「トラフィック」は交通関係の用語でしたが、さまざまな業種で使われるようになった言葉です。業種によって使い方や対象に違いがありますが、もとの意味をおさえておくことで理解しやすくなります。この記事では、「トラフィック」の由来である英語の意味をはじめ、交通やIT、広告業界などでの使い方も紹介しています。
「トラフィック」の意味とは?
「トラフィック」の意味は”交通量”
「トラフィック」の意味は、“交通量”のことです。英語の「traffic」の読みをカタカナ表記した言葉です。英語での意味は、人や車など乗り物の交通・往来とその量で、ほかにも運輸業や貿易、違法な商売などを表す言葉として用いられています。
つまり「トラフィック」とは、人や物の移動・運搬やその量からはじまり、移動や運搬の手段や目的までの広い意味合いを持った言葉といえるものです。
「トラフィック」のIT業界での使い方とは?
IT業界での「トラフィック」の意味はデータ量のこと
「トラフィック」は、交通・運輸業界よりもIT業界でよく用いられる言葉で、通信回線やネットワークを通じて送受信される情報やその量のことを指したものです。
一般的には、ある一定の期間内に流入・処理するデータ量や時間あたりの量に換算したものを「トラフィック」と呼んでいます。通信回路で時間あたりに処理できるデータ量には上限があるため、「トラフィック」が多くなりすぎると通信速度の低下や障害の発生などもみらるようになるのです。
webでの「トラフィック」はアクセス数のこと
webにおいては、データ量だけでなくwebサーバやwebサイトへのアクセス数や閲覧者の流れのことも「トラフィック」と呼びます。
検索エンジンでは閲覧者がどのような言葉で検索しているかを基準に、上位表示するサイトを随時更新しています。これは「検索トラフィック」と呼ばれているものです。
「トラフィックソース」はアクセス元のこと
「トラフィックソース」もIT業界でよく用いられており、どこからアクセスされたかを表している言葉です。「ソース(source)」には「ニュースソース」という言葉からもわかるように、「元・源」という意味があります。
具体的には、動画を視聴するときの再生デバイスであるスマホやパソコンのほか、ルーターやWi-Fiなども「トラフィックソース」にあたるものです。
「トラフィック」の広告業界での使い方とは?
「トラフィックマネージャー」とは仕事を割り振る人
広告業界には、「トラフィックマネージャー」という職種があります。業務内容は、スタッフ全員の仕事量や流れを把握し、滞らないようにうまく割り振ることです。
したがって、「トラフィックマネージャー」で使われている「トラフィック」は、仕事量や流れのことを指しています。
「トラフィック効果」とはクリック数のこと
広告業界での「トラフィック」の使い方として、「トラフィック効果」というものもあります。消費者にweb広告をクリックさせることを指すもので、「クリック数」や「クリック率」で計測できるものです。
消費者に商品やサービスを購入させるためにweb広告を打っているのですが、クリックされない広告は購買意欲をそそることができていないことを表しています。したがって「トラフィック効果」は、良い広告であるかどうかの目安となるものです。
「トラフィック」のアパレル業界での使い方とは?
「トラフィック」とは入店した客数のこと
アパレル業界における「トラフィック」とは、入店した客の数のことを指すものです。「ストアトラフィック」とも呼ばれているもので、日常の業務報告で「今日のトラフィックは〇名」というように使います。
売上は、客が実際に商品を買い上げなければあがりません。しかし、まずは店内に客が入らなければ売上につながらないため、客が入りたくなるような魅力ある店舗づくりを行うことが重要です。
「トラフィック」を使った言葉とは?
「トラフィックカウンター」は車の数を数える機械
高速道路の渋滞状況は、ラジオなどで簡単に入手できます。道路に設置された「トラフィックカウンター」が自動的に画面を横切った自動車台数を数え道路管制センターにデータを送ることで、道路状況を常時把握できるようになっているからです。
交通量を数える装置のことをそのまま英語にすると「トラフィックカウンター」となるため、とてもわかりやすいネーミングといえます。
「トラフィックジャム」は交通渋滞のこと
「トラフィックジャム」とは、交通渋滞のことを指した言葉です。「ジャム(jam)」は”無理やり押し込む・ぎっしり詰め込む”という意味で、交通量がぎっしり詰め込まれた状態になっていることを表します。
なお、パンに付ける「ジャム」は果物を砂糖で煮詰めてつくるもので、「トラフィックジャム」の「ジャム」から派生したものです。
まとめ
「トラフィック」の基本的な意味と、ITや広告業界などでの使い方の違いについて紹介しました。「流れる量」というイメージが「トラフィック」のベースですが、流れる物の違いによって使い方が変わってくるのです。
「トラフィック」が増えることは活動が活発であることの表れですが、多すぎて対応できなるなるとかえってチャンスを失うことにもなりかねません。「トラフィック」は仕事全体をみてこそ、活用できるものなのです。