「シュリーマン」とは?10か国語を取得した語学の勉強法や名言も

シュリーマンは遺跡を発掘した人物として知られていますが、もともと学者だったわけではありません。また、マルチリンガルとしても有名ですが、語学の専門家でもありませんでした。この記事では、シュリーマンとはそもそも何者だったのか、いかにして多数の語学をマスターしたのかに加え、名言も紹介しています。



考古学者「シュリーマン」は世界史を変えた人物

「シュリーマン」はトロイアの文明の実在を証明した

シュリーマン(ハインリヒ・シュリーマン)はドイツの考古学者です。ホメロスの叙事詩『イリアス』に描かれたトロイア遺跡やミケーネ・ティリンスを発掘し、エーゲ文明の存在を明らかにしました。

1822年にドイツ北部のメクレンブルク州で牧師の子として生まれたシュリーマンは、いくつかの職業を経たのちロシアで実業家として成功します。 そして41歳で引退後に考古学を学び、発掘によってホメロスの物語が史実であることを証明するに至ったのです。

「シュリーマン」は10か国語を話すマルチリンガル

ドイツ人であるシュリーマンは、10数カ国語に堪能なマルチリンガルでした。貿易商として多忙な毎日を送りながら、英語を始めフランス語やオランダ語のほか、ロシア語やギリシャ語なども次々と身につけていきました。

シュリーマンは中学までしか通っておらず、本人自身も「自分の記憶力は弱かった」と語っていますが、相当の努力を語学習得のために払ったようです。

「シュリーマン」は大金持ちでもあった

シュリーマンは貧しい家庭に生まれ、中学を卒業後は小売店の小僧を皮切りに下級船員や商社社員などの職を転々としながら、やがて実業家となり貿易で財を成しました。

ゴールド・ラッシュに沸くアメリカで、一攫千金を夢見る人たちに発掘機材の購入資金を貸し付けるというやり方で大儲けをしたことからも、シュリーマンの優れた才覚がうかがえます。

やがてシュリーマンは自前の莫大な資金を武器に、トロイア遺跡の発掘をやり遂げることになるのです。

「シュリーマン」は幕末の日本にも来ていた

シュリーマンは引退後、発掘調査を開始する前に世界旅行をしており、1865年には日本にも立ち寄っています。約1カ月間の滞在中、横浜・八王子・江戸を訪問し、2年後に紀行文にまとめて出版しました。

紀行文には日本に対するシュリーマンの好意的な記述が多くみられますが、当時の日本は攘夷派による外国人襲撃がひんぱんに起きていたため、シュリーマンはかなり危ない橋を渡っていたことになります。

「シュリーマン」の名言


偉業を成し遂げたシュリーマンが語ったとされる名言のなかから、ビジネスマンが知っておきたい言葉を紹介しましょう。

夢を持つと苦難を乗り越える力が湧いてくる。

目的がハッキリしてこそ手段も鮮明になってくる。

目的の大きさに比例して努力・精進しなければならいのは人生の鉄則だ。

シュリーマンが、恵まれない環境を自力で打開し目的を達成した自助努力の人であったことは、名言が物語っています。夢を夢で終わらせないために、シュリーマンの名言が役に立つでしょう。

(付録)10か国語を話す「シュリーマン」の語学勉強法とは?


昇進・転職のための武器にするためや仕事上の必要から、英語の勉強に励んでおられる方は少なくないでしょう。そこでご参考までに、仕事の合間に10数ヶ国語をマスターしたという、シュリーマンの語学勉強法を紹介することにします。

大きな声で大量に音読する

シュリーマンの語学学習の基本は音読でした。それも隣人からの苦情で引っ越しを余儀なくされるほどの大声で、繰り返し大量に音読したそうです。

かつて日本でよく行われていた「素読」も音読による学習方法で、目と耳から同時に学ぶことができる音読は、シンプルですが効果的な手法です。

決して翻訳しない

ドイツ人であるシュリーマンは、文法構造が似ている英語などを学習する際の翻訳は効果が薄い手法だと考えたようです。

日本人の場合には全く翻訳しなければお意味が分からないため、そのまま流用できない手法かもしれませんが、細かい翻訳にこだわらず音読に重点を置くことと理解すればよいでしょう。

毎日1時間は勉強する

忙しいビジネスマンでもあったシュリーマンは、細切れ時間を活用して毎日1時間の勉強時間を確保していたそうです。

「あらゆる瞬間を勉学のために利用した」と述懐しているように、郵便局の待ち時間にもテキストを広げて勉強に勤しんでいました。シュリーマンにいわせると、「時間がない」など言い訳にさえならないのかもしれませんね。

作文を書き添削してもらう

アウトプットの必要性は、語学学習に限らず強調されています。とくに発信できるレベルでの語学力を期待するなら、作文は必須です。

シュリーマンの語学学習法で、音読と暗唱の部分は独学でも可能ですが、添削は先生に見ていただく必要があります。語学学校に通える環境にあるのなら、添削を優先的にお願いしましょう。

添削された文章を暗唱する

コストを掛けて添削してもらった文章をそのままにしていてはもったいないことで、しっかり暗唱できるレベルまで身体に覚え込ませましょう。使えるレベルにまで語学力を高めるためには、ここまでの努力が必要です。

聞き流すだけで英語が身につく人は少数派で、やはり相応のエネルギーを投下しなければ難しいといえます。

まとめ

世界史を変えたシュリーマンについて、語学の勉強法や名言を交えながら解説しました。現在、シュリーマンの業績には多くの点で修正が加えられています。

しかし、自らの力で人生を切り開いていったシュリーマンの自助努力の姿勢は、現代の私たちに今なお大きな希望を与えてくれるものです。