「橙色」とはどんな色?由来やオレンジ色との違いと薄橙色も紹介

「橙色(だいだいいろ)」とは、オレンジ色と同色とされる日本の伝統色です。健康的なイメージがある、ビタミンカラーのひとつとされています。

この記事では、「橙色」の特徴やカラーコード、英語表現などを紹介します。また、「オレンジ色」との違いや「薄橙」などの関連色についても解説しましょう。

橙色とはどんな色?

橙色とは「鮮やかな黄赤色」

橙色とは、橙の皮のような鮮やかな黄赤色(黄色と赤の中間)です。「橙」は常用漢字ではないため「だいだい色」と書いたり、同色とされる「オレンジ色」を使うのが一般的です。

色名として使われ始めたのは明治時代です。伝統色の中では、比較的新しい色になります。

「橙色」の意味はミカン科「橙」に由来

「橙色」の由来は、ミカン科の橙(だいだい)という果物です。正月飾りに使う果物としても有名です。

橙は冬に実を落とさず、熟したまま越冬します。その様子から「子孫繁栄」の意味を持つ縁起物として、正月飾りに用いられるようになりました。名前も「代々」から「だいだい」になったと考えられています。

「橙色」の読み方は「だいだいいろ」

橙色の読み方は「だいだいいろ」です。「とうしょく」も正しい読み方なのですが、あまり浸透していないため驚かれるかもしれません。

「橙色」のカラーコードは「#EE7800」「#F08300」

橙色をカラーコードで表す場合、数値は統一されていません。「#EE7800」「#F08300」のように幅があります。

カラーコードとは、色を「6桁の16進数」で表したものです。前から2桁ずつ赤、緑、青の順番になっています。

橙色とオレンジ色の違いとは?

「橙色」は「オレンジ色」に言い換えられる

「橙色」と「オレンジ色」は区別されないことが多く、色彩規格でも同色とされています。「橙」は常用漢字ではないため、「橙色」を「オレンジ色」と言い換えることも多いです。

区別する場合の違いは「赤みの強さ」

橙色とオレンジ色を区別して使う場合、違いは「赤みの強さ」です。橙色の方が、オレンジ色よりもわずかに赤みが弱くなります。

「橙色」のほうが古風でフォーマルなイメージ

「橙色」と「オレンジ色」は同色ですが、言葉のイメージに違いがあります。「橙色」の方が、フォーマルで伝統的なイメージが持たれます。古風なイメージもあるため、日常会話にはあまり向かないかもしれません。

「オレンジ色」は若々しく、おしゃれなイメージがあります。幅広い年代に親しまれている色名のため、会話でも使いやすいでしょう。

「橙色」の種類や別名とは?

「蜜柑色」は「橙色」の別名として使う

「蜜柑色(みかんいろ)」とは、橙色よりも黄色みが強く、赤みが弱い色です。よく似ているため、区別されず同色のように扱うこともあります。

由来は「温州みかんの皮の色」です。温州みかんが普及した明治時代から使われている色名です。

「薄橙色」は肌色の言い換えに使える

「薄橙色(うすだいだいいろ)」とは、淡い橙色です。絵具や色鉛筆の画材によく採用されています。

以前は薄橙色ではなく「肌色」という名前で使われていました。しかし「肌の色をひとつに決めるのは差別的では」という声から、「薄橙(ペールオレンジなどの別称も)」に言い換えることが一般的になっていきました。日本では2,000年頃から変更され始めています。

海外でも同様の動きがあり、アメリカでは肌色に相当する色名「flesh」を「peach」に変更しています。

「赤橙色」は橙色より赤みがかっている

「赤橙色」とは、赤みを強くした橙色です。読み方は「せきとうしょく」または「あかだいだいいろ」になります。

橙色と違い、どちらが主流の読み方とするかは定まっていません。一般的な辞書で分野を問わず紹介する場合は「せきとうしょく」、伝統色として紹介する場合は「あかだいだいいろ」が使われやすいようです。

「橙色」の雑学

「橙色」は英語で「orange」

橙色の英語表現は「orange」です。カタカナ語の色名「オレンジ色」の由来です。果物のオレンジと明確に区別したい場合は「orange colored」が良いでしょう。

orangeの語源は、果物のオレンジです。オレンジがヨーロッパで広まるまでは「geoluhread(黄色がかった赤)」が使われていました。

「橙色」は健康的でにぎやかなイメージ

橙色は、柑橘類のようなビタミンカラー(柑橘類にビタミンCが豊富なことから)ともいわれます。そのため「健康的なイメージ」や「陽気でにぎやかなイメージ」を持つ人も多いでしょう。

橙色一色では「大衆的なイメージ」もあるため、お得感を表す際によく使われています。配色によっては、高級なイメージにすることも可能です。

「橙色」に関連するバースデーカラー

「橙色」はバースデーカラー(誕生色)になっていませんが、オレンジ色の派生色がバースデーカラーになっています。例えば、3月12日は「オレンジバーミリオン」、10月3日は「キャロットオレンジ」がバースデーカラーです。

まとめ

「橙色」よりも「オレンジ色」を使うことが一般的です。現在では「橙色」よりも、肌色の言い換えに使う「薄橙色」の方が見慣れていると感じる人が多いかもしれません。

ただし、色自体はポジティブなイメージが強い人気カラーです。ぜひ「橙色」を効果的に使ってみてください。

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