身の作家です。本名は、サミュエル・ラングホーン・クレメンズ(Samuel Langhorne Clemens)と言います。「マーク・トウェイン」という名前は、蒸気船が通行できる浅さの限界値を表す「by the mark, twain(水深約3.6m)」に由来するそうです。

マーク・トウェインは、アメリカの代表的な作家のひとりです。たとえば、アメリカ文学の巨匠、「ウィリアム・フォークナー(William Faulkner、1987年~1962年)」は、彼を「真のアメリカ人作家」と称えたという話は有名です。ほかにも、「アーネスト・ヘミングウェイ(Ernest Hemingway、1899年~1961年)」も自身の著書でマーク・トウェインについて言及しています。

「マーク・トウェイン」の代表作は『トム・ソーヤーの冒険』

マーク・トウェインを語るうえで欠かせない作品が『トム・ソーヤーの冒険』(1876年)です。マーク・トウェインが幼少期を過ごしたミシシッピ川沿いの町と、そこで出会った人々がモデルとなっています。1980年には日本でもテレビアニメ化され、多くの子どもたちを惹きつけた作品です。

この『トム・ソーヤーの冒険』は、その続編として書かれた『ハックルベリー・フィンの冒険』(1885年)と併せて、マーク・トウェインの代表作となっています。

「マーク・トウェイン」は記者として旅行体験記も執筆

『トム・ソーヤーの冒険』はマーク・トウェインの作家としての地位を確立した作品として知られていますが、それ以前には旅行記も執筆しています。

マーク・トウェインは、小説家として大成する以前に、サンフランシスコで新聞記者として働いた経験を持ちます。その際のハワイ滞在を題材とした『ハワイ通信』(1866年)やヨーロッパ旅行記である『無邪気な外遊記』(1869年)などは、いずれも評判を得た作品です。小説家としてベストセラー作家になった後にも、こうした旅行記も発表しています。

「マーク・トウェイン」の作品は社会風刺的なのが特徴

マーク・トウェインの作品は小説から旅行記まで多様ですが、社会風刺的な作品が多いのが特徴と言われています。

たとえば、『トム・ソーヤーの冒険』は少年の冒険記を描いた作品ですが、その続編として発表された『ハックルベリー・フィンの冒険』は人種差別問題を絡めるなどメッセージ性の高い作品です。また、特にその晩年には、ペシミスティック(厭世的)な作風が強まったとも言われています。

文豪「マーク・トウェイン」の生涯とは?

浪費や株で破産経験あり、印税で借金返済の過去も

『トム・ソーヤの冒険』でベストセラー作家としての地位を確立したマーク・トウェインですが、実は、私生活では大変な浪費家としても知られています。継続的にベストセラーとなるような作品を発表しているにもかかわらず、株や発明への投資などで莫大な資産も減少の一途をたどり、1894年に破産します。この借金返済のために、世界中で講演活動を行ったり、旅行記の印税をすべて返済に充てたりと精力的に活動したそうです。

「マーク・トウェイン」の死因は病死、ハレー彗星とも関連?

マーク・トウェインは生前、自らの死期について「自分はハレー彗星とともに現れたので、ハレー彗星とともに去るだろう」と述べていました。彼が誕生した1835年はハレー彗星が観測された年だったのです。そして、マーク・トウェインは自らの予想通り、ハレー彗星が観測された1910年に亡くなっています。

もちろん、「ハレー彗星とともに去った」のではありませんが、生前のこの発言から、「自殺では?」と勘繰られることがあるようです。なお、マーク・トウェインの死因は病死とされています。

「マーク・トウェイン」の主な作品とは?

マーク・トウェインの代表作をいくつか紹介します。

マーク・トウェインの代表的な小説

『金ぴか時代』 (1873年)

マーク・トウェインの出世作とされる『金ぴか時代』は、南北戦争後の社会を風刺的に描いた作品です。当時のバブルに踊る人々を批評した作品で、一獲千金を夢見る一家と夢想家な大佐との物語となっています。この小説が元になり、南北戦争後から1880年代あたりを指して「金ぴか時代(金メッキ時代)」と呼ぶこともあります。

『トム・ソーヤーの冒険』”The Adventures of Tom Sawyer”(1876年)

先にも紹介したマーク・トウェインの代表作です。ミシシッピ川のほとりの小さな町における、主人公のトマス・ソーヤー(通称トム)とハックルベリー・フィン(通称ハック)をはじめとした仲間たちの冒険物語となっています。

『王子と乞食』”The Prince and The Pauper”(1881年)

国王家の跡取りとして生まれたエドワードと、貧民層に生まれたトムがひょんなことから入れ替わることになる、という若き国王を題材とした冒険物語です。子どもの視線ながらも、16世紀当時のイングランド社会を痛烈に皮肉った作品として知られています。

なお、「乞食」の表現は差別的との視点から、『王子と少年』という日本語題を使用する例も見られます。

『ハックルベリー・フィンの冒険』”Adventures of Huckleberry Finn”(1885年)

『トム・ソーヤーの冒険』の続編として書かれた『ハックルベリー・フィン』シリーズのひとつで、『トム・ソーヤの冒険』同様にマーク・トウェインの代表作となっています。無邪気な主人公とは裏腹に、当時の人種差別への痛烈な批判がうかがえる作品です。

マーク・トウェインの代表的なエッセイ・旅行記

『ハワイ通信』 “Letters from Hawaii”(1866年)

『ハワイ通信』は新聞記者時代のマーク・トウェインが、新聞に寄稿した旅行記をまとめたものです。旅行記作家としてのマーク・トウェインの処女作とされています。

『人間とは何か』”What is Man?”(1906年)

マーク・トウェインの厭世的な晩年を象徴する作品です。悲観主義者である老人と楽観主義者である青年が、「人間とは何か」という問いに対して議論を交わすという内容で、老人による「人間は自己中心的で欲望にあふれている」という強い主張が描かれています。

まとめ

『トム・ソーヤーの冒険』をはじめとしたベストセラー作家「マーク・トウェイン」は、アメリカを代表する作家です。子どもが楽しめる作品を残している一方で、人種差別批判や社会的なメッセージ性のある作品も多いのが特徴で、特に晩年は厭世的なテーマで執筆したことでも知られています。大人になって読むからこそ気づけるメッセージもあるかもしれません。