「アップルグリーン」とは、青りんごの皮のような黄緑色です。柔らかい色合いが一般的ですが、濃い黄緑色や鮮やかで明るい黄緑だとする意見もあります。アップルグリーンがどんな色なのか、カラーコードやライムグリーンとの違いとあわせて紹介しましょう。
「アップルグリーン」とはどんな色?
「アップルグリーン」とは「柔らかい黄緑色」
アップルグリーンとは黄緑の一種で、くすんだ柔らかい色合いが一般的です。英語表記は「apple green」になります。
「アップルグリーン」のカラーコード
アップルグリーンのカラーコードは「#a2cc89」や「#B0D3A8」などです。
カラーコードとは、色を光の三原色で表したものです。前から2桁ずつ「レッド」「グリーン」「ブルー」の強さを、16進数で数値化しています。アップルグリーンは「緑が最も強い色」ということが分かります。
「アップルグリーン」の補色はくすんだ紫
アップルグリーンの補色は、くすんだ紫色です。名前のある色の場合「ライラック」「菖蒲(あやめ)色」などが近くなります。ライラックも菖蒲色も、同じ名前の花が由来になった色です。
「アップルグリーン」は3月22日のバースデーカラー
アップルグリーンは3月22日のバースデーカラー(誕生色)だとされています。色言葉は「明朗(めいろう)」です。明朗とは「明るく朗らかなこと」、「嘘がなくはっきりしたこと」という意味です。
バースデーカラーは占いの一種のため、占いの考え方によって差が出ています。そのため、アップルグリーンをバースデーカラーにしない考えもあります。
「アップルグリーン」の由来と使用
「アップルグリーン」は青りんごが由来
「アップルグリーン」の由来は「青りんごの皮」です。青りんごは「赤いりんごの完熟前」だと思う人もいるかもしれませんが、それだけではありません。「完熟後に黄緑になるりんご」も青りんごに含まれます。
「鮮やかな黄緑の商品」がアップルグリーンとされることもある
アップルグリーンは色のイメージと定義に差がある色名です。一般的な定義は「くすんだ柔らかい黄緑色」ですが、緑が濃いものや、明るくて鮮やかな黄緑も「アップルグリーン」のイメージに含まれます。青りんごのフルーティーなイメージが、鮮やかな色だと思わせるのかもしれません。
市販の商品の中には、鮮やかな黄緑のものが「アップルグリーンの〇〇」として売られていることがあります。
衣服・コーディネートで合う色は「黒」「ブルー」など
アップルグリーンの服は、色合わせが難しいと思う人が多いようです。黄色と緑色の中間のため「合う色が分からない」と思われがちです。
何色とも合わせやすい「黒」「グレー」を使うと良いと言われています。「黒」は大人っぽく、「グレー」はマイルドなコーディネートになります。有彩色なら、同じ寒色の「ブルー」が合わせやすいでしょう。
時計のバンドや財布など、小物にアップルグリーンを採用するのもひとつの方法です。
「アップルグリーン」に似た色と違い
「ライムグリーン」との違いは「濃さ」
アップルグリーンと似た色に「ライムグリーン」があります。英語表記は「lime green」です。違いは濃さで、アップルグリーンの方が薄い色になります。
「ライムグリーン」は柔らかい黄緑色です。由来は諸説あり、「柑橘類ライムの皮」や「シナノキ科リンデン(古い英語ではライム)の種子」、または両方ともとする説があります。
「ピスタチオグリーン」は更に薄い黄緑色
アップルグリーンよりも薄い黄緑色が「ピスタチオグリーン」です。英語では「pistachio green」と表記します。渋皮を剥いたピスタチオの実の色が由来になっています。
「アップルブロッサム」は似た色ではない
アップルグリーンと名前が似た色に「アップルブロッサム」があります。英語表記は「apple blossom」です。ただし、色としては似ていません。アップルブロッサムは、りんごの蕾のような「くすんだ明るい赤」です。
「萌黄色」はアップルグリーンの和名
「萌黄(もえぎ)色」は、アップルグリーンの和名だとされています。アップルグリーンに似た色ですが、一般的に定義される色よりやや濃い黄緑色です。「若緑(わかみどり)」や「若苗(わかなえ)色」も、アップルグリーンに似た日本の伝統色です。
「アップルグリーン」の雑学
西洋ではりんごと言えば「アップルグリーン」
日本では「りんごと言えば赤」の印象が強いため、「アップルグリーン」に親近感を持てない人もいるかもしれません。しかし、西洋では「アップルと言えばグリーン」が一般的です。そのため、17世紀頃から緑系の色名に「apple」が使われていました。現在でも、「アップルグリーン」のイメージは強く、りんごを使った商品のパッケージデザインは青りんごが主流です。
日本語が「緑りんご」ではない理由
「アップルグリーン」の名前の通り、青りんごは実際には黄緑色で、青くありません。日本語では、青りんご以外にも緑色のものを「青」と表現する習慣があります。(青田、青々とした森など)
「青」と表現する理由は諸説ありますが「古代日本では青の意味が違った」が有力です。かつての「青」は「黒と白の中間の、ぼやけた色」の総称でした。対して「緑」は、色ではなく瑞々しさを表現する言葉でした。色の名前として人々に浸透したのは明治時代頃と言われています。
まとめ
日本では「りんごと言えば赤」のイメージが強いため、アップルグリーンに親近感が持てない人もいるかもしれません。しかし、色自体は人気があり、壁紙などのインテリアや、服、ファッション小物によく使われています。
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