7月24日は「劇画の日」です。出版社「青林堂」が、月間劇画雑誌「ガロ」を創刊したことに由来します。この記事では、過去に7月24日に日本や海外で起きた出来事や記念日のほか、花言葉・誕生石なども紹介します。
7月24日は日本で何があった日?
661年:中大兄皇子が天皇を称制
661年7月24日に、37代天皇であった斉明天皇が崩御し、中大兄皇子が皇太子として称制(天皇に即位せずに政務を執ること)しました。
中大兄王子といえば、中臣鎌足らとともに皇極天皇の御前で蘇我入鹿を誅殺した「乙巳の変(いっしのへん)」や、それまで有力豪族中心だった政治を天皇中心へと改革した「大化の改新」など、歴史教科書でもおなじみの人物です。
なお「大化」はわが国初の元号で、2019年に制定された「令和」は248番目の元号にあたります。
1203年:金剛力士像の造立開始
奈良の大仏で有名な東大寺の南大門に立つ金剛力士像は、1203年(建仁3年)7月24日に造立が開始されました。
仏師の運慶と快慶らが、およそ2ヵ月を掛けて完成させたものです。高さ8.4メートルにもおよぶ阿形・吽形二体の巨大な像は寄木造で作られており、800年以上の歳月を経て今なお現存しています。
1950年:琵琶湖が国定公園第一号に指定
西暦1950年7月24日には、琵琶湖が国定公園のとして指定されました。国定公園とは、日本の国立公園に準じる景勝地として環境大臣が自然公園法に基づいて指定する公園です。
国が直接管理する国立公園とは異なり、国定公園は都道府県が管理します。その後国定公園は増え続け、2021年3月に指定された厚岸霧多布昆布森国定公園(あっけしきりたっぷこんぶもりこくていこうえん)は、58カ所目となるものです。
7月24日は世界で何があった日?
1908年:ドランド・ピエリがトップでゴールするも失格に
1908年開催のロンドンオリンピックに参加した、イタリアのマラソン選手・ドランド・ピエリは、ゴール直前で倒れながらもトップでゴールインしました。しかし倒れた際に係員の助けを借りたことから、ドランド選手は失格となったのです。
この事件は「ドランドの悲劇」として知られるようになりましたが、倒れても走り続けたドランドの姿は多くの感動を呼び、アレキサンドラ王妃や作家のコナン・ドイルたちからも讃えられました。
1911年:マチュ・ピチュが発見される
1911年7月24日、アメリカの探検家ハイラム・ビンガム3世によって、15世紀のインカ帝国の遺跡であるマチュ・ピチュが発見されました。
アンデス山脈の標高2,400mの断崖に突如として姿を現す遺跡には、神殿や住居跡などがよく残っています。周辺はマチュ・ピチュの歴史保護区として1983年に世界遺産に登録され、天空都市として観光客からの人気を集めています。
1969年:月面着陸を果たしたアポロ11号が地球に帰還
1969年7月24日、史上初の人類月面着陸を果たしたアメリカ合衆国の宇宙船・アポロ11号が、無事地球に帰還しました。
アポロ11号の成功は、先に人工衛星の打ち上げに成功していたソビエト連邦との宇宙開発競争を終わらせ、アメリカの優位を全世界に知らしめることになったのです。
7月24日は何の日?
7月24日は「劇画の日」
「劇画の日」は、1964年7月24日に東京神田の神保町にあった出版社「青林堂」が、月間劇画雑誌「ガロ」を創刊したことに由来します。
劇画は漫画より年長の読者層を意識したもので、リアルな描画や映画のカメラワークのようなコマ割り、複雑なストーリー展開などが特徴的です。
現在「ガロ」は事実上の廃刊状態
劇画ブームのさきがけとなり、数多くの作家を輩出した月刊誌「ガロ」でしたが、通巻426号となった2002年10月秋号を最後に、事実上の廃刊状態となっています。
漫画とは別ジャンルとして登場した劇画でしたが、時代を経て両者の違いは小さくなり、現在では劇画は漫画の一分野とみなされています。
7月24日が誕生日・命日の有名人
1860年:アルフォンス・ミュシャ誕生
日本でも人気の高いアルフォンス・ミュシャは、チェコ出身の画家です。アール・ヌーヴォーの旗手として、数多くのポスターやカレンダーなどを制作しました。
晩年の代表作である「スラヴ叙事詩」は、スラヴ民族の歴史をテーマとしたものです。しかし、作品がチェコ国民の愛国心を喚起するとしてナチスに逮捕・尋問を受け、4か月後に死去しました。
1886年:谷崎潤一郎誕生
作家の谷崎潤一郎は、3度の結婚や数々のスキャンダルでも知られる文豪です。関東大震災をきっかけに移り住んだ関西で、「痴人の愛」を皮切りに、「春琴抄(しゅんきんしょう)」「細雪(ささめゆき)」などの代表作を発表しました。
作品は国内だけでなく海外からも注目され、これまでに幾度となく映像化・舞台化されています。
1927年:芥川龍之介死去
「蜘蛛の糸」「羅生門」「河童」などの短編小説で知られる芥川龍之介は、自殺により1927年7月24日に死去しました。
1935年に菊池寛によって発案された文学賞です。直木三十五賞(直木賞)とともに創設され、純文学の新人に与えられています。
芥川龍之介の命日である「河童忌」は、生前の龍之介が河童の絵を好んで描いたことや晩年作の短編小説「河童」にちなんで命名されたものです。
7月24日の占い
7月24日の誕生石は「アメトリン」
アメトリンは水晶の一種で、ひとつの石に黄色のシトリンと紫色のアメジストを持つものです。異なる2つの要素がバランスよく調合していることから、人間関係の調和や感情のコントロールなどに役立つとされています。石言葉はベストパートナー・調和・多芸多才です。
7月24日の誕生花は「ユリ」
キリスト教でユリは、聖母マリアに捧げられる花とされるものです。西洋絵画で描かれた受胎告知の場面では、マリアと大天使ガブリエルとともに純潔のシンボルとしてユリの花が登場しています。花言葉は「純粋」「無垢」「威厳」です。
まとめ
7月24日は「劇画の日」ですが、本来であれば、2020年東京オリンピックが開催されたはずの日でした。記念日によくある語呂合わせとは関係なく、実際に人類史に残る出来事が起きている点が、7月24日の注目すべきところといえそうです。
※その他の日付の記念日・出来事・雑学などはこちら:
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