「猫」のことわざや慣用句は?四字熟語や中国・フランス語も紹介

「猫」は、ことわざや慣用句だけでなく四字熟語などにも登場しています。日本だけでなく、中国やフランスなど海外も同様で、猫が身近な生き物であることがうかがえるでしょう。この記事では、「猫」を含んだことわざや慣用句、四字熟語だけでなく、中国・フランスなど海外のことわざも紹介しています。

「猫」を含んだ慣用句・ことわざ

猫の額/猫の目

いずれも猫の身体特徴を表した慣用句です。「猫の額」はとても狭い事のたとえ、「猫の目」は明るさで瞳の大きさが変化することから、ものごとがめまぐるしく変化することのたとえです。

猫を被る/猫なで声

猫のかわいらしい様子や声をなぞらえたものです。「猫を被る」は、本性を隠しておとなしそうに振る舞うことです。

「猫なで声」は猫が撫でられているときのような甘えた声のことを表しています。なお「猫なで声」には、猫をなつかせるために出す甘い声のことという意味もあります。

猫にまたたび/猫に鰹節

いずれも猫の好物を用いたことわざです。「猫にまたたび」は大好きなもの、またはそれを与えると大変効果的なことのたとえです。

一方の「猫に鰹節」は、猫が鰹節を見るとあっという間に食べてしまうことから、油断できない危険な状態のことを指しています。

借りてきた猫/猫糞

猫の習性を用いた慣用句です。「借りてきた猫」は、日頃とは打って変わっておとなしい様子のことですが、猫の人見知りする傾向からきています。

「猫糞(ネコババ)」は糞をしたあと砂をかけて隠す猫の習性からきたもので、悪いことを隠して素知らぬふりをすることや、拾ったものをこっそり自分のものにしてしまうことです。

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猫に小判/豚に念仏猫に経

いずれのことわざも、いくら価値のあるものを与えても、その値打ちが分からないものにとっては意味がないことを表したことわざです。

猫とっては小判やお経の価値はわからず、値打ちを感じることはないということです。「馬の耳に念仏」や「豚に真珠」なども同じ意味のことわざです。

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猫の首に鈴をつける

イソップ物語が由来のことわざです。鼠が猫に食べられないようにするために、猫の首に鈴をつけるというアイデアを思い付いたものの、誰もやりたがらなかったということから、名案だが実行が困難なため引き受け手がいないことをたとえたものです。

「猫」を使った四字熟語

「窮鼠嚙猫」は弱者でも必死になれば強者に勝つという意味

「窮鼠嚙猫(きゅうそごうびょう)」は、追い詰められた鼠は猫にかみつくこともあることから、必死になった弱者が強者を打ち負かすことを表しています。この四字熟語を読み下したものが、良く知られていることわざの「窮鼠猫を噛む」です。

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「照猫画虎」は形だけ真似ること

「照猫画虎(しょうびょうがこ)」は、猫を見本にして虎の絵を描くことから、見よう見まねでやることや本質を理解せずに形だけ真似ることを表しています。この四字熟語を読み下したものが、「猫を照らして虎を描く」ということわざです。

「猫鼠同眠」は共謀して悪事を働くこと

「猫鼠同眠 (びょうそどうみん)」は、相容れない猫と鼠が一緒に寝ていることから、共謀して悪事を働くことを表した四字熟語です。

古代中国の唐時代を記録した歴史書「新唐書」の「五行志」が由来で、本来鼠を捕るはずの猫がそうしないのは、役人と悪者して共謀して悪事を行うようなものだと批判したことが書かれています。

中国の「猫」にまつわる成語

「猫論」は鄧小平の思想

鄧小平は、毛沢東時代の政策を転換して改革開放政策を推進した中華人民共和国の政治家です。その鄧小平の考え方を表した言葉が、「黒い猫でも白い猫でも鼠を捕るのが良い猫だ(不管黑猫白猫、能捉到老鼠就是好猫)」というもので、「猫論」「黒猫白猫論」と呼ばれています。

「猫論」の元ネタは『聊斎志異』

「猫論」の意味は、資源配分の手段は政治制度とは関係がなく、生産力の発展に役立ものを採用すればよいというものです。

なお、中国・清代の作家の蒲松齢(ほしょうれい)が著した怪異譚『聊斎志異(りょうさいしい)』のなかに、鄧小平の「猫論」と同じ意味合いの「黄色い猫でも黒い猫でも鼠を捕るのが優れている(黄狸黒狸、得鼠者雄)」が見られます。

フランス語の「猫」にまつわることわざ

「Le chat parti, les souris dansent.」は「鬼の居ぬ間に洗濯」

フランスでも猫は鼠の天敵のようで、「Le chat parti, les souris dansent.」という猫にまつわることわざがあります。

直訳すると「猫がいなくなって、ネズミが躍る」となり、怖い人がいない隙にリラックスするという意味です。日本のことわざ「鬼の居ぬ間に洗濯」と同じ意味合いで使われています。

「Qui naquit chat court après les souris.」は「雀百まで踊り忘れず」

「Qui naquit chat court après les souris.」は、直訳すると「猫に生まれた者は鼠を追う」となります。

つまり日本のことわざ「雀百まで踊り忘れず」と同じ意味合いで使われているもので、フランスの猫も鼠を見ると追いかけずにはいられないようです。

まとめ

「猫」のことわざや慣用句、四字熟語は数多くあります。また、日本だけでなく中国やフランスにも猫にまつわることわざのようなものがあり、猫が人々の暮らしに溶け込んでいることがわかります。

これらのことから、洋の東西を問わず猫は鼠を捕るものであることがうかがえますが、現在、猫が鼠を捕ることは稀になっているようです。