私的な手紙とは違いビジネスでの封筒は、A4サイズのほか横書きのものも多くみられます。会社宛ての場合には、法人格や敬称などを間違えると失礼にあたるため、正しい書き方を知っておくことが大切です。この記事では、ビジネスや就活で必須のA4サイズ封筒のほか、横書き封筒の書き方についても解説しています。
ビジネス文書での封筒の書き方とは?
封筒の書き方①A4サイズも長3封筒も「宛名は縦書き」が原則
ビジネス文書での封筒の書き方は、宛名は縦書きが原則です。ビジネス関連でよくみられる封筒のサイズは、履歴書やエントリーシートなどのA4サイズの用紙を折らずに入れることができる角2封筒や、3つ折りにしたA4サイズの紙が入る長3封筒となっています。
通常は会社や部署で宛名のフォーマットが用意されているため、それに従っておけば問題ありません。また、宛名ラベルを用いるときは主に横書きで印刷します。しかし、これら以外のケースでは縦書きすることが原則です。
封筒の書き方②封筒のレイアウトは差し込み文書機能で
パソコンやプリンターの普及によって、ビジネス文書を手書きする機会はほとんどなくなりました。封筒の宛名書きにおいても差し込み文書機能を用いれば、住所データの取り込みからレイアウトまでほぼ自動で行うことができます。
封筒のサイズや縦書き・横書きなども自由に選ぶことができて便利になった一方、いざ自分で手書きしなければならなくなったときにどう書けばよいのか悩んでしまうという方が増えているようです。
封筒の書き方③会社名や住所は略さない
ビジネスシーンで封筒に会社名を書く場合、法人格の「株式会社」を(株)などと省略することは避けてください。会社名の前後いずれに付けるかを間違えることは大変失礼にあたるので、よく確認する必要があります。
住所についても都道府県から書き始め、ビル名や階数なども略さずに書き込みます。なお、「丁目・番」は「-(ハイフン)」で代用しても構いません。
封筒の書き方④長い役職名は名前の右側に小さく
ビジネスシーンで封筒に役職名を書く時、相手の役職名が4文字以下の場合は、名前の上に小さく書きます。カタカナでよくみられる長い役職名は、名前の右側に小さめの文字で書き添えるようにしてください。個人名での敬称は「様」を用いますが、名前がわからない場合には役職名か「ご担当者様」とします。
なお、役職名のあとには「様」をつけません。たとえば、「営業部長様」というように書いてしまうと誤りとなるのでご注意ください。
手書きでも迷わない封筒の書き方とは?
宛名書きのコツは「名前から書き始めること」
封筒の宛名を手書きで書くときには、名前や会社名から書き始めると見栄えよくレイアウトが決まります。封筒の中央部に相手の名前・会社名を書いてから、その右側のスペースに住所を書くようにすればうまく収めることができるのです。
この原則は、A4サイズの封筒から定型の封筒までオールラウンドに適用できます。なお、縦書きするときの数字は漢数字を用いることが基本です。たとえば「150号室」は「百五十号室」ではなく「一五〇号室」のように書きます。
横書きでも名前から書き始める
洋封筒を使って横書きするときも、まず相手の名前や会社名から書き始めることがコツで、まず封筒の中央部に名前や会社名を書きます。
郵便番号の枠がない洋封筒の場合は、住所の上に郵便番号を書き改行して住所を続けますが、切手を貼る位置は右上です。切手の向きは宛名が読める方向にそろえて貼ります。
封筒の裏は小さめの文字で
封筒の裏側には差出人の住所や会社名・名前を小さめの文字で書きます。なお、葬儀などの弔事において洋封筒で縦書きする場合、開封口を左側にして右側に差出人の住所などを書くようにしてください。
洋封筒で縦書きする場合には、封締めを書きます。通常は「〆」「封」「緘」などを、慶事には「寿」「賀」を用いるとよいでしょう。
英語では差出人名・住所は表に
エアメールなどアメリカなどへ送る封筒の書き方には、日本での洋封筒とは異なった決まりがあります。最大の違いは差出人の名前と住所を表の左上に書くことです。
宛名を書く順番も日本とは異なり、最初に名前を書いてから住所を続けます。住所は「建物・部屋番号」「番地」「町」「群市」「県・州」「郵便番号(ZIP CODE)」「国」のように書き進めてください。
就活で必要となる封筒の書き方とは?
エントリーシートなどの書類名は「封筒の表側」に明記
エントリーシートや履歴書などの就活書類は、折らずに入る定型外の封筒を用います。封筒の書き方は通常のビジネス文書と同様ですが、受取人が事務処理を行いやすいように、就活での書類が入っていることを明記しておくことが必要です。
この場合には「応募書類在中」「履歴書在中」というように、書類名のあとに「在中」と続けます。就活書類を送付する封筒は縦書きが原則で、書く位置は宛名から少し離れたところ、封筒全体からみて左下方が適切です。
市販の履歴書にはあらかじめ赤色で「履歴書在中」と印刷されています。特に赤でなければならないという決まりはありませんが、わかりやすくするため自分で書く場合も赤にする人が多いようです。
発送は郵便局の窓口からがおすすめ
封筒の書き方からは離れますが、就活書類の発送は郵便局の窓口から行うことをおすすめします。就活書類は定形外郵便となるだけでなく重量もかなりあるため、郵便料金がわかりづらいものです。しかし窓口できちんと計量してもらえば、料金不足で書類が戻って来るという失敗を防ぐことができます。
就活書類には応募期限がありますが、料金不足で戻ってきたため期限に間に合わなくなることも考えられます。就活は万全を期して臨みたいものです。
まとめ
ビジネスや就活で必須のA4サイズのほか横書きの決まり事など、封筒の書き方について解説しました。効率が優先されるビジネスの現場では、封筒の宛名をラベルですませることが多くなっています。
しかし、封筒を個別に書いたり手書きしたりすることがなくなったわけではありません。正しい封筒の書き方を知っておけば、いざという時にも落ち着いて対応できるでしょう。