努力を意味する四字熟語は?勉強やスポーツで使いたい言葉12選

スローガンや座右の銘として取り入れたい四字熟語。中でも努力を意味する四字熟語は種類が豊富で、さまざまなものがあります。この記事では、努力の意気込みを表したいときやこれまでの自分の努力を表すときに使える四字熟語を、場面別に分けて紹介します。それぞれの場面でふさわしい四字熟語をぜひ見つけてください。

努力を意味する四字熟語とは?

努力を意味する四字熟語一覧

  • 一意専心(いちいせんしん)
  • 雲外蒼天(うんがいそうてん)
  • 臥薪嘗胆(がしんしょうたん)
  • 精錬恪勤(せいれいかっきん)
  • 切磋琢磨(せっさたくま)
  • 全身全霊(ぜんしんぜんれい)
  • 万里一空(ばんりいっくう)
  • 粉骨砕身(ふんこつさいしん)
  • 奮励努力(ふんれいどりょく)
  • 粒粒辛苦(りゅうりゅうしんく)
  • 勇往邁進(ゆうおうまいしん)
  • 力戦奮闘(りきせんふんとう)

努力を意味する四字熟語の特徴

努力を意味する四字熟語には、前向きでプラスのイメージがあるものが多いという特徴があります。

集中して勉学に励む様子を表すものや、力を尽くして取り組むという意味が含まれている言葉が多く、座右の銘や書道の題字にもよく使われています。

勉強で使える四字熟語

「一意専心」は脇目もふらず集中すること

「一意専心(いちいせんしん)」とは”脇目もふらず集中する“という意味の四字熟語です。「一意」は”一つのことに心を集中すること”で、「専心」は”心を集中して行うこと”という意味があります。どちらも「ひとつのことに集中する、ひとつのことだけに心を注ぐ」意味を持ち、同義語を二つ重ねることでその意味を強調している四字熟語です。

「一意専心」を用いた例文
  • 彼は一意専心して勉強に励むべきだ。
  • 一意専心の気持ちを持って受験勉強に取り組む。

「一意専心」は、みずからが集中して努力しているさまを表す言葉だけでなく、他者に対しての励ましの言葉としても使われています。目の前の課題や目標に向かって、脇目もふらずに勉強に励む人へぜひ贈りたい言葉です。

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「奮励努力」は力を尽くして取り組むこと

「奮励努力(ふんれいどりょく)」とは”力を尽くし、気力を奮い起こしてつとめ励むこと“という意味を持つ四字熟語です。「奮励」にある「奮う」は”気力を盛り上げる”こと、「励む」は”熱心につとめること”の意味があることから、目的に向かって気持ちをこめ本気で挑む、というときに使われます。

「奮励努力」を用いた例文
  • 初心を忘れることなく、-これからも奮励努力の気持ちで勉学に励みたい。
  • 奮励努力の甲斐あって受験に合格した。

「奮励努力」は目的に向かって努力しようという志を持つ人に使われる言葉で、座右の銘に選ぶ人や書道の書き初めで書かれることもあります。

いっぽう、日常的な場面での努力を表すときにはあまり使われることはありません。「明日は遅刻しないよう奮励努力します」といったように使うと仰々しくなってしまうので、避けた方がよいでしょう。

「粒粒辛苦」は努力や苦労を積み重ねていくこと

「粒粒辛苦(りゅうりゅうしんく)」とは”こつこつと地道に努力を重ねること“という意味を持つ四字熟語です。米の一粒一粒が農民の苦労の結晶であることからこの言葉が生まれ、「粒粒」は”一粒一粒”、つまりはお米の一粒一粒という意味を持っています。

「粒粒辛苦」には小さな努力や苦労を重ねることで何かを成し遂げられる、という意味があり、こつこつと学問を積み重ねるさまを表す時に使われます。

「粒粒辛苦」を用いた例文
  • 粒粒辛苦の末に、彼女は志望の大学に合格することができた。
  • 彼は粒粒辛苦を重ねた末、トップの座を射止めた。

ビジネスで使える四字熟語

「臥薪嘗胆」は困難に耐え努力を重ねること

「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」とは”成功を期待して困難に耐え、努力を重ねる“という意味の四字熟語です。もともとは中国の故事成語が由来の言葉で、復讐を心に誓って苦労に耐えるという意味がありました。それが転じて、現在では目的を達成するために苦労を耐え努力を惜しまない、といった意味合いで用いられています。

「臥薪嘗胆」は特に”長い年月をかけて目標を達成したい”という思いを伝えたいときに使うのに適した四字熟語です。ビジネスの場でなかなか順調に物事が進まない状況の中努力を続けたいというときにふさわしい言葉といえます。

「臥薪嘗胆」を用いた例文
  • 今回のプロジェクトは、臥薪嘗胆の思いで進めてまいりました。
  • 今はつらい時期かもしれないが、将来のためにこれを乗り越えて臥薪嘗胆で頑張ろう。

「精錬恪勤」は全力を尽くして仕事に励むこと

「精錬恪勤(せいれいかっきん)」は”全力を尽くして仕事や学業に励む“という意味の四字熟語です。「精励」は真心をこめて励むという意味が、「恪勤」は真面目に仕事を行うという意味があります。

真面目に仕事に励む姿勢は、ビジネスシーンでは大いに求められることです。「精励恪勤」は前向きに努力するといったプラスのイメージがある言葉なので、ビジネスの場で使うのにおすすめの四字熟語です。

「精錬恪勤」を用いた例文
  • 今後も会社のために、精励恪勤いたします。
  • 彼の働く様子は、まさに精励恪勤そのものだ。

「粉骨砕身」は骨身を惜しまず努力すること

「粉骨砕身(ふんこつさいしん)」とは”骨身を惜しまず努力する“という意味を持つ四字熟語です。「粉骨」は字の通り骨を粉にするほど、「砕身」は身体を砕くという意味になり、身を粉にして働き、自分の持っている力を惜しまず一生懸命努力することを表します。

仕事の意気込みを上司や取引先に表明したいときに使うとよい四字熟語ですが、「粉骨砕身」には「自分の身を犠牲にして取り組む」というニュアンスも含まれているため、受け取る相手によっては自己犠牲のイメージを持たれる可能性もあり注意が必要です。

「粉骨砕身」を用いた例文
  • 業界トップを目指し、粉骨砕身の覚悟で挑みます。
  • 経営陣一同、粉骨砕身の思いで取り組んできました。

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スポーツで使える四字熟語

「全身全霊」は持っている力のすべてを注ぎこむこと

「全身全霊(ぜんしんぜんれい)」は”持っている力のすべてを注ぎ込む“という意味の四字熟語です。身も心もすべて、その人が持っている能力を注ぎ込み、一生懸命に取り組む様子を表します。「全身全霊を注ぐ」、「全身全霊をかける」といった表現で使われることが多く、スポーツの試合や仕事で用いられています。

「全身全霊」を用いた例文
  • これが最後の試合になるかもしれない。全身全霊を注いで試合に臨もう。
  • チームのために、全身全霊のエールを送ります。

「勇往邁進」はためらわず目標を目指して進むこと

「勇往邁進(ゆうおうまいしん)」とは”ためらわずに目標を目指して進むこと“という意味を持つ四字熟語です。「勇往」は勇み行くこと、「邁進」はまっしぐらに突き進んでいくことという言葉で、目標に向かってためらわずに勇ましく進むことを表せます。

勇ましく前に進むというイメージがあるため、スポーツ選手の座右の銘としてよく使われています。また、スポーツの試合でチーム一丸となって戦っていきたいというときにスローガンとして使われることもあります。

「勇往邁進」を用いた例文
  • 彼らが優勝できたのは、目標に向かって勇往邁進した成果だ。
  • わが校のサッカーチームの勇往邁進ぶりは目を見張るものがある。

「力戦奮闘」は力の限り努力し戦うこと

「力戦奮闘(りきせんふんとう)」は”力の限り努力し戦うこと“という意味の四字熟語です。「力戦」は力を尽くし戦うこと、「奮闘」は目標に向かって努力し戦うことという意味の言葉です。この二つの言葉を合わせることで「力を尽くし目標に向かって全力で努力する様子を表現できます。

「力戦奮闘」を用いた例文
  • 彼の力戦奮闘する姿は、多くの人に感動を与えた。
  • チームで力戦奮闘した結果、みごと優勝を果たした。

人生で頑張りたいときに使える四字熟語

「雲外蒼天」は努力の先には必ず光があるということ

「雲外蒼天(うんがいそうてん)」は”どんな試練でも努力すれば必ず光がある“という意味を持つ四字熟語です。

「雲外」は雲の先(外)、「蒼天」は青空を指し、文字通りの意味では「雲を突き抜けた先には、青空が広がっている」ということになります。それが転じて「雲」を「試練や困難」に、「蒼天」を「好転した状況」にたとえ、「困難があっても努力すれば必ず光がある、好転する」という意味で使われるようになりました。

「雲外蒼天」を用いた例文
  • 雲外蒼天を信じて、これからも勉強に励みます。
  • 彼は一代で会社を世界的企業に成長させた。まさに雲外蒼天の極みだ。

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「雲外蒼天」の意味とは?イメージや使い方、類語・英語も解説

「切磋琢磨」は仲間同士で励ましあって向上すること

「切磋琢磨(せっさたくま)」は”仲間同士、互いに励ましあって向上すること“という意味を持つ四字熟語です。「切磋」は骨や石、玉などを切って磨くといった意味の言葉で、「学問に熱心に取り組むこと」を表しています。「琢磨」は石や玉を磨くことを意味しており、二つの言葉を合わせて「仲間同士で互いに励ましあって、学問に熱心に取り組み、それらを向上させること」を表します。

ここでいう仲間同士とは、友人や仲間、同じチームに所属するメンバーといった同等の立場にあたる者を指します。そのため、上司や自分よりも年配の方に対して使うことはできません。上司に向かって「ともに切磋琢磨していきましょう」といった使い方をすると、相手に不快感を与える可能性がありますので注意が必要です。

「切磋琢磨」を用いた例文
  • 彼とは高校のころから同じ部活で切磋琢磨しあった仲です。
  • メンバーみんなで切磋琢磨しながらレベルアップを図っていきたい。

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「万里一空」は一つの目標を見据えて努力を続けること

「万里一空(ばんりいっくう)」は”一つの目標を見据えて努力を続けること“という意味の四字熟語です。「万里」は大変遠い距離を指し、「一空」は一つの空を指す言葉です。本来の意味は「どこまで行っても世界は一つの空のもとにある」でしたが、意味が広がり「一つの目標を見据えて努力を続ける」という意味で使われるようになりました。

「万里一空」はスローガンや座右の銘などに用いられることの多い四字熟語です。書き初めの題字としても人気が高く、何か目標があり、努力して頑張りたいという人にぴったりの言葉です。

「万里一空」を用いた例文
  • 志望校に合格するため、万里一空の精神で受験勉強に打ち込みたい。
  • 今年は万里一空の心で日々練習に励みます。

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まとめ

努力を意味する四字熟語には前向きなメッセージが込められたものが多く、座右の銘や書道の題字にもよく使われます。四字熟語は個々の意味をよく理解したうえで、使い分けることが大切です。努力の意気込みを伝えたいときやこれまでの自分の努力を表したいときなど、自分の気持ちに合った四字熟語をぜひ探してみてください。