「エリザベス1世」とはどんな人?功績と名言やエピソードも紹介

「エリザベス1世」は歴史の教科書にも登場する、イングランドの女王です。スペインの無敵艦隊を破るなど烈女のイメージが強い女性ですが、いまなお英国民から最も愛される君主でもあります。ここからは、「エリザベス1世」とはどのような人だったのかが分かる功績や名言を、エピソードとともに紹介していきます。



「エリザベス1世」とはどんな人?

「エリザベス1世」は大英帝国の栄光を築いた女王

エリザベス1世は1558年11月、25歳でイングランド王国およびアイルランド王国のテューダー朝、第5代にして最後の君主となりました。

当時はまだ大陸から離れた孤島の小国だったイングランドを、世界の覇者・大英帝国にまで繁栄させたエリザベス1世は、一方で善政をしき国民から大いに慕われた女王でもありました。

「エリザベス1世」が結婚したのはイングランド?

エリザベス1 世が即位したころのイングランドは、ヨーロッパではまだ小国でした。国内だけでなく対外体的にも宗教対立や貿易の利権争いなどが激しくなり、不安定な状態が続いていたのです。

諸外国がエリザベス1世と結婚することでイングランドを手に入れようと画策するなか、エリザベス1世は1559年に議会で「私はすでにイングランドと結婚し、イングランドという夫を持つ身である」と宣言しました。

この言葉どおり、エリザベス1世は「処女王」として国のために生涯を捧げ、今なお国民から最も愛さるイギリス君主となっています。

太陽にたとえられた「エリザベス1世」

エリザベス1世の肖像は数多く描かれていますが、そのなかの一枚にエリザベス1世が亡くなる直前に描かれた「虹の肖像画」とよばれる作品があります。

絵の中でエリザベス1世は右手で平和を象徴する虹をつかんでおり、手の上にはラテン語で「太陽なくして虹はなし」と記されていますが、これはエリザベス1世を太陽にたとえたものです。

さらに、着用しているマントには目・耳の模様が描かれていて、あらゆることを見聞して知っているエリザベス1世が神格化されています。

「エリザベス1世」の功績

「エリザベス1世」はスペイン無敵艦隊を破り世界の覇者へ

エリザベス1世の功績として、1588年にスペインの無敵艦隊を破ってアルマダの海戦に勝利したことが挙げられます。当時のスペインは「太陽の沈まぬ国」と呼ばれた世界の覇者で、イングランドは軍事力でも大きく劣っていました。

しかし、前線のティルベリーにエリザベス1世が自ら赴き行った演説によって、兵士の士気は大いに高まりスペイン艦隊を敗走させたのです。この戦いは、世界の覇権がスペインからイングランドに渡るきっかけとなりました。

「エリザベス1世」は宗教対立による国の分断を回避

エリザベス1世の異母姉であるメアリー1世はカトリック教徒で、対立するプロテスタントを迫害しました。エリザベス1世も、プロテスタントによる反乱に共謀したという嫌疑でロンドン塔に送られたのです。

メアリー1世は、スペイン皇太子のフェリペ(のちのフェリペ2世)と結婚するなど宗教面でも政治面でも親スペイン的な姿勢でした。

そのため国内は宗教対立が激しくなり不安定な状態でしたが、メアリー1世の死後に即位したエリザベス1世は中道的な政策をとり、宗教対立を沈静化して国の分断を回避しました。

「エリザベス1世」は東インド会社を作り経済も大成長

エリザベス1世は、1600年に東インド会社を設立しました。東インド会社は、アジア一帯で香辛料や茶の貿易を行うだけでなく、インドなどの植民地拡大にも大きな役割を果たしました。

かつて世界の1/4を支配した大英帝国の繁栄は、エリザベス1世の時代にその礎が築かれたのです。エリザベス1世の治世は「エリザベス朝」とも呼ばれ、ヨーロッパ辺境の弱小国だったイングランドが、世界に冠たる大国へと発展する土台となりました。

「エリザベス1世」の名言

スピーチの上手さはリーダーの条件

世界のリーダーたちは、スピーチによって人心を掴む術に長けています。巧みなスピーチによって人心をひとつにまとめあげることで世論や行動を一定の方向へ向かわせ、大きな力を発揮することができるのです。

エリザベス1世も非婚宣言やティルベリーでの演説など、すばらしいスピーチをたくさん残し、それらは名言として今も多くの人たちの心をつかんで離しません。

国民の幸福を願った「黄金のスピーチ」

「黄金のスピーチ」と呼ばれている、有名なスピーチを紹介しましょう。1601年、エリザベス1世が亡くなる1年と少し前の68歳だったときに行われたスピーチで、独占特許権の撤廃を約束するものでした。

独占特許状とは報奨として与えられる貿易の独占権でしたが、悪用する者が現れたことで価格の高騰を招き、庶民の生活を圧迫するようになっていたのです。

このスピーチでエリザベス1世は、「国民の愛情とともに国を統治できたことが、私の王冠の名誉である」と語り、独占特許権の撤廃を約束しました。

国民の愛を大切に考え、国民の幸福を目にできないなら長く生きたいとは思わないというエリザベス1世の思いが込められたスピーチは、「黄金」と称されるにふさわしいものだったのでしょう。

まとめ

エリザベス1世とはどんな人だったのかが分かる功績や名言を、エピソードを交えて紹介しました。小国だった当時のイングランドを大英帝国に導く基礎を作ったエリザベス1世は、結婚より仕事を取った元祖キャリアウーマンだったのかもしれません。

自身の子供を持つことはありませんでしたが、今なお英国民から愛され続けているエリザベス1世は、ある意味で世界一子沢山のお母さんといえる立場にあるようです。