世界と日本の神話とは?ギリシャ神話やインド神話の登場人物を紹介

「ギリシャ神話」や「インド神話」など、世界中に伝わる神話の数々。その地に根付いて語られてきた神話は、美術や思想にも強い影響を与え、現代でも多くのファンを虜にしています。

この記事では、世界と日本の神話についてご紹介。有名なエピソードやその神話の主な登場人物、関連する言葉の意味などを解説します。

ギリシャ神話とは?

最高神「ゼウス」と妻の「ヘラ」が登場する

ギリシャ神話とは、古代ギリシャの時代から語り継がれてきた物語です。この神話の中身は大きく3つに分類され、「世界の起源」「神々の物語」「英雄たちの物語」から成ります。

中心人物として君臨するのが、全知全能の神ゼウスです。ゼウスはギリシャのオリュンポス山に住むオリュンポス十二神の一柱で、女神ヘラを妻としています。

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「ヘパイストス」はゼウスとヘラの子で、炎と鍛冶を司る

「ヘパイストス」もギリシャ神話に登場する神で、ゼウスとヘラの第1子です。炎と鍛冶を司る神であり、自らの工房で様々な武具や宝石を作ったとされています。

もともとは嫉妬深いヘラが正妻としての威厳を取り戻すために、単性生殖の末に産んだ子がヘパイストスでした。しかし彼は脚が曲がっていたため、怒ったヘラは赤ん坊を海に投げ捨ててしまいます。その後は海の女神たちに拾われて育ち、天に戻ることができました。

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罰を受けた神や人間は、奈落「タルタロス」に落とされる

ギリシャ神話にある「世界の起源」では、「タルタロス」にも言及されています。「タルタロス」とは奈落の神であり、奈落そのものです。ゼウスに背いた者は、神でも人間でも容赦なくこの地に送られ幽閉されました。

「タルタロス」では3人の巨人「ヘカトンケイル」が門番を務めています。実は彼らも幽閉された側ですが、ある理由で脱出に成功しました。

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強大な力を持つ怪物「ゴルゴン」のエピソードも

ギリシャ神話には恐ろしい怪物のエピソードもあります。「ゴルゴン」は3姉妹の怪物で、髪の代わりに蛇が生えており、目を見たものを石に変える力を持ちます。

「セイレーン」は海に住む女性の怪物です。下半身が鳥の姿をしており、美しい歌声を聴かせて人を海に引きずりこんでしまいます。

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インド神話とは?

最高神「ヴィシュヌ」「シヴァ」「ブラフマー」が登場

インドに伝わる神話では、ベーダ神話とヒンドゥー教神話に大別されます。ヒンドゥー教神話において特に重要視されている神が「ヴィシュヌ」「シヴァ」「ブラフマー」です。

この3神にはそれぞれ役割があり、三神一体の最高神として考えられています。

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美しい水の精霊「アプサラス」も描かれている

インド神話では、美しい天女が関わる物語も描かれています。水の精霊「アプサラス」が神々の接待役として登場。戦死者の魂を送る役目や、恋愛物語のヒロインとしても活躍します。

ヴィシュヌの妻「ラクシュミー」も、アプサラスではないかとする説があります。

「アプサラス」とは?インド神話で有名なアプサラスや神々との関係

その他の世界の神話とは?

「メソポタミア神話」ではギルガメシュ叙事詩が有名

「メソポタミア神話」とは、メソポタミア文明の中で語られた神話の総称です。「シュメール神話」「バビロニア神話」などの複数の神話を共有し、発展させたものとして伝えられてきました。

メソポタミア神話で有名な物語が『ギルガメシュ叙事詩』です。古代メソポタミアの王であり半神半人の英雄「ギルガメシュ」が、親友「エンキドゥ」の死をきっかけに旅に出る物語が描かれています。

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「ケルト神話」では英雄クーフーリンが活躍する

「ケルト神話」とはケルト人の間で伝えられてきた神話です。現代のアイルランドやイギリスの南西部にあるウェールズ地方の伝承だとされています。

「ケルト神話」は4つのサイクル(物語群)に分かれます。このうち「アルスターサイクル」は英雄「クーフーリン」を中心とした物語で、彼の青年時代の武勇が書かれています。

「ケルト神話」とは?「クーフーリン」や最高神・女神について解説

「エジプト神話」には「オシリスとイシスの伝説」も

「エジプト神話」は古代エジプト時代の信仰と深く結びつく神話です。ピラミッドや遺跡などの研究から明らかになり、世界の始まりや王の役割が伝えられてきました。

特に有名な「オシリスとイシスの伝説」では、エジプトの王位をめぐる物語が繰り広げられます。

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日本の神話とは?

「アメノミナカヌシ」は日本神話で最初にあらわれた神様

日本では、8世紀初頭に編纂された『古事記』『日本書紀』などに書かれた神話を日本神話と呼んでいます。『古事記』の中で最初に登場する神が「アメノミナカヌシ」です。

「アメノミナカヌシ」が世界に現れたのちに、「タカミムスヒ」「カミムスヒ」がうまれます。この3柱を造化の三神と呼びます。

「アメノミナカヌシ」とは?神話での登場場面や縁のある神社も紹介

「黄泉」の国と食べてはいけない「ヨモツヘグイ」

「黄泉(よみ)」は日本神話で死者の世界のことです。「あの世」のイメージを持つ方も多いかもしれませんが、「天国」はキリスト教、「地獄」は仏教由来の言葉であるため、日本では死後の世界といえば「黄泉」が最初に広まっていました。

「黄泉」でやってはいけない行動が、食べ物を食べることです。これを「ヨモツヘグイ」と言い、一度黄泉にいくと戻れなくなってしまいます。

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まとめ

「ギリシャ神話」をはじめ、世界の神話と日本神話をご紹介しました。どの神話も非常にスケールの大きな物語で、様々な性格や容姿の神が登場します。

中にはケルト神話の「クーフーリン」やギリシャ神話の英雄「アキレウス」のように、神と人の子である半神がいたり、人間ながらに活躍する英雄のドラマも楽しめます。気になる登場人物をチェックして、奥深い神話の世界を味わってみてはいかがでしょうか。