「慶事」の意味は?使い方と慶事一覧や慶事休暇・のしのマナーも

世の中にはさまざまなお祝い事がありますが、「慶事」とはどういったことを指すのでしょう。「慶事」の詳しい意味をはじめ、「慶事」の具体例を紹介します。また「慶事」というワードの使い方・例文や「慶事休暇」「慶事用切手」のほか、「慶事」で知っておきたいマナーについても触れています。

「慶事」の意味とは

「慶事」とは「おめでたいこと、お祝いごと」を意味する

「慶事」とは端的にいうと「おめでたいこと、お祝いごと」という意味です。特に結婚や出産といった大きなライフイベントを指して使うことが多いですが、祝賀すべきことであればその規模の大きさを問わず「慶事」と呼ばれます。

「慶事」の読み方は「けいじ」

「慶事」は「けいじ」と読みます。「慶」の漢字には「よろこぶ、いわう、めでたい」などの意味があります。文字通り「よろこばしいこと」と書いて「慶事(けいじ)」というわけです。

「慶事」と反対の意味は「弔事」

「慶事」とは反対の意味を持つ語は「弔事」です。「弔事」と書いて「ちょうじ」と読みます。

「弔事」とは葬儀などのお悔やみごとを意味します。具体的にいうと通夜や告別式などを含む葬儀のほか、初七日や四十九日の法要までを指すことが多いです。

なお「慶事」と「弔事」を合わせて「慶弔」と表現する例もあります。

英語では「an auspicious event」と表現

「慶事」は英語では「縁起の良い、吉兆の」という意味を持つ「auspicious」を使い、「an auspicious event」と表現することができます。馴染みのある英単語を使うのであれば「a happy event」「a matter for congratulation」などといった表現も可能です。

「慶事」の種類・一覧

婚礼(結婚式)や出産が代表例

「慶事」といえば、まずは結婚式・出産が挙げられます。ライフイベントとも呼ばれる結婚や出産は「慶事」の代表的な例です。また、結婚式のみならず、銀婚式や金婚式といった結婚の節目のお祝いも「慶事」に該当します。

七五三・成人式など成長を祝うもの

出産の後には子どもの成長を祝う様々な「慶事」があります。たとえば、お宮参りやお食い初め、初節句、七五三が良い例です。このほか、入園入学のお祝い、中学高校の進学祝い、卒業祝いなども「慶事」に該当します。

こうした子どもの成長にかかわるお祝いは「成人式」や「就職祝い」まで続きます。

長寿のお祝い

子どもの誕生にはじまる「慶事」は、60歳で還暦を迎えると長寿のお祝いに変わります。長寿を祝う「慶事」は、70歳で古希、80で傘寿、88歳で米寿など年齢に応じた呼び方があります。

ビジネスでは開業祝なども慶事のひとつ

ビジネスシーンにおける「慶事」では、開業祝いが良い例です。事務所・オフィスの移転などもおめでたいこと、新しい門出としてお祝いのお花を贈ることがあります。

「慶事」の使い方と例文

「慶事」の使用例・例文

  • このところ慶事が続いていてなんとなく気持ちも明るくなっている。
  • 慶事と聞くと喜ばしいが、実際には出費が重なり懐事情は厳しい。

「慶事休暇」とは結婚や出産に伴う休暇制度のこと

「慶事休暇」とは結婚や出産に伴う企業の休暇制度のことです。企業が独自に定める休暇のひとつで、就業規則などで規定されます。

たとえば従業員本人が結婚する場合は5日、従業員の子が結婚する場合は2日、配偶者の出産に伴う休暇として2日というように、事例に応じて休暇日数が定められるのが通例です。また、こうした「慶事休暇」には、お祝い金が設定されていることも多いです。就業規則や慶弔見舞金規定などの社内規程を確認してみてください。

「慶事用切手」とは慶事の案内状などに用いられる切手

「慶事用切手」とは「慶事」の案内状専用の切手です。一般には結婚式の招待状に使用します。

「慶事用切手」は扇の図柄に鶴があしらわれており、切手からもお祝いの雰囲気が感じられるのが特徴です。なお、「慶事用切手」を使用する際、料金が不足したからといって切手を2枚貼ることはしません。“2”という数が別れを連想させると、婚礼では嫌われるためです。料金を確認し、1枚で足りるものを貼るのがマナーです。

「慶事」ののし・水引のマナー

結婚のお祝いは「結び切り」の水引を

「慶事」にお祝い金や贈り物をする際、のしや水引には注意が必要です。「慶事」の水引は主に2種類あり、結婚のお祝いには「結び切り」と呼ばれる水引を使用します。この「結び切り」の水引は一度きりにしたいことに使うもので、弔事でも用いられます。

結婚の場合は、紅白や金銀、赤金などの色合いの水引を選びます。「結び切り」の形以外でも、婚礼用のご祝儀袋としてかわいらしいデザインのものも豊富です。

一般的な「慶事」には「花結び」の水引

結婚以外の一般的なお祝い事には「花結び」の水引を使用します。いわゆる蝶結び・リボン結びの形をした水引で、結び直すことができる=何度繰り返しても良いお祝い事、という意味があります。たとえば、出産や長寿のお祝い、開店祝いなど幅広く用いられます。

まとめ

「慶事(けいじ)」とはお祝い事全般を指します。具体的には結婚や出産にはじまり、七五三などの子の成長を祝うものや長寿を祝うものまで様々です。

これに対し、「弔事(ちょうじ)」とは「慶事」とは反対のお悔やみ事を意味します。ビジネスシーンでは「慶弔見舞金規程」など「慶弔」という熟語で耳にすることもあるので併せて覚えておくと良いでしょう。

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