「明朗会計」の意味と「明瞭会計」との違いは?使い方や類語も解説

「明朗会計」とうたっている飲食店は、安心して利用できそうに感じられます。しかし、「明朗」とは具体的にどのようなことを指しているのかと聞かれると、即答はできないかもしれません。この記事では、「明朗会計」の意味と「明瞭会計」との違いをはじめ、語句の使い方や類語・対義語についても紹介しています。

「明朗会計」の意味とは?

「明朗会計」の意味は不正がない勘定のこと

「明朗会計」とは、商品やサービスに対して支払う金額に不正やあいまいな部分がない勘定のことです。

「明朗」は、性格が明るく朗らかなこと・様子を指す用法と、内容がはっきりとしており嘘やごまかしがないこと・様子を指す用法がありますが、「明朗会計」における「明朗」は後者の意味合いで使われています。

勘定は本来「明朗会計」であるべきもの

利用したサービスや購入した商品の代金の請求には、不正やあいまいな部分がないことが当然です。したがって、会計にいちいち「明朗会計」とただし書きを入れる必要はありません。

安心して利用できることが集客につながることは、近年の葬儀業界をみても明らかでしょう。しかし、怪しい店ほど「明朗会計」をうたっている傾向が高いことは残念です。

「明朗会計」の特徴は明細にごまかしがないこと

「明朗会計」では、請求された金額の内訳にあいまいな部分があってはなりません。そのため、誰が見ても何にいくら使ったかがよくわかるように記載された明細が添付されることが一般的です。

しかし、一部の寿司店やスナックなどでは「時価」のほか、チャージ料やサービス料などの名目で高額な料金を請求されることもあるようなので、明細がはっきりしていれば「明朗会計」であるとは限りません。

「明朗会計」の使い方と例文

「明朗会計」は商売だけに限らない

「会計」とは金銭収支の記録を指す言葉で、この場合にはお小遣いから会社の簿記会計まで幅広く網羅するものです。

もうひとつ「会計」には代金の支払いという意味もあり、「明朗会計」は両方に対して用いられます。そのため「明朗会計」は商売上の会計だけでなく、個人的な金銭のやり取りについても使われるのです。

「明瞭会計」は誤り

「明瞭」とは、はっきりしていてわかりやすいことを表した言葉です。そのため、「明朗会計」の類語として「明瞭会計」という言葉があってもよさそうに感じられるかもしれませんが、実はありません。

それは「明瞭」にうそやごまかしがないという意味合いがなく、単に内容が明らかであることを指しているからです。したがって、不当に高額なチャージ料やサービス料が「明瞭」に記載されている勘定書きは、「明朗」ではないということになります。

「明瞭」と「明朗」の違いは、頭に「不」をつけてみると一層分かりやすくなります。「不明瞭」が細かいところがはっきりとしないことを指していることに対し、「不明朗」は嘘やごまかしやなど悪意を感じさせるものがあることを指す言葉です。

「明朗会計」であれば記載内容のすみずみまで明らかであることに加え、嘘やごまかしなどのような悪意を感じる部分がないため、気分よく支払うことができます。

「明朗会計」の使い方の例文

  • 接待に利用する飲食店は、明朗会計であることが必要だ。
  • 明朗会計を常に心掛けることで、我が社は多くの顧客から信用を勝ち得ている。
  • 費用の内訳がわかりづらかった葬儀会社だが、明朗会計をアピールするところが増えた。
  • 政治資金にこそ明朗会計が求められているが、不祥事はなくならないようだ。
  • 明朗会計を大々的にうたっている店だが、この明細を見る限り信用できない。

「明朗会計」の類語

「明朗会計」の類語は公正な会計

「明朗会計」の類語としての明確な熟語は、見当たりませんでした。そこで「明朗」な会計と似た意味合いになる語句を探してみたところ、「公正」「適正」「正当」などがあてはまるようです。

  • 公正:かたよりがなくて正しいこと
  • 適正:適していて正しいこと
  • 正当:正しくて真っ当なこと

いずれも嘘やごまかしなどがなくて正しいという意味合いがベースになっているもので、「明朗」と同じ意味を表しています。

「明朗会計」の対義語

「明朗会計」の対義語は「ぼったくり」

世間でよく用いられる「明朗会計」の対義語は、「ぼったくり」です。「ぼる」は「暴利」が由来の言葉で、不当に高い料金を取られることを指します。

なお、「明朗」の対義語には「憂鬱」「陰鬱」などがあります。いずれも心が晴れ晴れず重苦しい様子のことを表している言葉ですが、「憂鬱会計」や「陰鬱会計」という言葉は存在しません。

まとめ

「明朗会計」の意味と「明瞭会計」との違いのほか、語句の使い方がわかる例文や類語・対義語を紹介しました。

会計の不正操作は、苦労する割にあっさりと明るみに出る事例が多いようです。適切な会計を行い本来の業務に専念しておけば間違いありません。