「チーター」は何科の動物?特徴・生態やヒョウとの違いも紹介

「チーター」は、動物界最速のスプリンターです。ばねのように身体を伸縮させながら疾走する華麗な姿からは想像しがたいのですが、狩りの成功率は意外に低いことをご存じでしょうか?この記事では、「チーター」の特徴や生態のほか、「ヒョウ」や「ジャガー」などとの違いについても紹介しています。

「チーター」は何科の動物?

「チーター」はネコ科の動物

「チーター」はライオンやトラと同じく、ネコ科の肉食動物です。哺乳網・食肉目・ネコ科・チーター属に分類され、アフリカのサハラ砂漠以南や西アジア、中近東などのサバンナに生息しています。

しかし生息地の破壊や獲物の減少、害獣としての駆除のほか、毛皮目的の狩猟やペット用としての密漁などによって個体数は減少を続けており、国際自然保護連合の評価でレッドリストに指定された絶滅危惧種となっています。

「チーター」は時速100km以上で走る地上最速の動物

「チーター」は地上最速の動物で、時速100km以上の猛スピードで疾走します。最高速度は120kmともいわれていますが、これほどのスピードが出せるのは「チーター」の身体が走ることに特化しているためです。

体長110cm~150cm、体重70kgのスリムでコンパクトな身体と小さな頭をはじめ、長い四肢とバネのような柔軟な背骨、瞬発力を支える心臓と肺によって、どの動物よりも速く走ることができます。

さらに常時出ているスパイクのような長く鋭い爪と太く長い尻尾で、急な方向転換や急停止・急発進の際にもバランスを保っているのです。

「チーター」の狩りの成功率は約50%

誰よりも速く走ることができる「チーター」ですが、狩りの成功率は50%以下です。その理由は、持久力のなさにあります。

「チーター」が走り続けられる距離は200~500mと短く、獲物に逃げ切られることが少なくないのです。さらにせっかく手に入れた獲物を、ライオンやハイエナ、ハゲワシなどに横取りされることもよくあります。

走ることに特化した「チーター」の身体は戦闘には向いていないため勝ち目はなく、獲物を置いて逃げることになるのです。

「チーター」の遺伝子は多様性が低い

「チーター」の遺伝子は、他の哺乳類と比べて多様性が低いことが報告されています。血縁同士では多くの種で約80%の遺伝子を共有していますが、「チーター」の場合約99%が同じで、低生存率や繁殖力・免疫力の低下の原因となっています。

加えて「チーター」の飼育下での繁殖活動はあまり成功しておらず、絶滅の危惧は増大しつつあるのです。

「チーター」と「ヒョウ」との違いとは?

「ヒョウ」の模様は豹柄だけでない

「ヒョウ」の模様は「チーター」の黒い斑点模様とは違い、梅の花のような形をしており、中心がオレンジ色で周囲を黒い斑点が花びらのように囲んだ特徴的な模様です。

「ヒョウ」といえば、この豹柄がイメージされますが、モノトーンのユキヒョウや、全身が黒いクロヒョウもいます。

「ヒョウ」の生息地は広範囲

「チーター」の生息地は「ヒョウ」は、アフリカ大陸やアラビア半島にかけての熱帯雨林やジャングルだけでなく、種によってはロシア極東などにも生息しており、ネコ科の中では最も広範囲にわたって分布しています。

オスは体長140~190cm・体重90kg、メスでは体調120cm・体重60kg程度です。「チーター」とは違って夜行性のため、日中は木の上などで休み、狩りは夜間に行います。

「ヒョウ」は走って狩りをしない

「ヒョウ」の狩りは、「チーター」のように走って獲物を追いかけるスタイルではありません。獲物を待ち伏せて一気に襲うか、茂みに隠れて獲物に忍び寄り一撃で仕留めます。捕らえた獲物はその場で食べず、樹上に運んでからゆっくりと食べる習性があります。

「チーター」と「ジャガー」との違いとは?

「ジャガー」の模様は真ん中に黒点がある梅花紋

「ジャガー」の模様は、「ヒョウ」のように梅の花に似た形をしていますが、真ん中に黒い点が入っていることが特徴です。

体長は120~185cm・体重45~158kgと、ネコ科の動物としてはトラ・ライオンに次いで大型の動物です。また、「チーター」や「ヒョウ」に比べると手足が短めで、見た目にもがっしりしています。

「ジャガー」はアマゾン最強の肉食獣

「ジャガー」の生息地は、北アメリカ南部から南アメリカのジャングルです。木登りだけでなく泳ぎも得意で、川や湖沼、湿地帯など水辺を好みます。

「ヒョウ」と同様に夜行性で、アナコンダやカイマンなど獰猛な動物も捕食しますが、猿やカピバラ、アルマジロなども食べます。

「ジャガー」は走るのが苦手

「ジャガー」は走るのが苦手ですが、泳ぎや木登りは得意です。また、穴掘りも上手で地中に隠れている獲物も逃しません。

獲物の捕り方は「チーター」などのように首にかみついて窒息させるのではなく、前脚で叩き倒し、頭をかみ砕いて仕留めることが多いようです。顎の力も強く、亀の固い甲羅もかみ砕きます。

まとめ

「チーター」の特徴や生態のほか、似ている動物との違いについても紹介しました。「チーター」はネコ科チーター属の動物で、ネコ科の大型動物の中ではひときわスマートな体型をしています。

時速100kmを超えるスピードで走ることができますが、狩りの成功率は50%に届きません。環境要因だけでなく、遺伝子的な問題もあって個体数は減少を続けており、国際自然保護連合の評価でレッドリストに指定された絶滅危惧種となっています。