「ピカソやミュシャは聞いたことがあるけれど、どんな画家かよく知らない」という方も多いのではないでしょうか?芸術家を知ると、なぜその作品を制作したのかがわかり、芸術鑑賞の面白みが増すものです。
この記事では、西洋美術を中心に著名な芸術家をまとめました。経歴や主な作品を挙げながら、一覧でご紹介します。
ア行の芸術家
アルチンボルド(1526年~1593年)
ジュゼッペ・アルチンボルドは、イタリア・ミラノ出身の画家です。神聖ローマ帝国皇帝に仕えた宮廷画家で、果物や動植物を寄せ集めて擬人化した肖像画を生み出しました。
代表作品は『四季』シリーズです。『春』『夏』『秋』『冬』で季節の花や野菜などをモチーフに描かれています。
「アルチンボルド」とはどんな画家?代表作品「四季」や生涯を解説
アンリルソー(1844年~1910年)
アンリ・ルソーは素朴派を代表するフランスの画家です。正式な美術教育を受けることなく、独自の感性で遠近法を無視した空想的な絵を描き続けました。
当時は批評家に「稚拙な絵だ」と酷評されましたが、その奇抜な個性がのちにピカソらに注目されています。
「アンリルソー」とはどんな画家?代表作品『眠るジプシー女』も
エミールガレ(1846年~1904年)
エミール・ガレは19世紀後半のアール・ヌーヴォーを代表するフランスの工芸家です。フランス・ロレーヌ地方のナンシーを拠点に置き、ガラス工芸や陶器、家具などの分野で独創的な作品を制作しました。日本ではポーラ美術館や北澤美術館で、ガレの作品を鑑賞できます。
「エミール・ガレ」の生涯と作品の特徴とは?日本の美術館も紹介
「ア行」のその他の芸術家
カ行の芸術家
カラヴァッジョ(1571年~1610年)
ケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョは、バロック期に活躍したイタリアの画家です。徹底した写実主義であり、明暗を強調した作風で劇的な宗教画を多く制作しました。
主な作品には『悔悛のマグダラのマリア』『キリストの埋葬』のほか、晩年の自画像『ゴリアテの首を持つダビデ』があります。
「カラヴァッジョ」の生涯とその作品とは?表現技法や絵画も紹介
ゴーギャン(1848年~1903年)
ポール・ゴーギャンは、フランス・パリに生まれたポスト印象派の画家です。「総合主義」を確立したのちに、「西洋」と「野生」の対立をテーマにタヒチで多くの絵画を制作しました。
一時期はゴッホと共同生活を送り、耳切り事件で破綻したことも有名なエピソードです。
「ゴーギャン」とは?ゴッホとの関係やタヒチを描いた代表作品も
ゴヤ(1746年~1828年)
「フランシスコ・デ・ゴヤ」はスペインの画家です。長い下積み時代を経て、43歳で宮廷画家としての地位を確立しました。
代表作は『裸のマハ』。当時のスペイン宰相マニュエル・ゴドイの注文により描かれ、その愛人がモデルだと言われています。対となる『着衣のマハ』もその後に制作されました。
「ゴヤ」の生涯と作品とは?『裸のマハ』と『着衣のマハ』も解説
「カ行」のその他の芸術家
サ行の芸術家
ジョット(1267年頃~1337年)
ジョット・ディ・ボンドーネは、中世後期に活躍したイタリア人画家で建築家です。画家としては空間や人物を初めて写実的に描写したことが功績として挙げられます。
代表作は、北イタリアの都市パドヴァにあるスクロヴェ―ニ礼拝堂内部の装飾絵画。建造物ではサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の主任建築家に任命されました。
スーラ(1859年~1891年)
ジョルジュ・スーラは、19世紀後半に新印象主義を創始したフランスの画家です。当時勢いのあった印象派には加わらず、独自の絵画技法である点描技法を科学的分析のもとに完成させました。
代表作は『グランド・ジャット島の日曜日の午後』。縦2メートル✕横3メートルの大作で、スーラが2年をかけて習作も描きながら制作した絵画です。
「サ行」のその他の芸術家
タ行の芸術家
ダリ(1904年~1989年)
サルバドール・ダリは、スペイン出身のシュルレアリスムを代表する画家です。絵画だけでなく、映画や舞台芸術にも才能を発揮した一方で、ナルシストで誇大妄想狂とも称されました。
代表作は、溶けた時計が描かれた『記憶の固執』です。ダリにとってこの柔らかい溶けかかった時計や「時間の消滅」すなわち「死」を意味するモチーフでした。
ドラクロワ(1798年~1863年)
ウジェーヌ・ドラクロワは、19世紀フランスのロマン主義を代表する画家です。歴史上で実際に起きた事件をテーマに、激しい感情を力強く絵画で表現しました。
代表作は『民衆を導く自由の女神』です。この作品は1830年7月に起きたフランス7月革命を主題にして描かれました。
「ドラクロワ」とはどんな画家?『民衆を導く自由の女神』も解説
「タ行」のその他の芸術家
ハ行の芸術家
ピカソ(1881年~1973年)
パブロ・ピカソはスペイン出身で、フランスで活動した芸術家です。絵画では「キュビズム」の創始者であり、91歳で亡くなるまで常に新しい表現に挑戦し続けました。
代表作『ゲルニカ』は、スペイン北部バスク地方の無差別爆撃に衝撃を受けたピカソが制作した絵です。現在でも反戦・平和の象徴として影響力を持ち続けています。
「ピカソ」とその代表作を解説!「キュビズム」や「ゲルニカ」も
ボッティチェリ(1445年~1510年)
サンドロ・ボッティチェリは、イタリア・フィレンツェ出身の画家です。初期ルネサンスを代表する画家で、メディチ家をパトロンに活動していました。
古代ギリシャをテーマに描かれた『プリマヴェーラ(春)』や『ヴィーナスの誕生』は、世界的にも人気のある優雅で華やかな作品です。
「ボッティチェリ」とは?『春』や『ヴィーナスの誕生』作品解説も
「ハ行」のその他の芸術家
マ行の芸術家
マネ(1832年~1883年)
エドゥアール・マネは、19世紀のフランスの画家です。「印象派の先駆者」「近代絵画の始祖」とも呼ばれ、絵画界の伝統に反した絵を描いたことで大スキャンダルを起こしました。
代表作は『草上の昼食』『オランピア』。女神ではなく実在の人間の裸体を描いた、伝統を覆す作品です。
ミケランジェロ(1475年~1564年)
ミケランジェロは、イタリア・ルネサンス期を代表する彫刻家であり、画家・建築家です。『ピエタ』『ダビデ』像で成功をおさめ、教皇からの依頼を受けるようになります。
フレスコ画の『システィーナ礼拝堂天井画』『最後の審判』も彼の残した傑作です。しかし意外にも、ミケランジェロ自身は自分のことを「彫刻家」だと名乗っていました。
「ミケランジェロ」とは?『ダビデ』や天井画など代表作品を紹介
ミュシャ(1860年~1939年)
アルフォンス・ミュシャは、チェコ出身のアール・ヌーヴォーを代表する画家です。パリに出てから舞台公演『ジスモンダ』用のポスターで人気を博し、一躍して有名ポスター作家になりました。
『黄道12宮』は当時カレンダー用に制作された作品です。50歳で祖国に帰ってからは『スラヴ叙事詩』を制作しました。
「マ行」のその他の芸術家
ヤ・ラ・ワ行の芸術家
ラファエロ(1483年~1520年)
ラファエロ・サンティは、レオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロとともにルネサンスを代表する三大巨匠の一人です。聖母をモチーフに描いた作品が多いことから「聖母の画家」とも呼ばれます。
『小椅子の聖母』は、ラファエロが30歳頃に描いた聖母子像の傑作です。
「ラファエロ」とその生涯とは?「聖母」「天使」の有名な作品も
レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452年~1519年)
レオナルド・ダ・ヴィンチはルネサンスを代表する芸術家です。画家・彫刻家・建築家としての活躍だけでなく、解剖学や機械発明でも多くの手稿を残した「万能の天才」として、あまりにも有名でしょう。
彼が残した作品といえば、微笑む女性の肖像画『モナ・リザ』です。レオナルドは生涯この絵を手放すことなく、最期まで手を入れ続けました。
「レオナルド・ダ・ヴィンチ」とは?『モナ・リザ』作品や名言も
「ヤ・ラ・ワ行」のその他の芸術家
まとめ
美術史に名を残す芸術家たちを一覧でご紹介しました。各記事では、それぞれの芸術家が制作した絵画や彫刻品などを写真つきで解説しています。芸術家としての経歴もまとめていますので、ぜひアートの世界をお楽しみください。