「菫色(すみれ色)」とは青みがかった紫色のことで、6月2日生まれの誕生色です。似た色には「紫色」や「白菫色」がありますが、違いがわからない人もいるでしょう。
この記事では、「菫色」の意味やカラーコード、紫色・白菫色との違いを解説します。あわせて、菫色の宝石や英語・フランス語表現も紹介しましょう。
「菫色(すみれ色)」の意味とは?
「菫色」の意味は「青みがかった紫色」
「菫色(すみれ色)」とは「青みがかった紫色」を意味します。一般的な紫色よりも青みが強いのが特徴です。また、菫色は日本で古くから使われていた伝統色の1つで、上品な印象を与えます。
「菫色」のカラーコードは「#7159A6」
「菫色」のカラーコードは「#7159A6」です。カラーコードとは、指定の色を指すときに使われる用語のことで、シャープと6桁の16進数で表されます。
ちなみに、菫色の類似色には落ち着いた青紫色の「スイートピー(#7955AC)」や、江戸時代に流行した「江戸紫(#6D5498)」が当てはまります。
「菫色」の補色は「松葉色」「老竹色」
「菫色」の補色は「松葉色(まつばいろ)」や「老竹色(おいたけいろ)」です。どちらも黄みがかった緑色で、菫色と一緒に使うとそれぞれを際立たせる配色になります。
「菫色」は6月2日の誕生色
「菫色」は6月2日の誕生色です。色言葉には「気まぐれ」や「チャーミング」がつけられており、気高くこびない性質をもつと言われています。
「菫色(すみれ色)」の由来とは?
「菫色」の由来はスミレの花弁にある
「菫色」は植物のスミレに由来します。スミレの花弁と色が似ていることから「菫色」と名付けられました。平安時代には、平安装束の色の1つとして使われています。
当時は「菫色」ではなく、「菫菜(すみれ)」や「壷菫(つぼすみれ)」と呼ばれており、身分の高い限られた人のみが使用していた色です。
「菫色」は明治以降に広まった色
平安時代から色の1つとして親しまれていた菫色ですが、世間に広まったのは明治以降です。海外から入ってきた「バイオレット」の和訳として「菫色」が使われました。その鮮やかな紫色から、人々に親しまれるようになったとされています。
「菫色」と「紫」「白菫色」の違い
「菫色」と「紫」の違いは青みの割合
「菫色」と「紫」の違いは青みの割合です。紫は青と赤の中間に位置する色味ですが、菫色は青みの割合が多い色味となっています。
また、紫は色の系統を指す単語としても使われ、「菫色」や「ラベンダー色」も紫の1種に数えられます。
「菫色」と「白菫色」の違いは濃さ
「菫色」と「白菫色」の違いは色の濃さです。菫色は青みの強い紫色を表し、白菫色は薄い紫色を表しています。白菫色も紫の1種ですが、どちらかといえば白に近い色味をしています。
また、菫色は平安時代から装束の色目として存在しますが、白菫色は明治以降にうまれた比較的新しい色です。
「菫色」と「ラベンダー色」の違いは灰み
「菫色」と「ラベンダー色」の違いは灰みです。菫色は青みを帯びた紫ですが、ラベンダー色は青みを帯びた紫に灰みが加わった色を指します。2色を比較すると、ラベンダー色のほうがくすんだ色味をしており、柔らかな雰囲気をもちます。
「菫色」の宝石と英語・フランス語表現
「菫色」の宝石は「アイオライト」
菫色の宝石には「アイオライト」が当てはまります。青みがかった紫色が特徴の天然石で、角度によっては青色や黄色に見えることもあります。また、青みがかった紫に透明感が加わった「ヴァイオレットサファイア」や、紫水晶とも呼ばれる「アメジスト」も菫色の宝石です。
「菫色」は英語で「Violet」
「菫色」の英語表現は「Violet(ヴァイオレット)」です。ラテン語でスミレを表す「Viola(ヴィオラ)」が語源であり、「Violet」や「Violet color」と使われるようになりました。また、植物のパンジーの英語表現である「Pansy」も、菫色の英語表現として使われます。
フランス語でも「Violet」と表す
「菫色」のフランス語表現は「Violet」です。英語と同じつづりですが、フランス語では「ヴィオレ」と読みます。また、その他の国でもラテン語の「Viola」が語源となっており、ドイツ語では「Violett(ヴィオレット)」、イタリア語では「Viola(ヴィオーラ)」と表します。
まとめ
「菫色」とは青みがかった紫色を意味します。平安装束の色目として古くから使われていましたが、名前が広く浸透したのは明治以降です。似た色に紫色や白かすみ色があるものの、青みの割合や紫の濃さが異なるため使い分けましょう。
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