「汎用性」の意味とは?類語・対義語や「凡庸性」との違いも解説

「汎用性」という言葉は、商品の説明などでよく用いられています。機材を導入する場合などにも「汎用性が高くて便利」とすすめられることもあるように、いろいろなことに使い回せることを指しているようです。この記事では、「汎用性」の意味と類語・対義語のほか、「凡庸性」との違いについても解説しています。

「汎用性」とは?

「汎用性」の意味は”いろいろなことに使える性質”

「汎用性」の意味は、“いろいろなことに使える性質”です。熟語の「汎用」に、そのものが持つ性質や傾向を表す「性」がついて成り立っています。「汎用」はひとつだけに限らず、さまざまなことに幅広く活用できることを指しています。

「汎」という文字には「ひろい」という意味があり、能力や働きを表す「用」をともなって、ひとつのものがさまざまな用途に幅広く使えることを指す言葉になっています。

「汎用性」の読みは”はんようせい”

「汎用性」の読み方は“はんようせい”です。

「汎用性が高い・低い」と人に対しても使える

「汎用性」は、「汎用性コンピューター」や「汎用性が高いスキル」などのように物や技能に対して使われることが多い言葉です。

しかし「彼は汎用性が高い人材だ」というように、人そのものに対して使うこともできます。また一般的に、「高い・低い」「ある・ない」をつけて用います。

「汎用性」の類語とは?

「多機能性」は機能がたくさんあること

「汎用性」の類語として、「多機能性」をあげることができます。プリンターを例にあげると、一つの機械で印刷のほかにスキャンやコピーのほかFAXとしても機能するものがあります。

家庭用としては、印刷だけに特化したプリンターではなく、その他の機能も併せ持つ多機能タイプの複合機に人気があるようです。

「多用途性」は使い道がたくさんあること

「多用途」は、使い道がたくさんあることを指す言葉です。「多用途」には、そのものに多くの機能が備わっているケースと、機能はシンプルでも使い道がたくさんあるケースの2つが考えられます。

手帳を例にあげると、カレンダーやスケジュール欄だけでなくタスク管理や電話帳など多くの用途に対応できるタイプと、どのようにでも使うことができるシンプルな無地やドットだけのタイプがありますが、どちらも「多用途」に使えるものです。

「万能性」は「汎用性」よりハイレベル

「万能性」も「汎用性」の類語で、あらゆる物事に対応・処置できることやその程度の度合いを指す言葉です。

「万能性」の場合、あらゆることに対応できることに加え、対応の程度が優れていることも必要です。したがって、「汎用性」より高度で緻密な対応レベルが求められます。

「汎用性」のカタカナ語の類語とは?

「マルチ」は「多種」「多数」ということ

「マルチ」は「汎用性」の類語として使うことができるカタカナ語です。「マルチタレント」や「マルチチャンネル」というように、単語の頭について「多種」「多数」「複数」という意味を加えるためにも用いられます。

また、「マルチに活躍する」「マルチな用途がある」という使い方もでき、「マルチ」そのものが汎用性を持つ言葉です。

「オールラウンド」はまんべんなく対応できること

「オールラウンド」は、英語の all-roundをカタカナ読みしたもので、広い範囲でまんべんなくこなせることを指す言葉です。

分かりやすい事例として「オールラウンドプレーヤー」がありますが、さまざまなポジションやプレイに対応できる選手のことを指します。したがって「オールラウンド」は、さまざまなことに対応できる「汎用性」に近い言葉です。

「オールマイティー」は何でもできること

「オールマイティー」は何でもできることを表すカタカナ語で、英語の「almighty」をカタカナ読みした言葉です。

本来の英単語の意味は、全てにおいて完全な能力という強い意味合いがあり、トランプゲームで最強のカードであるスペードのエースも指しています。

カタカナ語では気軽に使える「オールマイティー」ですが、英語ではかなり強い意味になるため注意が必要です。

「汎用性」の対義語とは?

「専門性」は狭いけれど深い

「専門性」は特定ものを対象とした、高さや深さがある知識や経験を持っている傾向や性質のことです。

「専門性」はごく限られた範囲のものを対象に発揮されるもので、幅広く利用できる「汎用性」とは反対の意味を持っており、対義語として使うことができます。

「汎用性」と「凡庸性」との違いとは?

「凡庸性」は平凡な傾向や性質のこと

「凡庸性」は「ぼんようせい」と読み、「汎用性」と音が似ています。また「凡」と「汎」のつくりは同じ文字でもあるため、意味も似ているのではないかと考えがちですが、全く別のものです。

「凡」「庸」ともに「普通・並」という意味があり、ふたつ合わさって「とりえがない」「目立った特長がない」傾向や性質を指す熟語になります。したがって「凡庸性」は、さまざまなことに適用可能な「汎用性」と全く違う言葉です。

まとめ

「汎用性」の意味と類語・対義語や、「凡庸性」との違いについて解説しました。汎用性を極めたものとしてスマートフォンが挙げられますが、電話として使いやすいかどうかは微妙でしょう。また、どの機能も凡庸なものになってしまうことも考えられます。

「汎用性」を高めすぎて、本来の性能がそこなわれてしまったり特徴がなくなってしまったりしては本末転倒となるため、注意が必要です。