「結果」とは、最終的な帰結点のことを指して用いられ、好ましい結末以外にも使用可能です。この記事では「結果」の意味と使い方に関して解説します。「成果」との違いや類義語・対義語についても紹介しましょう。
「結果」の意味と使い方とは?
「結果」とは最終的な帰結点のこと
「結果(けっか)」のよく使われている意味合いは、最終的な帰結点のことです。「結果」という熟語を構成している二つの文字が共通して持っている「終わり」という意味から、ある原因や行為の終わりに生じる結末や状態のことを指しています。
なお、この場合「結果」の内容については問われないため、良い状態に対しても悪い状態に対しても使うことができます。
- 今回の結果を真摯に受け止め、今後の課題といたします
- 結果の如何を問わず、これからも精進を続ける所存です
「結果」には「優れた業績」という意味も
「結果」には、「優れた業績」という意味もあります。これは、「果」という文字が持つ「成し遂げる」という意味合いが表れたものです。
ある原因や行為の終わりに実りあるものが生じるという意味になり、「結果」の内容が優れたものであることを表しています。
ご支援を頂いたにもかかわらず、結果を出せなかったことをお詫びいたします。
「結果」には結末を示す副詞的用法も
「結果」は、文中で結末を示す際に副詞的な働きをすることもできます。本来「~した結果」や「結果として」としていたものから、前後の「~した」や「として」が抜け落ちて「結果」のみ単独で使う形となったものです。
この用法における「結果」の内容は後続の文中で示されていることから、「結果」は結末を導く役割を果たしているといえます。
なお、「結果として」という意味合いの「結果」は口語的な用法であるため、ビジネスの場や目上の方に対して使うことは避けたいものです。
- チームが一つにまとまった結果、優勝を勝ち取ることができた
- 面倒なことは先送りしていました。結果、ご迷惑をお掛けしてすみません
「結果」は植物が結実すること
「結果」は、草や木が実を結ぶことも表しています。この場合の「結」は結ぶことを、「果」は「果実」のことを指すもので、熟語を読み下した「実を結ぶ」がそのまま意味を表したものです。なお「結実」は、努力の末に得られる良い成績や業績などのことを指しても使われています。
雨が多く日照が不足したことから、ぶどうの結果が遅れている。
「結果」は古語でお菓子の意味も
古語の「結果」は「かくなわ」と読み、小麦粉を練ってひも状にしたものをねじり絡めて形成して揚げたお菓子のことを指しています。
もともとは香菓を指す「かく」と、ひものことを指した「泡緒(あわお)」を指す「あわ」があわさった「かくのあわ」と呼ばれていたものが、音が変化して「かくなわ」となりました。このお菓子の形状から、心が乱れることや乱戦の場面を「結果(かくなわ)」と表現します。
「結果」と「成果」の違いとは?
「成果」は好ましい「結果」のこと
「成果(せいか)」とは、行為・行動の結末に生じる好ましい「結果」のことを指して用いられる言葉です。「成果」は努力を重ねた結果、目覚ましい業績やすぐれた成績を残すことができたような場合に使い、失敗したり期待どおりにいかなかったりしたような場合には使うことができません。
一方「結果」には、結末の良し悪しを問わない用法と、良い結末を指す用法があります。したがって、「成果」を「結果」の言い替えとして使うことができるのは後者のみです。
「成果」は過程も評価の対象になる
「成果」は最終の帰結点のみではなく、そこに至るまでの過程や経験についても評価の対象に含まれます。そのため、結果が失敗でも過程において評価ができるような経験やデータが得られた、とみなされる場合には「成果」があったと判定されることがあるのです。
一方、「結果」は最終的な帰結点が客観的に判断されるものであり、途中経過の評価のような主観的なものの見方は含まれません。
「結果」の類語(類義語)や言い換え
「結論」とは議論の末にまとめた結果を述べること
「結論(けつろん)」とは、議論や思索の末にまとめた結果を述べることや、その内容のことを指した言葉です。
また、推論において前提から導き出された命題のことも指しています。つまり、何らかの考察や判断を経て導き出された「結果」が「結論」であるということです。
「結局」とは紆余曲折を経た結末のこと
「結局(けっきょく)」とは、紆余曲折を経た結末のことです。「結局」には「結果」のように原因となるものが特になく、いろいろな経過の末に落ち着いた結末のことを指します。
「結局」はもともと、囲碁で一局打ち終えることを言う言葉でした。ここから「ものごとの終わり」を表す言葉として、広く使われるようになったものです。
「結果」の対義語や反対語
「原因」はものごとを引き起こす元になるもの
「原因(げんいん)」とは、ものごとや変化などを引き起こす元になるもののことです。「原」は「みなもと」、「因」は「由来・よすが」という意味を持っており、この二つの文字の組み合わせで熟語が構成されています。
なお、「原因」と「結果」のことを合わせた「因果」は、仏教用語の場合「因縁果報」や「因果応報」に由来するもので、ある「結果」には必ず「原因」があるという法則のことを指すものです。
「予想」とは結果について予め見当をつけること
「予想(よそう)」とは、将来起こり得る出来事やものごとの結果・成り行きなどについて、予め見当をつけることや見当した内容のことを表した言葉です。
「予想」は文字通り「予め」「想定する」という意味ですが、「想」が心の中で思いを巡らせることを表していることから、客観的な根拠に欠ける傾向がみられます。そのため「予想」は、「当たった」あるいは「外れた」という意味合いの言葉とともに使わることが一般的です。
まとめ
「結果」の意味と使い方について、「成果」との違いや類語・対義語などを含めて紹介しました。「結果」は客観的な指標ですが、内容の見方によっては「成果」と呼べる場合もあります。したがって、好ましくない「結果」であっても建設的に活用することが可能です。